「-ive aLIVE!」は神だしズルいっていう感想


2024/4/24から開催中のイベント「-ive aLIVE!」

5thPVが公開されたその日からいまかいまかと待ち望まれていたイベントの1つ、放課後スイーツ部のバンドイベントです

このイベント及びストーリーの評判がいいことは言うまでもないでしょう
ご多分に漏れず自分にとっても、ボロボロ泣きながら読ませていただいた最高の物語でした

もちろん新しい演出やムービーで力が入っていて凄い!は分かりやすく誰の目にも明らか
ですが自分が感動したのはそこだけではない……
無限にいいところを見つけられる神ストーリーであるとともに、“今”の“ブルーアーカイブ”だからこそ神に昇華した、たいへん『ズルい』作品だとも思ったのでまとめていきます

いつも通りメイン、イベスト、絆ストなど登場人物たちのこれまでのエピソードのネタバレを含みます

まだ「-ive aLIVE!」を読んでいない人はこんな記事を読む前に自分の心で受け止めて来てください
また「-ive aLIVE!」を読む前に、放課後スイーツ部のグループストーリーと常設イベスト「放課後スイーツ物語」だけでも先に読んでください
できれば同じく常設の「どたばたシスターと古書館の魔術師」、メインストーリー全て、スイーツ部4人特にアイリの絆ストーリー03を読んでいただけませんか
後生ですからなにとぞ……なにとぞ…………

基本的に続編だろうと順番気にせず好きなものから読め派の自分ですが、さすがにさすがにこのお話に関しては前提次第で『ズルさ』を存分に楽しめないのがもったいなさすぎる……
なんなら「いいストーリーだと聞きました!」みたいな先入観も一切無しで読んで欲しい!

無茶を言ってるのは重々承知で
誰にも届かないとしても、うるさいオタクだなと思われたとしても、この物語を十全に楽しんでもらいたいと祈ってしまう

これは自分に限らず「-ive aLIVE!」に脳を焼かれたオタクたちの総意かと思います

何がそこまでさせるのか
前置きが長くなりましたが、感想を書いていきたいと思います




生放送での告知

4/20の公開生放送で発表されました新イベント「-ive aLIVE!」

5thPVのスチルから他にも候補はありましたが、自分の中では最有力だったので意外ではありませんでした

根拠としては3つ
①先日イベントストーリー「放課後スイーツ物語 甘い秘密と銃撃戦」が常設化されたこと
②トリニティの学園祭が複数回に分けて行われるなら(願望込み)、最初はスイーツ部のバンドという予想
③アヤネセリカが登場するアイドルイベントは来月以降だろうという予想

①は順番通りの常設化なら何も違和感ありませんが、去年の復刻順は「不忍ノ心」→「スイーツ物語」→「アビ夏、百鬼夏」でした
京都での各種コラボや生放送のことを考えても「不忍ノ心」を常設化するのが順当かと思います
そもそも去年の復刻の時点でだいぶ順番飛ばしてたので「アロナちゃん特に考えてないよ」案件もありえましたが

②は5thPVでのスイーツ部が楽器を見ているスチルから来るとしたら準備段階=学園祭の前座かなと考えていました

アイドルの方もマリーの練習スチルがあり同様に考えられますが、そちらは登場キャラ数的にも学園祭の目玉っぽいので

プラスで③のセリカアヤネのアビドス組の出番はアニメと連動させたいんじゃないかと考えていたのもあります
どうやら対策委員会第3章もそういった進行のようですし、来月末ブルアカアニメが対策委員会編を描き切って「一段落したところでこの子達の幸せなシナリオを読みたくないかい?」という悪魔のささやきによりアイドル登場が熱いかなって

ただ誰がガチャに来るか配布はあるかなどは全く予想していませんでした
なので生放送でたまげることに

(こんなにかわいい)アイリもらえるのぉ?!
立ち絵やメモロビ、スチルだと童顔でかわいさの目立つアイリですが、今回はその面影を残しつつ少し大人びた綺麗さも帯びています
今回担当してくださったMx2J先生は良くも悪くもキャラの印象が大きく変わる絵師さんと認識しています
水着ハナコや水着シロコは顕著ですよね

今回の3人も普段より大人びて見えるのですが、バンドで気合の入った衣装ということを加味するとむしろ味わい深いです
ありがとうMx2J先生
先日のガイド衣装に続いてちょっと働きすぎてないか心配です

あと衣装のオーバーサイズ感がたまりませんよね
特にバンドTシャツの裾がタックインで膨らんでるとこ
† 癖 †ですね

ついでイベントタイトル「-ive aLIVE!」

自分が最初にパッと浮かんだのはゲームの「LIVE A LIVE」でした
ただイベントPVでけいおん!やぼざろのオマージュがあったので、もしかしたら涼宮ハルヒシリーズの「ライブアライブ」から来てるのでは?と思いつきました
かの有名な「God knows...」が生まれた回ですね
関係ない部活の子たちが急遽バンドを組むって流れはバンド物よりむしろハルヒのエピソードっぽいですし
ただそうだとしてハイフンはよくわからない
ここらへんはまた全体のまとめで語ります

ちなみに生放送で一番驚いたのは「青春あんさんぶる」と新シリーズ「絆ダイアローグ」が計3曲も公開されたことです
それ自体はめちゃくちゃに嬉しかったです
あまりにもハイペースかつ個別キャラソンの軸までぶち上げちゃったもんですから

一方で「こんなに楽曲作る意欲あるのにバンドイベで新曲がない?妙だな……」と不思議に思っていました
ブルアカを作ってるオタクたちがこんな好機を逃すのか?普段と違う軸のバンド曲出せるのに?
いや、やつらはそうじゃないだろ
という謎の信頼がありつつもEXスキル中のムービーも普通のインストっぽくて自信はありませんでした
加えて、もし楽曲発表するなら生放送以上に相応しい場はないだろうしなぁ、とも

期待しすぎても仕方ないのでこのオタクの願望は一旦横に置いておくことにしました


と妄想を一通り語ったところでそろそろストーリーの方にいきたいと思います

過去の記事にも書いたように自分は「放課後スイーツ物語」が大大大の大好きです
その後もいくつかイベントがありましたが今でも一番好きなストーリーです

その続編が来るとなっちゃあ気が気じゃないわけですよ!
期待しまくる一方で、当たり障りのない普通のシナリオだったらどうしようなどと裏返しに腹が痛くなってくる気さえしました

期待ほとんど不安ちょっぴりで超ドキドキ、そんなこんなで更新日は訪れました




ストーリー感想

その日少女は運命に出会った

いきなりホラー演出から始まる導入
その後のアイリの反応が遅いのも不穏で何が始まったんだと一気に引き込まれました

なお話題は「学園祭の出し物なににしようか?」という実に平和そのもの
モブちゃんとの会話もアイリの交友関係の広さを伺わせます
アイリはヒフミさんとも仲いいですし

先程の

“本当にそのままでいいの?”

