全てが味方した『鳴潮』× 『サイバーパンク:エッジランナーズ』コラボ

鳴潮Ver3.4が2026/06/08に公開されました。
このバージョンの目玉は何といっても『サイバーパンク:エッジランナーズ』とのコラボ!

一年以上前から告知されていた*1コラボで、「ソシャゲのコラボは基本ショボい」論者の自分ですら結構期待しちゃってました。

コラボ実装前の自分のお気持ち、遊んでからの感想とをいろいろ書いていこうと思います。











コラボ発表~実装まで

大好きな作品!だが…………

『サイバーパンク:エッジランナーズ』とのコラボが発表されたのは鳴潮1周年、Ver.2.3の新情報のトリでした。
情報の出し方がこれまた粋!知っている人なら聴くだけで鳥肌の立つ「I Really Want to Stay at Your House」から入るの粋すぎィ!!
2026年実装としばらく先の話でありながら、胸を躍らせるのには十分な発表でした。

…………が、このコラボを100%歓迎していたかと言われるとそうでもありません。
『サイバーパンク:エッジランナーズ』自体は五本の指に入るほど大好きな作品です!
そのキャラクターを鳴潮世界で動かせることにワクワクする気持ちも当然ありました。
一方で、鳴潮をサービス開始からプレイし続けているファンでもあるので「コラボするぐらいなら本編頑張ってよ」という気持ちも少なからず持っていました。

前述のとおり私は「ソシャゲのコラボは基本ショボい」「やらない方がマシ」「無味無臭かどこかにヘイトを集めるかの集金装置」ぐらいのスタンスです。
これは今回のコラボを経験した今なお変わりません。
プレイしてきたソシャゲの数は多くないですが、そのほとんどの作品でコラボの機会がありました。
原作の要素を擦るだけの無味無臭、原作かゲームかのどちらかがキャラ崩壊、性能が強かろうが弱かろうが不満が出る……
限定商法でユーザーを集め課金を煽る、商売としては極めて正しいことも含めてあまり良い印象を持っていませんでした。

一部例外はあります。
ひとつは『アークナイツ』(読んだのはモンハンとダン飯だけ)
コラボ原作のキャラがアークナイツの世界に来たら……というコンセプトはありきたりですが、原作の強みとアークナイツならではの強みとを存分に活かしたシナリオが展開されています。
原作にネガティブな印象を残さず、かつアークナイツの世界に確かな爪痕を残す、コラボでしか描けないお話を全力で描いている。
「コラボするぐらいなら本編頑張ってよ」を「コラボを本編並みに面白くします」で解決してる丁寧な力技、そしてその挑戦を受け入れてくれる原作、そうそう真似できるもんじゃない。

ひとつは『FGO』の内部コラボ。
同じIPなので世界観はそもそも一致しているし、コミカライズやノベライズの作者本人にシナリオ描いてもらえばええや~ん♪というズル。
それが面白いかどうかは書き手の腕次第だが、「魔法使いの夜」コラボとか原作者本人だからってやりたい放題しすぎだろ!!めっちゃ良かった!!!



話を鳴潮に戻します。
鳴潮内でのコラボは初なので実績も信頼もなし*2、ここまで熱弁した”ソシャゲのコラボアンチ”の自分が頭をもたげました。
そこには鳴潮本編への物足りなさも寄与していました。

当時の鳴潮はショアキーパー・ツバキの実装でシナリオや演出が評価され始め、リナシータ編が開幕し空気が切り替わるとともに、潮汐任務・第二章第四幕で「リナシータもストーリーが面白い!」と胸を張れる作品になり始めていました。
ゲームの本筋が軌道に乗り始めていたからこそ「鳴潮を楽しみたい!」の気持ちが強くありました。
またリナシータで一気にファンタジー路線に進み人気となっていたので、「初期はともかく今の鳴潮と馴染むかな……?」という懸念もありました。