はその流れで出てきた何気ない一言でしょう
けれどそれがアイリには重たく響いた
“”というダブルクォーテーションマークが付いてるのも気になります
作中でこれがつくのは先生の台詞ぐらいです
プレナパテスの台詞にもついていませんし、シュロの囁きには<>がついていました

実は同じような疑問がアイリの絆ストーリーで登場しています

思ったことを言えずうやむやにしてしまう、消極的な性格が周りをイライラさせてしまうかもしれない
だから「このままで良いんでしょうか?」

アイリの独白にこちらもグサリグサリと槍100本刺されながらも、その場はスイーツに関するアイリの積極性を挙げて励ます先生
先生目線ではそう見えていても、アイリ自身はそうは思えなかったのかもしれません

もしかすると放課後スイーツ部に所属していることが裏目に出ているかもしれません
スイーツ大好き人間に囲まれていると自分の異常性に気付けないかもしれない
チョコミント好きは100歩譲ってアリだとして、いつ見ても食べてるのはイズミぐらいぶっ飛んでるよ……

というわけで初期にさらっと出てきた設定の掘り下げ、といった導入から始まりました
新しい演出も相まってワクワク

電車を降りたアイリの耳に入ってきたのは何かの音色
近づいていくとそこには

『その日、少女は運命に出会った。』の顔じゃん!!!
ズルい〜ズルすぎ〜〜
今までこんな序盤に特別スチルなかったじゃ〜〜〜〜〜ん

この時点で並々ならぬ力の入りようを感じていました
まったく予想していなかった話の入りでふわふわしたような、テンション上がりすぎてどこか浮ついた気持ちになって
「そして、次の曲が始まるのです」



スイーツ部の日常と少しの異変

場面は変わってスイーツ部の部室

おぉ〜これこれ〜〜全身に沁みるぅ〜〜
どうやら学園祭に向けて出品するスイーツの構想を練っている模様
先生もお呼ばれしてあーでもないこーでもないの日常が広がっている

スイーツ部の良さがもうすでにこれでもかと見せつけてくる
ズルいよ、ちょっとの出番でちょっと掛け合いするだけでおもろいんだもん

学園祭の正式名称は「トリニティ謝肉祭カーニバル」だそう
最初はナツの狂言かと思いましたが、後ほど謝肉祭運営という名前も出てくるのでどうやらホントみたい

少し調べると謝肉祭は西方教会由来ですがこれといった決まりはなく、世界各地で様々な伝統祭事として残っている模様
ヴェネツィアの仮面舞踏会もカーニバルの一種とのことで5thPVのスチルと繋がるのか期待が膨らみます

話題はスイーツ部の起源に転がり、誰が創部したのか予想することに

ここ択ですね
ブルアカでは珍しく本当にそれぞれ分岐するのでやっぱり今回はひと味違うぞと思わされます
選ばれた子が喜んで、他2人に殴られる(比喩)というこの3人の関係性がたまらない

後ほど詳しく語りますが今回の1つ1つの描写が今までのスイーツ部のストーリーとお互いにその実在性を補完しあっていてマジでズルい
この子達はこういうことを言う、こういうことをするっていう質感が出番が増えるたびに強固になっていく、解釈違いがほとんど無くただただ強くなっていく
ズルすぎますわ…ほんまに

そんなわちゃわちゃやってる中に鶴の一声

アイリの唐突すぎる提案にみんな困惑
アイリ自身がなぜそう思うのか判然としないのもあって

今回はナツも多めに殴られていて満足
アイリは理由を自覚していないというよりは隠したいように見えます

スイーツに関連したものというヨシミの正論を受けてアイリが取り出したのはあるポスター
学園祭オープニングのバンド演奏で入選するとスイーツが貰えるという
その名も「フレデリカ・セムラ」

ドカ食い死亡部の逸話まである伝説のスイーツ
スイーツ部が動くには十分すぎる理由です

まずは役割分担からですが先生の手腕が光ります
それぞれの「バンドに必要なもの」と「バンドに一番重要なもの」を聞き取り、それをそのまま担当することに

あまりに鮮やかな流れで惚れ惚れしました
ハウツー本に実践例として載せるべきでしょ

周りの推薦や評価によって決めるのではなく、自分自身がきっかけ
それぞれが一番重要視している要素を、仕事の多寡や向き不向きを視野にも入れさせずに聞き出す
だからこそより純粋な願望足り得るし、そのために努力することはきっと楽しいことのはずです

こういう担当決めってどうしても醸成された空気感で決まってしまうことが多いと思います
この子はまとめる役、この子がイラスト、この子がアイデア出し、みたいな
一旦そういう枠組みから離れて勢いで決めてみるのも新たな発見がありますよね
水あさと先生のゲーム開発部公式コミカライズでもみんなでアイデア出し合ってるの良いですよね

そこにそれぞれの熱意(パッション)を乗っける名采配
勉強になります

スイーツ部のみんなも困惑しつつも前向きに動き出します
残り2週間で楽器買うところから演奏まで?!
出来らぁっ!
以下名シーン集

強火のアイカ
どの口が言ってんだの言葉遊びナツ、ペチペチからの雑なロック呼びヨシミ

いや〜〜最高だろもう
このやり取りのどこを切り取っても青春すぎて眩しいよ……!

そんな中、先生はアイリの様子が気にかかるようで

不穏の香りをふわっと纏いつつ解散、次の場面へ



ツムギとの邂逅

シャーレに戻った先生を訪ねてきたのはアイリ
さっそく新衣装を着ています、ヨシミ仕事が早すぎるし似合いすぎてる!!

曲選びの担当になったアイリですが『正解』が分からないから教えてほしいとのこと

いやぁもうこの時点でアイリが背負いすぎてるのが伝わってきます……
音楽に限らず芸術において『正解』なんて追い求めてもうまくいった試しなんかないんだから

先生も少し話をズラしてアイリの心を掴んだ演奏者を今すぐ探しに行くことに
深夜から探して見つかるの?というのもありますが、先生は半ば強引に連れ出します

バンドアイリの絆ストーリーにもありましたが、アイリは衝動的に動くこともある一方で、一度冷静になると引け目申し訳無さを感じてしまう子のようです
思い立った今すぐ動く、今のアイリにとってはそれが大事なのではないかと

さらに忙しい先生が付き合うというのも、それだけアイリを大切に思っているという先生からのメッセージにも感じます
これを誰に対してもやっちゃうから罪作りな男ですよ先生
私じゃなかったら襲われてたよ(CV:カズサ)

2人の向かった先はアイリが出会った路上ライブ?の地
そこには探している人影はなく、ただ別のミュージシャンワンちゃんがおり情報をくれました

ここすき
先生と他の大人との会話、子どもに優しく助言する市民、礼儀正しいアイリ、いろんな良さが詰まったワンシーンでした

その後もいろんな人に尋ねながら探し回りますが気づけば朝に
朝チュンってコト?!
結果が得られなかったことでより自虐的になるアイリ

探している人は『何者か』であり、何者でもない自分とは違う世界の人間だと
探し人がワイルドハントの生徒だとわかったときも落胆するような、腑に落ちたような反応でした

そんなアイリにかける言葉を探していると
ガサガサ、ガサガサ

まさにアイリの探していた人物、椎名ツムギが草むらから現れます
うーんもう面白そう

というのもこれに続くのが

この掴みどころのなさですよ
変な人……(先生がよく言われるやつ)が似合います

深読みかもしれない感想を置いておくと、ツムギは自分が「どこの誰か」、つまり『何者か』に頓着していない印象を受けます
ブルアカで散々語られてきた名前や居場所の大切さ、「なりたい自分は自分で決めていい」という文脈と一致しているようでもあり、むしろそこに重きを置いていないようでもあり
自分を形容する言葉を羅列するのはヒマリやレイサも同じでそれらを本当に自分の代名詞として使っているようですが、ツムギはそうでもなさそう

彼女はアイリのただならぬ様子を察するだけでなく、それを脳内で『物語』に変換する
それはまるでゲマトリアのようですが彼らと決定的に違うのはその『物語』の中に“自分自身”が含まれていること

この物言いもなんとも素晴らしく感じます
脇役であることに憤慨するでも落胆するでも妥協するでもなく、『物語』にとって欠かせない重要な1ピースとして満たされているよう
キヴォトスに生きる一演者としての格を見せられている

言葉の意義を深堀りし、現実と照らし合わせながら解釈していく様は柚鳥ナツとも重なります
それが傍からみると芝居掛かって見えるところも

これぞ芸術家、これぞ表現家
この只者ならぬ雰囲気を演出するのすごいわ…
アイリが心を掴まれたことにも納得がいきます

先生の本質も見抜きつつ協力してくれることに
そんなツムギに対してアイリが望む選曲は

地雷原でタップダンスですよこれは……
無理無理無理もう見てられない
よく見守ってられるな先生よ

多分話し相手がウイだったら追い出されて「-ive aLIVE!」完!でしたね……

しかしツムギはアイリの内情を知ってか知らずか寛大にも引き続き協力してくれます
その一方でその道の先達として助言も授けてくれます

ここらへんが先生っぽくもあるんですよね
今のその子には刺さらなくても、いつか伝わってくれる日を信じて授けておくあたりが
これは他者がどうにかできる問題ではないと理解しておきながら、放ってはおけない面倒見のよさというか
理想的な『物語』を夢見ることのできる人間なんだなって……

そんなこんなでツムギから『現実的な』楽曲を勧めてもらいスイーツバンドは動き始めます




順調な練習

数日後、ヨシミから先生へ連絡が入る
ヨシミの貴重な(そこまで貴重じゃない)デレ成分も頂いたところでホクホク気分で練習スタジオに向かいます

このモノローグすき
バンドハウスやスタジオの近くを通ると演奏が漏れ聞こえてくるのすきすき
重い防音扉を開いて音がわぁっと溢れ出す瞬間もすきすきだいすき〜

ファッ◯ンテンポ!!!
映画「セッション」は芸事の指導における狂気的な負の側面だけでなく、音楽の持つ狂気的な魅力をも描いた名作ですね
ただ自分がもし音楽に本気で取り組んでいたならあれを正気で観れたとは思えません
そこまで尺が長くない映画なので未見の方は心身健康な時にでもぜひ

オマージュも挟みつつ初心者らしさも見せつつ、どうやら練習は順調そう

先日の様子も含めてアイリは気がかりなままですが

ヨシミに追い出されたもののその程度でストーカーは諦めません
時間を置いて夕方スタジオを覗くとピアノの音色が
そこには1人で居残り練習するアイリの姿がありました

ちょっと脱線してしまうのですがここで聴こえてくる演奏は“あの曲”のAメロと似ています
単にOST製作上の都合なんでしょうが色々妄想を膨らませてみると
①ツムギに渡されたコピー曲or教本のメロディ②プロローグの路上ライブで聴こえた印象的なフレーズ、などが考えられます
②の方が個人的にエモいですが、耳コピなうえバンドの演奏に不安を抱えているアイリにそんな余裕はないでしょうから①の方があり得るかな

んでツムギはそのフレーズも入れつつ“あの曲”を作ってくれたとか
初心者目線だと丸々新曲を練習するより途中まで流用できたらありがたいし

まぁ丸々1からアイリのために書いて、みんなも1から準備したと考えるのもエモいのでなんでもいいです(暴論)
“あの曲”はどんなルートで生まれていようと「エモーショナル」……ですから

閑話休題
熱心にピアノを練習する姿といえば先日のドレスヒナちゃんのイベントが想起されますが、アイリの場合は事情が違うようで

今のアイリには演奏を楽しむ余裕がない
そこにはいくつも理由があり、単純な技量、友達を引き込んだ責任、自分を変えたい願望……
演奏が上手くなってライブが成功すればそれらがまるっと解決する
だからこそ焦燥感のなか楽器に向かう……

そもそもキーボードって他3つより初心者にとって難しい楽器な気がする
楽経験者のほとんどはピアノ経験者でもあるので、たいていどこのバンドも経験者がやるパートですよね
キーボードは音色次第で色んな事ができる分、パーカスもギターも足りなければとりあえずキーボードにお願い!はよく見る光景
過去の自分に代わって謝ります、無茶振りしてごめんなさい

そんな事情は知らないでしょうし、今のアイリには気休めにしかならないでしょう

焦りからか負い目からか自分を卑下するアイリ

自分の都合で友達を振り回していると感じるのでしょうね
私たち先生はそんなことを思うメンバーじゃないと知っているし、恐らくアイリもわかってる
それでも自分がそう思ってしまうのが止められない

もう馴染みがありすぎてつらい!つらすぎ!
無自覚に他人を頼れるほど子供でもなければ、自分の願望を上手に包めるほど大人でもない

アイリのような『いい子』って周りの期待に応えることが当たり前で正しくて、自分の願望を表に出すことは浅ましくて正しくないと捉えがちかもしれません
そんなの子供にとっては当然許されることだし、大人になってもオブラートに包むことが上手くなるだけで、周りを尊重することと同じくらい我を持っていることも大切だと思っています

そういう意味で「思春期の等身大の悩み」としての解像度がエグくてエグくて……
もうこの先さらにアイリが曇る展開しか見えなくてしんどかったです

唯一この時点での光は、アイリ自身がその感情を言語化し先生に相談してくれたこと
自分自身を俯瞰的に見る一方で、自身の根源的な願望を言語化する、こんなのそう易易とできることじゃないですよ!
それだけアイリが自分自身の悩みと対話を続けてきたのだと思います
無視して脳の奥底に放っておく方が楽だろうに