まぁ懸念は懸念でしかなく、杞憂は杞憂でしかなかったわけですが。




Ver3.1以降の高まる期待

鳴潮はVer3.0で舞台をラハイロイに移しました。
鳴潮世界の技術の最先端が集まる学園、世界観が一気にSFに戻ってきて安堵しました。
シナリオについても、3.0の段階では粗削りないつもの鳴潮でしたが、3.1で大爆発!
それ以降も常に高得点を叩き出していて「どうしちゃったの鳴潮!?」ってな気分です。
エイメス関連はもちろん、リューク・シグリカ・緋雪・ダーニャ……それぞれを違う切り口で違った活躍を魅せられています、ほんとどうしちゃったのよ……

このクオリティがコラボでも維持出来たら……てか、ここまで一挙手一投足にこだわれる開発が生半可なもの出してくるのか…………?
そんな感じで青天井に上がり切ったハードルを、アプデ前の様々な告知でさらに跳ね上げ続けて、それでも飛び越えてくるんだからたまんないわね!






蓋を開けたら神のコラボ!!!

鳴潮の世界にきた彼らが、どんな反応をして、どんな関係を築くのか……
どの時間軸から現れ、原作の出来事をどこまで経験し、何を想い伝えるのか……

そんな、コラボに期待する内容を何段も飛び越えて描き切った神コラボでした……!!
何が良かったかは後の項目でも触れるので、ここではあっさり目な感想を。

レベッカの魅力がこれでもかと出てましたね!
あまりにも豊富な表情差分、過激な言動と裏腹に気遣いの鬼、などなど原作後半で感じさせてくれた良い女全開でした。
鳴潮キャラとの接触も彼女が中心で、リンネーやシグリカの良さまでもを再発見することができてほんとに最高!!*3
さらにはルーシー、デイビッドとの会話はもう…………感無量です。

ルーシーもレベッカほどわかりやすくないけれど、感情の機微が細やかな表情変化によって演出されており、感慨深かったです。
レベッカに痛いところを突かれて黙ってるルーシー、あのシーンなんかめちゃくちゃに『サイバーパンク:エッジランナーズ』の空気でした。

誰もが夢見た幸せな世界、優しい人に囲まれ不自由の無さそうな世界、それらを見たうえでなお、ルーシーは居心地の良い夢よりも冷たい現実を選ぶ。
それは他人事の説教なんかじゃなく、その現実こそが彼女の大切な人たちが命を懸けて遺してくれた証だから。
「ルーシーに生きていて欲しい」そんな純粋で残酷な願いを叶えるため、彼女は傷を背負って生きていくんでしょう。

ルーシーの記憶には残っていなくても、こういった受容を経て前を向く姿を見せてもらえたことで、ルーシーの生きる現実でもどこかで同じような機会があるかもと期待できる。
ルーシーだけでなく、『サイバーパンク:エッジランナーズ』の最終話に取り残された我々まで救っていただきました。
本当にありがとう、鳴潮。 ありがとう、CD PROJEKT RED様。
最高のコラボをありがとう!






このコラボが”大成功”した(個人的)要因

そんな感じで大・大・大満足!!!なコラボでしたし、すべてのソシャゲのコラボがこのクオリティであれば、諸手を挙げてコラボ推進委員会に加入するのですが……
今回のコラボはあまりにも様々な要素が噛み合い、凄まじい熱量を捧げた結果、絶妙なバランスのうえに成り立っています。
素晴らしかったからこそ、これを基準にしてはいけない…… 上澄み中の上澄みだと心に刻まなければなりません。