さらにはそれを先生に相談してくれた!
それだけ先生が信頼してもらえて嬉しいし、アイリが自分の“弱み”をさらけ出せる“強さ”を持った子なのが嬉しいです
ずっと奥底に溜め込んでしまうのではなく、ある程度外と共有してくれるのであればいくらでもやりようはあります

ただその“強さ”も強がりに繋がってしまうとよくありません

アイリといいレイサといい、強がりのペカー顔ほんとさぁ……
ほんま情緒がおかしくなる……
空井サキのなんの曇りもないペカー顔見習ってくれ

アイリ自身これが強がりであることは自覚しているはず
この日はとりあえずここで解散となりましたが、はたしてどう転がっていくのか

読み進める手がワクワクで止まらない中、ヨシミからの深刻そうな連絡





アイリの失踪にみんなは

そう来ましたか……
突然の話に先生だけでなくスイーツ部の3人も困惑の様子
ただカズサとナツはアイリの異変に気づいていたようで

うーんよく見とる
アイリ大好き猫ちゃんはともかく、ナツをこう描いてくれたの本当に感謝
自分はナツのこういう周囲をよく観察して慮る力をめちゃくちゃに評価しているので最高です
またしても何も知らない伊原木ヨシミさん(15)
思ったことをすぐに言えるヨシミだからこそ理解が及ばないっていうのすごくすごいなぁ〜〜めっちゃいい〜〜〜

にしてもアイリは急にいなくなるような子かな?
責任に感じてるからこそ一言ありそうなもんだけど……と考えながら聞いていると

キーボードの近くに手紙が
「面と向かって直接話したら引き止められることが分かっている」からこそ置き手紙という形にしたんでしょうね
3人がいい子で絆されちゃうから……

ちょっとリオのこと思い出しちゃった
リオはどうなんだろうな……合理的に動いていた結果とも無意識下でユウカに絆されると感じての結果とも考えられるなぁ
はよ戻ってこい、先生やみんなを救って救われてくれ…リオ……

話を戻します
手紙の内容は以下の通り

「……?」の連発、飲み込めなさが伝わってきます
アイリは本当に真剣に切実に書いてくれたと思うのですが、何一つこの子達には伝わらない
アイリの問題は他3人にとっては取るに足らないなんでもないことだった
そういうもんだよね、そういうもんだけどどうしようもなくすれ違うのがまた青春だ……

その後アイリのことは先生に任せて話し合う3人
既に3人にできることはやってから先生を呼んだのでしょうし、カズサからの信頼が厚い

「あの人が」って言い直すのさすがに熱すぎるでしょウホホホホ
「放課後スイーツ物語」を乗り越えたカズサを色んなところで感じさせてくれます

ナンノハナシカナー
だからといって何もしないでもいられないのでアイリの心情を考察することに

そもそもアイリが意見を押し通すことが珍しい、それだけの熱情があったと考えるのは自然なこと
3人の目線ではバンド練習はうまくいっていた、のにプレッシャーを感じていたアイリ
つまりただバンドをするだけでは駄目な理由がある
自分たちではどうしようもない部分、それは…


そのとき、迷探偵ヨシミに電流走る

いやぁ〜〜〜おもろすぎ〜〜〜〜〜
前提を大間違えしてるのに、説を補強していく過程ではアイリがどんな子かよく分かっていて間違いがないからどんどん変な方に転がっていっちゃう
最初のポスターの不自然さも、プレッシャーに感じてしまうことも、入選のために自分の代わりを探すことも、ぜーんぶうまく繋がってしまう

昔読んだ本に書いてあった、渡り鳥は超長距離を正確に行き来するが、場所よりも方角や距離として判断しているため出発地をズラしたら到着地も同じだけズレる、みたいな話を思い出します

アイリの内心はわからないし知りようがない
けれど様々な状況でアイリがどんな言動をするのか、アイリのアウトプットがどうなるかを完璧に理解している3人が面白すぎる
カズサだけは内面にも踏み込みますがヨシミとナツの勢いに押されます
結局そこは考えてもしょうがないというヨシミの意見も一理ありますし

ここらへんのだんだん脱線して事故る感じ、「放課後スイーツ物語」で“放課後スイーツ団”が結成されるに至ったのはこんな流れだったんだろうなぁ……の解像度が上がりまくってもう最高に最高の気分でした
間違った方向にも突き進む勇気、これもまた「ロック」……

じゃあどうするかに話は移っていきます

当たり前すぎて言葉にするまでもないこと
それでも言葉にしなきゃ伝わらないよ〜〜、が青春の物語の醍醐味なんだよなぁ〜〜〜

そもそも「賞に入選する」という他者の評価基準ならどれだけ上手い演奏だろうと確実に入手できる保証はありません

……ん?ってなると演奏に頼らない確実な方法は1つしか……

“謝肉祭運営を襲うよ!”
けれどナツはいつもの狂言回し、冗談の調子ではない
カズサにしかできないことを本気で頼んでいる
警備はあるし簡単なことではない、そして成功したとしても当然迷惑をかける責任は負わなければならない

急に話がパヴァーヌ1章みたいになってきたぞ
最悪のケースを考えた上で出てきた言葉は

ヨシミぃ……かっこよすぎる…………!!
年頃の乙女な部分と火の玉ストレートのイケメンな部分を矛盾なく持ち合わせるのが最強です伊原木ヨシミ

話が大きくズレてしまいましたが彼女らの愛情と決意は本物
いやー最高です
ここまでも十分に面白かったですが輪をかけてエンジンが掛かってきました

うおおおおおおおお!!!いくぞおおおおおおおおおおおおお!!!!!!