その認識を忘れないためにも、どういった点がこのコラボを神たらしめたのかを自分なりにまとめておこうと思います。




1.世界観の親和性

『サイバーパンク:エッジランナーズ』及び『Cyberpunk 2077』は言わずもがな「サイバーパンク」というジャンルの作品です。
ゲーム原作の方はエアプで申し訳ないのですが、これらの作品がもつ要素は「SF」「ディストピア」「抑圧と抵抗」「カオス」「派手なデザイン&アクション」「ダークでエモ」
表面上は煌びやかで華がある、けれど実態は暴力悲劇復讐の連鎖が渦巻く袋小路。
底なし沼に呑まれながらも光を失わない人々に、人間讃歌を謳わずにいられなくなる。
……そういった魅力のある作品だと認識しています。
これらは鳴潮という作品の持つ要素と素晴らしく合致しています。

瑝瓏の中華風な伝統やリナシータの洋風なファンタジーはともかく、ラハイロイの先進的かつそれゆえの息苦しさと相性バッチリです!
そもそもソラリス自体が袋小路と言いますか……鳴式に対して明確な回答のないままバッドエンドに向かっている世界な感じもします。
(ただし、鳴潮世界だとネオユニオンが最も親和性があると感じており、そちらの実装と併せてくるとばかり思っていました)

まずこの世界観の親和性を考えられているかどうかで、世のコラボの半数は脱落します。
そこの違和感すらねじ伏せるような力のあるシナリオを描ければ話は別ですが……
初報の段階で不満多数になるコラボはここがうまく噛み合ってない場合が多い。(他の理由は後述)
いくら普段と違う客層狙いたいからって、噛み合わせ悪い層を呼び込んでも定着しないんじゃ意味ないっすよ。

その点、今回の『鳴潮』× 『サイバーパンク:エッジランナーズ』はどうだったかというと、コラボが始まる前・・・・から大成功でした。
そもそも『サイバーパンク:エッジランナーズ』はその尖り方を差し引いても、エログロ行けるなら万人にお勧めできる神作品なのは前提として……
「コラボするならアニメ観てみようかな」「コラボするならゲーム始めてみるか」といった、相互の作品の認知向上がコラボ前から始まっていました。
そしてその評判も上々! それもそのはず、前述のとおり作品の要素もテーマも親和性がありますから。

作品選びの段階でひとまず成功と言えるぐらい相性バッチリでした。
とはいえ、これを満たしていれば後は何やっても良い、わけではないのがコラボの難しいところです。




2.メディアの特徴

鳴潮は運営型のソーシャルゲーム、『サイバーパンク:エッジランナーズ』は(一応)完結しているアニメ作品です。
ソシャゲの特徴はなんといっても”続いていく”こと、サービス終了の瞬間までは遊び続けることができるゲームです。
一方でアニメ作品はどうしたって”終わり”が存在します、昔のジャンプアニメは何年も引き伸ばしながら続けていましたがそういう時代でもなくなりましたしね。
原作のないオリジナルアニメはなおのこと、アニメ1クールがそのまま作品の”終わり”、続報がない限りはそこが終着点です。

『サイバーパンク:エッジランナーズ』についてもアニメ10話が彼らの物語の”終わり”となっています。
今後『サイバーパンク:エッジランナーズ2』という続編である程度語られる可能性はありますが、別のキャラクターで別の物語が展開されるでしょうから*4
『サイバーパンク:エッジランナーズ』は非常に綺麗な結末を迎え、HappyEndとは言えなくとも、多くの方が納得のいく”終わり”だったと思います。
……それでも…………逝ってしまった彼らが、遺された彼女が、何を想いどう生きていくのか、せめて希望ある”終わり”を観たいというのもハピエン厨の本音。

そんな”終わり”を迎えてしまった作品の続きを見せてくれたのが、今回の鳴潮とのコラボでした。
扱い方次第では劇薬となりかねませんでしたが、大いなるリスペクトと巧みなバランス感覚で乗りこなせていました。(詳細は次の項で)