そんな自分が嫌で

一方そのころ先生はアイリを見つけ話を聞いていました
3人に見つけられなくて先生があっさり見つけられているのも話の都合ではなく説得力があっていいですね

ヨシミが思いつく“放課後スイーツ部のアイリ”が行きそうな場所には居ないんです
先生とアイリだけが知っている“『何者か』になりたいアイリ”の向かう先なら容易に想像がつきます

深夜、迷い揺れる少女と掛ける言葉を探す先生
この辺りも「放課後スイーツ物語」のレイサと重なります

自分を否定する言葉と涙とがとめどなく溢れてくる
エデンでのヒナが思い出されます
あぁーしんどい、あぁ

きっかけはささいなこと

教本の2章分、傍から見たら大したことない差
ページ数や難易度がどうって話じゃありません
2週間前に教本からやり始める時点で無茶も無茶
そもそも初心者が集まってやってるんだから進みも違って当たり前ですし、それを気にする子たちじゃない

でもねアイリは気にしちゃうんだ、いい子だから

励ましの言葉も素直に受け取れなくなって、自分の気持ちを分かってくれない周囲に苛立って、そう思ってしまう自分が間違っているのだと自己嫌悪する…………
段々と視界が黒に染まっていき何も見えなくなって、最後には嫌いな自分だけ
そんな演出までお見事

あーーーーーーーーーーーー
つらい
身に覚えがありすぎてつらい

特に複数人での音楽演奏ってこれを実感しやすいと思うんですよね
例えば団体スポーツって自分のせいで負けたり下手くそで足引っ張ったりすることもありますが、いうて相手もいる話なので責任が分散するし、大事な大会の大事な場面での失敗でもなければそこまで引きずらないと思います

でも音楽の場合、自分がついていけなかったらそこで曲が止まる、全体で合わせることができなくなる
勝手にやっといて、そっちがカバーして、なんてのができない
だから明確に自分のせいで周りが迷惑していると練習の時点で思い知らされる
自分はバンドの数人程度でさえそれを感じていたので吹奏楽なんて想像するだけでもお腹が痛くなってきます

バンドを始めたことによって今まで漠然としていた悩みが実体をもって襲いかかってきた
今のアイリの状況はそんなところでしょうか

混乱する中で考え続けても良い結果は得られません

違う、違うよアイリ
これだけは自信を持って言える、それは違う
自分勝手だったらこんな悩み気づきようがないんだ
周りをよく見て、見すぎているからこそ耐えられない
むしろ自分自身を大切にしていないからこそ原因を自分に求めて卑下してしまっているんだ

これだけ周囲の良さを見つけられる子なのに、一番身近な自分の良さには気付けない
難しいよな……自分の良さを見つけるのって

そこから何かを始めて『何者か』になろうとすることは必ずしも間違っているわけではない
でもそれはアイリのなりたいものなのか?
本当に今のアイリには「何にも無い」のか?

アイリだろうと誰だろうと絶対本人の前では言わない乱暴な言葉遣いですが、気分としては「ふざけるなよ……」でした
アイリがどれだけ魅力的でどれだけ満ち足りていてどれだけ周りを救ってきたかを私は見てきました
そのアイリがこんな自己否定に走ってしまっているのがなんとも悲しくて許せない

私が先生なら「そんなことはない!!」って途中で遮ってしまっていたと思います
アイリにはこんなこんなこんないいところがっ!!って

でもそれじゃさっきの励ましと変わらないんです

大切なアイリのために先生のしてやれることはそうじゃない
たくさんの言葉をぐっと飲み込んで、慎重に、慎重に、言葉を間違えないように、慎重に
そんな先生の様子が目に浮かびます

そんな空気を破るように着信音が
アイリが自分のものだと勘違いしますが先生への電話でした

ここ深読みかもしれませんが「着信音が鳴って自分のだと勘違いする」ってことは着信を切ってないってことだと思うんです
ってことは休んでいる間のみんなからの通知も届いているはずで……
それをどんな表情でどんな気持ちで耐えてたんだアイリ……
ただの妄想なのにもう涙が止まりません……

その連絡の内容は






こんなことのために

戦闘パートが挟まることすらなく既に実行済みでした
これぞ「ロック」

キャスパリーグをもってしても容易ではない、治安維持組織と一般生徒のパワーバランスが垣間見えていいですね
あとブルアカお得意の容赦無い青あざ
カズサだけ軽症なの芸細

これだけ見るとただの迷惑な不良生徒
ですが彼女たちはアイリを呼び近づけます

しょうもねぇ……
でもそのしょうもないのがいいんだよ……
しょうもない結果だろうとあなたのためなら何でもできる!
もうこのシーン良すぎて大号泣です僕は

しょうもなくても誰かのために身体を張って馬鹿をやれるのが青春なんだ……!

理解が追いつかないアイリとやっぱり誤解していた3人
でもこういうすれ違いがあったからこそお互いの気持ちを確かめるきっかけになるし、腹割って話せるってもんよ

んでもってこの後はお任せの先生よ
憎いことするね〜〜アンタ!
“アイリならできるよ。”
この一言がたまらなくいいなぁ
「放課後スイーツ物語」のときのように“この子達なら大丈夫”そんな先生からの信頼も見て取れます

さてそんな青春の一幕とはいえやってしまったことはやってしまったので、スイーツ部どうなっちゃうかと言うと

イチカ好き〜〜〜大好き〜〜〜
こういう融通が効く、いい意味でのテキトウな感じがイチカの良さでもありますね
しかもしかも

カッーーー!!!最高かよ!
そら後輩たらしにもなりますわ
TTTでの騒動もイチカの中でうまく咀嚼できていたらいいのですが大丈夫そうですかね

思えばイチカもアイリとは方向性が違いますが、年相応の悩みを抱える少女です
なんでもそつなくこなせるけど、これといって夢中になれるものがない
先生に褒めてもらったギターも押し入れに眠っている、そんな子です

夢中になれる『何か』を見つけるのも良いですが、居場所であったり周囲との関係であったり、イチカにとって大切に想えるものが増えるようなそんなお話もいずれ読んでみたいです

その後イチカはどこかに呼ばれて行っちゃいました

この忙しそうな様子は5thPVにあった正実の演劇with木(忍術研究部)の伏線なのでしょうか
王子様イチカとか死人が出るど?!!
もう学園祭イベ5回ぐらいに分けてやりませんか?実装枠が足りない足りない

そんなこんなでスイーツ部の方もなんとかなりそうと落ち着いたタイミングで草陰から這い寄る影

自身の思い描いていた物語が結実したことを言祝ぎに来たツムギ
ここから先生とツムギとの対話が始まります

先生の存在や役割について切り込んでくる
やっぱりこの子ゲマトリアか?

で、それに対する先生の返答もいいんだわこれが

この回答、百花繚乱編のナグサやユカリへの言葉と重なります
話の規模もそれぞれの立場も全く異なりますが、一本筋の通った先生の考えがそこにはありました

ブルアカのこういうところが好きなんですよね
世界を揺るがす大きな事件も、1人の少女の心の中のもやもやも、同じ重みで対処していく
場合によっては平気で逆転する
これは世界の問題じゃなくて君や君の友人の問題なんだと、翻って君の気持ちが世界を救うんだと

俗に言う「セカイ系」ってやつなんですかね
まったく平成のエロゲを通ってきてない人間なのでざっくりとした認識で間違ったこと言ってたら申し訳ないです
ブルアカの場合は責任を迫ったり重く受け止めさせる文脈ではなく、事態を矮小化し軽やかに前を向くことを肯定する文脈で

見ようによってはツムギの言うように「不都合から目を背け、問題を先送りにしただけ」とも捉えられるでしょう
パヴァーヌ2章が顕著ですが、先生のこの積極的に動かないムーブがユーザー間でも非難されることもあります

でも先生は信じている、それでも見守る
生徒たちが自分とその結びつきとを見失わなければきっと大丈夫と

ベアトリーチェに宣言したように先生は問題を解決するのも誰かを救うのも自分ではないと考えているはず
誰かを救い自分も救う、子どもたちがそんな立派な大人になれるように見守り支えるのが先生の役目だと

作品側からこうまで示されちゃ私個人としてはもう見守るしかありません
いつ実現するとも分からない理想の『楽園』を一歩一歩証明していくしかないんです先生は

頑張れよ先生、応援してるよ

そんな先生の解釈をツムギも気に入ってくれたようで

第二の古則らしきものまで飛び出します
もしかしてブルーアーカイブ読んできた?

そしてそんな彼女から手渡されたものは

この結末も想定して作曲してくれた楽譜
「難しいかもしれませんが……」のくだりがとても好き
音楽に限った話ではありませんが実力や技量よりも気持ち次第で習得具合なんて変わるものです
興味のない初心者向けの「ちい恋」を練習させられるよりも、自分の大好きな超難しい曲を頑張って練習する方が上達するってもんです

そして詞はアイリ自ら書くと……
ツムギ盛り上げ上手すぎるだろ!!!
まったく同じ歌詞でも作中のキャラが書いたという背景が加わるだけで何倍も味がするというものです

自分の記憶に新しいのはウマ娘の「GIRLS' LEGEND U」
同アプリゲームリリース時から『コンテンツからそのファンへ』向けた楽曲として大好きでした
だったのにゲーム内シナリオ「グランドライブ」(一部略)にて再度フィーチャーされ『すべてのキャラクターからゲーム内外すべてのファンへ』向けた最高の楽曲に進化しました
今ではあまりプレイできていないゲームなのですがあの体験は大事に胸にしまってあります

もちろん丁寧に描かれなければ解釈不一致、顔の知らないおっさんが浮かんでしまう最悪の劇薬にもなりえます
それでもツムギは、ブルアカはアイリの作詞とした
それだけ今回のお話とその詞とに自信があるってことです

ここで物語に没入するあまり見えなくなっていたあの疑念がふつふつと蘇ってきました
「ここまでやっといて曲がないの?そんなことある??」
いやもう自分の中では疑念ではなかった

1オタクとしてブルアカを作っているオタクを信じている、今回のお話もそう信じさせるに値するものだったからこそ
どこかであるだろうな…アレが…!という確信に変わっていました

話をツムギに戻しましょう

こんな癖強娘が埋もれるってどんな個性派集団なんだよ…とも思いつつ、ツムギは今回のアイリの悩みを越えた先に居るようにも思えました
そういった点でも先達であったのかなと

ほーんとコレ
というか世の中の趣味はだいたいこれ
何事も真剣になればなるほどこの原点を見失いがちですからね
ワイルドハント芸術学院の生徒がこれを言えるってのもなかなか特異、やっぱ謙遜してるだけでだいぶ特殊でしょツムギ

綺麗に締まったところで先生はツムギと別れスイーツ部のもとに向かいます




なぜ「ここ」にいるのか

先生が戻ると相変わらず喧々諤々と言い争ってる模様

ヨシミぃ〜〜〜すき〜〜〜〜〜〜〜〜
もうこっからずっとヨシミすき、みんなすき
ヨシミにとっては「変なこと」なんですよね
一切脳裏によぎりさえしなかった発想

ナツが茶化すのをたしなめつつ、カズサはアイリがスイーツ部を創ったこと、部長を辞退していたことを教えてくれます
今回のバンドしかり思いついたことに全力疾走なパワフルガールな側面も持つアイリですから何も不思議ではありません

そして傍から見ていても他の3人がなぜここにいるのかは明らかです

カズサがヘタレてる一方、イケメンはまっすぐに言ってのけます

「分かった!?」「よくあることでしょ!」どっちも最高
素直になれない年頃でここまでまっすぐに自身を表明できるのは眩しすぎるよヨシミ…!

そんな姿に感化されたのかナツを殴りながらも本音を吐露するカズサ

「放課後スイーツ物語」を懐かしく思うとともに、「アイリは大丈夫」って勝手に思い込んでいた部分は読者である自分にも刺さりました
キヴォトスで一番まっとうに女子高生してる、まっとうすぎてチョコミント狂いでバランスを取ってる純度100%の光のJK、アイリのことをそんな風に捉えている自分がいました
そんな彼女にも等身大の悩みがあり、彼女が打ちのめされるまで気付けなかったのは忸怩たる思いもあります

じゃあどうすれば良かったのか
ここでナツが金言を授けてくれます

2つの古則や先生の言葉、今までのブルーアーカイブを全部まとめて煮込んだ解決策
見えなくなることも見つけてしまうことも肯定した上で、自分自身を含めた環境を見つめ直す
一箇所に留まって思考を巡らせたところでそこから歩けなくなる
そんな時ふと顔を上げさせてくれる、そんな言葉

さすがナツ師匠、お見逸れしました

そんなナツの言葉にアイリの脳内にはこれまでの記憶がフラッシュバックします

この演出ズルすぎだろぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜

はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜良すぎ
グループストーリー、「放課後スイーツ物語」、「古書館」、「-ive aLIVE!」そして3rdPV…………
これらすら彼女たちの過ごしてきた“日常”のほんの一部に過ぎず、もっともっとたくさんの彼女たちだけの思い出が無数に積み重なっている

その光景が眩しく尊く素晴らしく大切に映るほど、そこにはアイリ自身も当然含まれていることに気付かされるはず
これらはどれもあなたがいたから生まれた『物語』だ
あなたがいなくちゃ始まらなかった『物語』だ
だからあなたの大切な思い出や大好きなみんなはあなたが居てこそ成り立つんだ

色んな感情が渦巻いた表情変化、それでも最後は笑顔で今までの、そしてこれからの自分を認めてくれました
おめでとうアイリ
本当によかった




物足りなくない

場面はいつの日かの電車の中
プロローグと同じような会話が交わされる中で同じように出し物への意見を求められたアイリ
けれど今回は

笑顔で、自信をもって、「今のままで」と言えました
大きく遠回りをしてきましたが、その道程があったからこそ現在地の素晴らしさに気づけた

プロローグとエピローグのタイトルの対比といい、電車内の明暗の対比といい、構成が上手すぎます!

そんな既視感を覚えつつ電車を降りるとそこにはいつもの顔ぶれが待ってくれていました

ここでそれはズルいだろおおおおお!!!!!
プロローグで見せたアイリの運命に出逢った顔、ここでも同じ表情をしたっていうのはまさに
「今ここにいることが運命だったんだ」っていう気づきじゃないですか!!?!