現在も行われているレベッカのコミカライズのように、別の媒体で公式から提供することもできたとは思います。
けれど「鳴潮」という舞台を選んでくれたおかげで、原作ファンの求める姿をたくさん魅せることができました。
ルーシーレベッカデイビッドの声、表情、動き……スピンオフアニメを1本作り上げないと味わえないものをたくさん見せていただきました。

そしてそれらは今後も”続いていく”。
別世界の影法師ですが、ルーシーレベッカを操作して声を聴いて冒険できるゲームとして。
こういったコラボが、それぞれのメディアの限界を飛び越えて世界を拡張できるのなら、WIN-WINに違いありません。

てか、レベッカみたいな口が悪くてお茶目で察しが良くてイケメンな旅のお供ずっと居て欲し~~~~~~~い!!
アブ、いけるか?(アブは登場機会こそ少ないがようやっとる)



チョイと脱線して、こういう”終わり”のある作品とソシャゲのコラボは割と相性イイと思うんですが、”続いていく”作品どうしはどうも噛み合わないと思ってます。
コラボって時点で互いにとって外伝なので、踏み込んだ話もしづらければ変化や成長も描きづらい。
お互いに何も変わらないまま無難に着地するか、大胆に挑戦して不評を買うか、どちらにしても難しいわりに面白くない。

人気作品やIPととりあえずコラボ!はほんと……ファンの心理としてはやめてほしいっす。
その点、鳴潮のバイクコラボもとりあえずコラボ!に違いないんですが、チョイスが絶妙にウケ狙いじゃなさそう。
「開発側がやりたかったんやろなぁ」で個人的には済ませてます、別にリソース多く割いてるとかも無さそうですし。
それはそれとして、ペルソナコラボはもっとたくさん曲引っ張ってきてね♡
「I believe」「It’s Going Down Now」はマストだよ♡♡




3.コラボ先へのリスペクトとバランス感覚

今回のコラボには『サイバーパンク:エッジランナーズ』のみならず『Cyberpunk 2077』のオマージュがこれでもかと詰め込まれていました。
アニメの印象的なシーン、ゲームのUI・小話などなど…… にわかな自分にすら伝わってくるものが多くありました。

コラボするならこれはやらなきゃ!ってウキウキな姿さえ見えてくる

ここで巧みな点が2つあり、一つが「義務ではないこだわり
『サイバーパンク:エッジランナーズ』とのコラボを謳うなら、その要素を盛り込むのは必須でしょう。
それじゃ飽き足らず、ローディング画面やナイトシティ(心の集域)でのモブ会話など『Cyberpunk 2077』の要素もた~くさん盛り込んであります。
そもそも、鳴潮世界に来訪する設定ならナイトシティを再現する必要もありません。
これらは言うなれば「義務ではないこだわり」、コラボするうえで必須ではない、けれどより魅力的な物語にするため、そしてユーザーを楽しませるため、何より作り手たちが”必要”と感じたために用意されたものです。
端的に言うとコラボ先へのリスペクトと愛、ですわな。


もう一つが「思い出を汚さないバランス感覚
コラボ先のキャラをぞんざいに扱って顰蹙を買う、逆もまたしかり。
コラボ先の設定やストーリーと矛盾する内容を展開する。
そういったコラボも残念ながら存在しています。

その点、今回のコラボは鳴潮にとっても『サイバーパンク:エッジランナーズ』にとっても、それぞれの世界において”あったら嬉しい”と”何も残らなくてもいい”の絶妙な塩梅でした。
ルーシーレベッカの心の機微を主役に立てつつ、彼女たちと接した鳴潮世界の住人にも浅からぬ印象を残していきました。
ルーシーは元の世界へと戻り記憶も残らない、けれど暖かな気持ちは確かに胸に残っている。
「楽しめた人は胸に刻む」「興味なければ無かったことにする」鳴潮ユーザーもサイパンフォロワーもコラボに対する向き合い方は様々ですが、そのすべてを許容してくれている落としどころでした。