もうすでにアイリは『何者か』になっていたんです
もっと言えば『何者か』になれる場所に居たんですね
それをアイリに喋らせることなく、スイーツ部のいつもの会話を眺める表情、スチルのリフレインで表現するのエモすぎ〜〜〜

からのこれ〜〜〜〜〜ズルすぎ〜〜〜〜〜
はぁ全て良ければ終わりも良しかよ
ということで怒涛のエモい展開で殴り続けてこのお話は一旦幕を閉じます

プレイされてた方、ここの終わり方びっくりしませんでした?
自分は結構驚きました
「あれ?あと2話残ってるけど?」

からの“アレ”ですよ……はぁたまんねぇな
そちらの感想は後ほどまとめて書き殴ります

とりあえず初見はぼろっぼろ泣きながら「やりやがった…!やりやがったな!ブルーアーカイブ!お前ってほんとそういうことするよな!!」
そんな悪態をつきながら喜び叫んだ、感謝としか言いようのない最高の映像でした…




後日譚やミニゲーム

さて今回のイベントがもの凄いのはここで終わりじゃなかったこと
先ほども触れた残りの2話が後日譚としてありつつ、そちらはさっくり終わり

本命はミニゲームの方でした
かわいく動くSD,贅沢なスチルの数々,そして読みやすくも豊富に用意されたミニエピソード
さすがに気合い入りすぎてて恐ろしかったです

その中でも特に大好きな部分だけ

杏山カズサを訪ねてきたレイサ
でも本人は不在でいつもの引っ込みモードで帰ろうとする
それをスイーツ部がそれぞれの言い方で優しく引き止めるんです

特にこのアイリの優しさが沁みて沁みて……泣
これこそ私たちが見てきたアイリの長所
相手に寄り添った押し付けのない暖かくてやわらかな優しさ
こんなことをさらっと言えちゃうのは凄いんだって……アイリ…………

この時点でめっちゃ良かったのに、カズサが帰ってきて一言

はあああああああああ最高〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あれから微妙な距離感は相変わらずだけど、拒絶することなく輪に入れてくれてるんですよねカズサ

あぁ〜最高〜〜〜
これもう「-ive aLIVE!」じゃなくて「放課後スイーツ物語」の後日譚でしょ〜〜〜〜

と「放課後スイーツ物語」のオタクが発狂したのでした





“あの曲”のライブ映像

なんの予告もなくこちらをぶん殴ってきた3Dモデルのライブ映像
めぇ~〜〜〜〜〜〜〜ちゃくちゃ良かった!!!
曲が良いだけじゃなくてそれぞれの動きが本当に細かくて愛に溢れていて最高だった!!!

っていう感想は観た人間全員の共通認識なので置いといて
こちらも個人的に好きなシーンをペタペタ貼っときたいと思います
コピバンを数年やってた程度の浅い知識で語るのをお許しください

まずもぐもぐヨシミかわいい
このあとドラムが暇な隙を見てお菓子に手を伸ばしてバランス崩すナツも好き

それとヨシミの運指は基本的にコードのバッキングっぽいですね
今回ギター演奏やヨシミのモーションを担当されたNezMayoさんが投稿した動画を見るとリードはエッグいことやってるのでぜひ見てみてください

アイリが声をかけて耳で反応するカズサ、テンパって運指を見失うヨシミ、やれやれ…みたいな表情のナツ、と三者三様の反応
ほんとに細かいなぁ〜キャラがイキイキしています

コーラスに入る前に深呼吸をするヨシミ
もしかしたらドタドタやってたナツへのため息かもしれませんが
上にも下にもハモってて最高でした

サビ前のキーボードが目立つシーンでポーズを決めるナツ

考えれば考えるほどナツがドラムなの解釈一致すぎるなぁ
ドラムって勝手な偏見なんですけど「リズム隊としてブレない自我」と「孤島にいながらもメンバーと呼吸を合わせる視野の広さ」がどちらも必要だと思っていて
自分の世界を持ちつつ周りをよく見て立てるナツにはピッタリだと思います

雲が晴れ、青空のあおさに目を奪われるアイリ
綺麗すぎるだろこの構図

演奏と歌とに入り込むカズサ
ありますよね、音楽と一体になってる感覚
気持ちいいんだよねこれが、わかるよカズサ
でも初心者なのにスラップかましながら歌い上げるのはさすがに天才が過ぎる
すごすぎてわからないよカズサ……

それと繰り返しになりますが、アイリの書いた歌詞をカズサが歌うってのがまた最高だね
ぼざろで後藤の詞を喜多ちゃんが歌うみたいな対局にある味わいはもちろん、自分の立ち位置を見直すって点ではカズサとアイリは共通する部分も多く深いとこで繋がってる
カズサの歌でもありアイリの歌でもありスイーツ部の歌でもある
最高だね

これら以外にもほんと一個一個の動きが細かくて、ギター以外はよくわかりませんが各楽器のモーションは実際の演奏者の動きを参考に作っているようでとてもすごいクオリティでした!!
楽器演奏の映像化って指先まで細かく要求されるからハードル高いのに……すげぇ……

「先ちょ」の3Dショート動画とはまた違う方々が本当にこれのためだけに作ったって感じ
最高だぜあんたら

個人的な願望としては流れてくる音源は完璧なものとして、あの場で録画された演奏はもっとダメダメで、でも最高に楽しい思い出になってくれてたらいいな、と思います
ヨシミの運指といい完璧な演奏ではなくて、後から見返すと粗が目立って小っ恥ずかしい内容なんだけど、それでもあの瞬間は最高に楽しんでたっていう青春の1ページであってほしいかなって

別にあえて下手な音源が聴きたいわけじゃないんですけどね
彼女たちの思い出として存在していて欲しいなって

それはそれとしてぼざろの8話のような不協和音の演出も胸が苦しくなって大好きなんですけどね





感想まとめ

以上が今回のイベント「-ive aLIVE!」の感想になります
改めてこのタイトル「-ive aLIVE!」について考えてみると“I've alive.”、“私は生きている。”の意になるのでしょうか
他の方の考察で面白かったのは“-(ハイフン)”の部分に色んなスペルを当てはめることでいろんな単語を作れるという発想
スイーツ部のようにバラバラで様々な言葉を作れるが、共通しているのは“I've alive.”的な?