これは前述の「無味無臭コラボ」の数少ない長所でもあります。
0点だがマイナスではない。(それならプラスになる話をやってくれ、って意見はもう散々書きましたね)
けれどコラボ先のキャラの内面にここまで切り込みエモーショナルに描いたうえで、「すべてを夢や幻にしちゃっていいよ」と着地させるのは偉すぎる。
「どうせみんな納得して感動するんだから正史でイイじゃんね」ってただの無責任なオタクとしては思っちゃいますが、ここで驕らないのも神コラボになった所以でしょう。



個人的に鳴潮側で一番感動したシーン

直近でラハイロイの研究者たちの高潔さを見せられていたので、その卵である彼女たちも覚悟がキマっていて最高でした。
こういう本筋でもないし記録として残るわけじゃないけど、誰かの記憶として大事にされていく描写がホントに大好きで…………*5
つけ加えると、そのテーマこそが鳴潮の、そして『サイバーパンク:エッジランナーズ』の一番大切にしている勘所だと思います。
だから俺は『サイバーパンク:エッジランナーズ』に脳をやられているし、鳴潮の数々のストーリーに心を奪われているんだと思います。



以上の2点をまとめると、鳴潮側のコラボ先へのリスペクトとバランス感覚が素晴らしかったな、という感想になります。
期待を越えに越えに超えた、それだけ作り手の熱量があったに違いありません。
しかし、その愛情が一方的なものでは空回ったり制限されたりもあるでしょう。
鳴潮がここまで好き放題(誉め言葉)にできたのも、原作側の理解や信頼があったからに他なりません。

CD PROJEKT RED様ありがとう!というだけじゃ味気ないですし、お相手の都合もたまたま奇跡的に・・・・・・・・噛み合った神タイミングだったんじゃないかなぁ、なんて思うところもあるので次の項で書いていきます。




4.コラボのタイミング(エッジランナーズ)

『サイバーパンク:エッジランナーズ』は2026年秋に続編である『サイバーパンク:エッジランナーズ2』の公開が告知されています。
初報が出たのは2025年の7月4日?ほぼ1年前ですね。
しばらく続報が無かったのですが、今年の6月末ようやくキャラの立ち絵が公開されたと思ったら即座にPV・放映時期まで公開、スピード感が半端じゃないぜ!

ってことでCD PROJEKT RED様に『サイバーパンク:エッジランナーズ』を宣伝したい!という思惑が少なからずあったでしょう。
まぁそもそもの評価が高い作品なので、公式サイトで情報公開されるだけでもちゃんと話題になったとは思いますが、独占配信の作品は総じて話題性に困る印象。
ともかく、宣伝効果を狙ってのコラボにあまりにも時期が良すぎました。

また『サイバーパンク:エッジランナーズ』の公開から早4年、この早すぎも遅すぎもしない時期も絶妙です。
話題性や人気に乗っかるわけでも、知る人ぞ知る(つまりマイナー)作品にはなっていない時期。
続編が発表されたからこそ『サイバーパンク:エッジランナーズ』自体の続きは望み薄なことも相まって、本家では描けないストーリーをコラボで展開することに意義が生まれました。

ここまでいくつか挙げた”時機の良さ”はコラボを後押ししたはずです。(妄想)
だとしても、ここまで濃密な脚本を託してくれたCD PROJEKT RED様には感謝しかありませんし、WIN-WINのコラボとなっていることを願うばかりです。
先日鳴潮公式Youtubeで公開された対談(リンク)では、そこまで生々しい話は出ませんでしたが、創作に対する思想や理想が伺えて面白かったので興味のある方はぜひ。




5.コラボのタイミング(鳴潮)

”時期の良さ”は鳴潮側にも大いにありました。
とはいえ開発の都合はわかりませんので、あくまで1ファン目線の”時機が良かった”と感じた話をさせてください。

まずは既に述べた「ラハイロイ編でのコラボ」
これが別の地域でのコラボでは馴染まなかったかもしれません。

次に「演出・構成の磨きがかかった”今”のコラボ」
Ver1.0の頃からテーマやキャラクターは魅力的でも、その描き方は贔屓目に見ても中の中、3Dオープンワールドでぼっ立ち会話しているよくあるタイプのそれでした。
しかし、このゲームは更新を重ねるごとに進化し続けてきました。
ムービーと物語の接続が上手くなり、状況説明や会話が自然になり、何気ないシーンまでカメラがこだわられ、お話の構成も魅せ方も文句なしの出来に成長しています。
ADVやノベルゲーとは土俵が違うので比べづらいですが、3Dのゲームなら買い切りを含めてもトップクラスの演出力を手に入れています。
その磨き上げた技術を存分に注ぎ込んだからこそ、ルーシーレベッカデイビッドを本家アニメと遜色なく描き出せたのだと思います。

さらに「鳴潮ユーザーを満足させきった”今”のコラボ」
これは単なる心情面なのですが、直前のVer3.4でラハイロイ編がほぼ完結、その壮大さと美しさに圧倒されたユーザーがほとんどでしょう。(詳しくはこちらの記事にて)
鳴潮のストーリーに大満足した直後、つまり「コラボするぐらいなら本編頑張ってよ」が一番出づらい絶好のタイミングだったと言えます。
これがたとえばエイメス救出の前なら「そんなことしてる暇ないだろ……!」って気持ちがどうしてもノイズになってしまっていたと思います。
まぁVer3.1から3.4までずっとそのモヤモヤを、漂泊者自身の焦燥としてうまくシナリオに落とし込んでいたのですが。悪魔か?



とにかく、コラボを受け入れ最大限楽しむの最高のタイミングでの実装だったと思います。
サイパンコラボに数日遅れて実装されたルシラーの幕間「目指すは、空」も素晴らしい出来だったため、「コラボもすげぇ頑張ってたうえに本編も面白いんかい!!!」と手のひらギガドリルブレイク。
一から十まで非の打ち所のないコラボとなってしまってしまいました。
(ガチャ仕様が分かりづらかったり、微妙にケチ臭かったりするのが唯一の欠点か)






稀代の名コラボ!!その功罪

ってことで長々と最高のコラボについて語ってきましたが、それでもなお私は「ソシャゲのコラボは基本ショボい」のスタンスを崩すつもりはありません。
これだけの熱量と愛と時機とが味方してようやく†成った†コラボだと感じ入るほどに、どこか一か所でも手を抜いていたら汚点の残るコラボになっていたであろうことが怖くて仕方ありません。
もしルーシーレベッカの作りこみが酷かったら……原作との解釈違いがあったら……鳴潮だけ・サイパンだけが得するコラボになってしまっていたら…………
好きな作品どうしのコラボは本当に胃が痛いです…………綺麗に終わった作品を掘り起こして貶したくないもんよ…………

結果としては大満足に終わりましたが、身に余る贅沢な体験をさせてもらったばっかりに「コラボはこのクオリティじゃなきゃやだ!!」「もう鳴潮はどこともコラボしないでくれ!!!」と駄々をこねたいオタクになっちゃった。
100点120点が出せないなら70点の本編進めてくれ!と思っちゃう…… 望まれたものを望まれたように提供するのだって難しいのにさ。
そんな本音があるからこそ、自分は今後もソシャゲのコラボに期待しません。
オタクが何言ったって今後もいろんな作品がいろんな作品とコラボするのだろうし、そのクオリティはピンキリでしょう。
…………それでもKURO GAMESなら…… そんな期待をさせてくれるのが素晴らしいコラボの功罪なのでしょうか。




あ、おまけとして『Cyberpunk 2077』がセールだったのでDLCもセットで買いました。
お布施感覚なんですがどうやら面白いゲームらしいので(超失礼)、時間見つけてプレイしたいと思います。
原作ゲームを遊んだら、このコラボを2倍楽しめるようになるのか、許せない何かが出てきてしまうのか、感じたことがあれば追記したいと思います。