それと記事のタイトルにも書いた『ズルい』
途中でもちょいちょいズルいズルいと言っていた気がしますが、それはオタクの鳴き声なのであまり気にしないでもらえると

真に「このお話『ズルい』な」と思ったのはその魅力が今までのブルーアーカイブの土台の上に立っていること
スイーツ部の数々の日常、カズサにとってのアイリを描いたイベスト、さらにはメインストーリーも含めブルーアーカイブでこれまで描かれてきた様々なテーマとそれに対する答え
ストーリーに一切戦闘が挟まらない、最終話前に完結する、突然始まるムービーなどプレイヤーの常識を逆手に取った演出
それらがあってこその究極の神イベントと成った、それがなんとも『ズルいな』と思ってしまいます

「-ive aLIVE!」単体のシナリオを箇条書きにすると、バンドやアイドルものならどの作品にも1つはあるぐらい普遍的な、言ってしまえば平凡なテーマだと思います
いやまぁ普通の作品は優勝賞品が欲しいからってカチコミにはいかないんですがそれはともかく

これがもしバックボーンのない作品だったら
アイリの持つ魅力を他のキャラに改めて説明してもらわないといけない
けれどアイリについて誰の説明がなくても、彼女がどれだけ魅力的な女の子であるのかをわたしたちはよく知っている

ナツの哲学が急に出てきた作者の代弁のように感じてしまうかもしれない
けれどナツがふざけているようで妙に核心を突く、そういう子であることをわたしたちはよく知っている
カズサやヨシミの言葉もそう
彼女たちがどれだけアイリのことを好きなのかわたしたちはよく知っている

先生の言葉がうわべの理想論のように聞こえるかもしれない
それでも一貫して生徒を信じハッピーエンドを目指し続ける、そんな大人であることをわたしたちはよく知っている

今までブルーアーカイブという作品がたくさん描いてきたバックボーンがこの平凡なテーマを至高の名作へと押し上げました

それに加えて前述のバンドやアイドルといった「舞台に立つこと」が目標でありテーマである作品は「ライブの成功」まで描いてハッピーエンドなはず

でもブルアカはあくまで「生徒たちの青春の物語」でしかない
ライブがどうだったとか結果がどうだったとか、アイリの言葉とも重なりますがそもそもバンドである必要もない
だからアイリが一歩踏み出したところで『「-ive aLIVE!」完』とできてしまう
ミニゲームで描かれる結果も彼女たちのいつもの日常でありオマケでしかない
すべてを彼女たちの青春の舞台装置にしてしまえる強引さ

“今”の“ブルーアーカイブ”だからこそ、この尺でこれほどの作品を描けたのだと改めて思います

この『ズルさ』が私をたまらなく幸福にしてくれた一方で、すべての人間にとって最高の作品では無いのだろうというのが寂しくもあります

けど世の中の作品なんて大概そんなもんですよね
自分のスキを再確認するために書いているブログでそんなことを気にするのは野暮でした

この作品と今この時代に出会えたことに感謝しつつ、胸の奥に大事にしまっておくことにします





おまけ

長文駄文失礼しました
バンドをやっていた経験もあり、普遍的な青春のテーマであったこともあり、最高に好みで大好きなイベントストーリーでした
こんなにしてもらっていいのか今でも申し訳なさを感じるぐらいです

最近ブルアカのアニメを見ていると少し前のCMが流れてきて懐かしい気分になります
その宣伝文句が

夢、希望、苦難、挫折。
かつてあなたも歩んだ物語。
今度は生徒さんたちと一緒に。

ゲームを始めた当初にこれを聞いてもピンとこなかったはず
でも最終編以降の物語はより普遍的で「キヴォトスの生徒」のみならず「十代の子どもたち」に共通するお話が増えてきて「今なら理解できます」(CV:連邦生徒会長)状態になっています

またブルアカのメインストーリーは読んでる最中に今まで通ってきた別作品を思い浮かべることがしばしばあるのですが、今回のシナリオは同じブルアカ内での様々なお話が想起されました
それだけブルアカの物語が厚みを増しストーリーを重ね合わせることで、外れ値も一貫したテーマもより濃く見えるようになったのだと感じています

様々な生徒や組織のお話が積み上がるごとに「対策委員会とか便利屋とかってもしかしてキヴォトスの中でも異常だったんじゃ……」と気付かされるあの感覚
メインストーリーで「自分たちの大切な居場所を守る」お話をたっくさん書いてきたからこそ、「大切な人がそこに居ないなら意味がない」と投げ捨てる決意がより映える
……などなど例を挙げるとキリがありません

エデンや最終編が語られがちなブルアカのストーリーですが、それら“非日常”の物語も“日常”があるからこそ輝くものだと思います

今回の「-ive aLIVE!」も同様で、凄まじい神作品であったとともに、そこには「放課後スイーツ物語」のような直接的に作用するものもあれば、先日の「にぎにぎとゆきゆきて」のような違う学園の違う方向性のお話からの間接的な作用もあったかと思います

一方で「-ive aLIVE!」が生まれたことにより味わいを増したお話もあるでしょうし、今後も等身大の青春としてブルアカを支えてくれるでしょう

方向性に好みはあれど、毎回同じでは食傷気味になるものです
ブルアカのライターさんは以前インタビューで「ユーザーから感想を貰えるのは嬉しい」一方で「それに引っ張られることなく書きたいものを書いていく」という旨の発言をされていました

今回のイベントが好評だったからといって毎回これが欲しいわけでもないんです
贅沢なお願いですが色んな味わいを出しながら、一貫した青春の物語を見せ続けていただきたいです

もう一つ、今回スチルの数といい曲といい尋常じゃないぐらい力が入っていました
それらがイベントとしての完成度を引き上げたのは言うまでもありません
新イベントは毎回この供給量を……とは望めないと重々理解しつつも、周年のような大きなイベントでは頑張って欲しいなと期待のハードルが1つ上がってしまった功罪もあります

今回に限っては筆がノリにノリまくって思ったよりたくさん用意しちゃった……な気がしてます
なんか久しぶりに採算度外視でやりたいことやってるブルアカに出会えた気がします
いや対策委員会第3章の戦闘もたいがいだったか……

アニメや外部コラボとゲームを連動するのは賢いし当然だと思う(むしろ出来なかったら不満)なのですが、やりたいことやってるオタク作品大好きなので今後もお願いします

倒れることなく面白い作品を生み出し続けてもらう、それ以上は望みすぎない気持ちでいたいものです

最近自分にとって存在して当たり前だった大先生の訃報が立て続いた時期がありました
それに加え、ソシャゲという媒体の不確かさ、継続の難しさも日に日に感じるところです

いずれ来る終わりの日、それに向けた心の準備を作品に対してもしておいたほうがいいなという想いが募り、今まで以上に触れる作品を心に刻みつけるようにしています

その点今回の「-ive aLIVE!」は本当に素晴らしく
今後5年10年サ終の時まで放課後スイーツ部の供給がなかったとしても、ブルーアーカイブから離れる日が来ても
「-ive aLIVE!」を胸に抱いて満足してお別れできる、そう思わせてくれるものでした

まぁ来年になったらハロウィン別衣装見たいなぁ〜〜〜〜って気分になっているかもしれませんがその時はその時
そういった望みが繋げるほどにブルアカが今後も安泰に続いてくれることを切に願っております