*1:『鳴潮』Ver2.3 予告特別通信にて

*2:同社が2020年から提供している『パニシング:グレイレイヴン』というソシャゲでは既に数作品とコラボしており、どれも好評だとか
そこを信頼しているユーザーは高みの見物だったのかもしれません

*3:リンネーが深くまで詮索しなかったり、あれだけの別れを経験したシグリカが変わらず交友関係を深めたり……
本編で描くには冗長となるものも、コラボだからこそ再度描けたのだと思います

*4:まさか種と種死みたいになるわけねぇべwww
…………やめてね

*5:ほぼ同時に実装されたルシラーの幕間がまさにそのテーマで最高でした
見方を変えると、このコラボのシナリオが潮汐任務の前フリになっており、鳴潮にとってもやる価値の合ったコラボに他なりません。

H.I.F編(前半組)への所感



H.I.F編の前半組実装が一段落したので、ざっくりな感想を書いていこうかと思います。
ちなみに若干ネガティブ寄りになる予定です、ご了承ください。








『H.I.F』と『一番星』について

アイドルとして重要な要素である「ファンからの支持」を中心に競った『N.I.A』編
それに続いて、「ダンス」「ビジュアル」「ボーカル」……より純粋なアイドルとしての能力を中心に競う『H.I.F』編
”アイドル”という存在がもつ魅力を、この2つの軸で描き出す方針は非常に明快で良かったと思います。

アイドルを志すモチベーションが”アイドル同士”で完結するのであれば、別に”アイドル”の舞台でなくても良いことになります。
ファンや客席に向ける目線があってこそ舞台に立つ資格があると思っています。
『N.I.A』編でそこを描けていたかというと……五分五分な気がしますが。

そこと趣向を変えて、アイドルとしての実力勝負を描いた(描こうとした)『H.I.F』編。
ネームドのキャラたちはこれを勝ち抜き、晴れて『一番星』になるわけですが……
ここで一つ自分が引っかかり続けているのは「筋書の説得力」です。

『N.I.A』における人気投票は、言ってしまえば”なんとでもなる”お話です。
かわいいだけで人気になってもいい、SNSでバズって人気になってもいい、ライブパフォーマンスで話題になってもいい、なんとでも説明できます。
もちろん、その経緯がそれぞれのキャラクターにとって自然な展開である必要はありますが……
学マスのキャラクターそれぞれの魅力を語ればそれで十分です。


  ところが『H.I.F』は(少なくとも自分の中では)そうもいかない。
『一番星』でありトップアイドルである「十王星南」を超えなくてはいけない。
『初』や『N.I.A』では濁せていた部分も、『H.I.F』では視界に入ってくる、ノイズとなる…… そう感じています。



例えば『H.I.F』敗北時のコミュ。
もう一度やり直そう、と言ったって今まさに『H.I.F』に負けたわけで
そして次の周回では『H.I.F』に負けたその人はもういないわけで…………
ゲームシステムとして仕方ないとはいえ、『初』では時期をぼかし、やり直しを自然に演出できていました。
『N.I.A』はどうだっけ?そもそも負けた記憶があんまりないな……。
とにかく、1回きりの『H.I.F』に臨むそして負ける、でもまた1から育成し直してやり直せる
ゲームシステムとお話との不整合が気になってしまいました。*1
手毬で負けたとき「もういい!!!俺はこの『H.I.F』に負けた、負けられないところで負けた手毬と生きていく!!!!!」という気持ちになりました。



例えば1年3組や2年生などの「不在への違和感」。
『初』や『N.I.A』に登場しないのはまだわかります、新人が中心の舞台ですから。
『一番星』がトップアイドルの象徴になったのであれば、外部で活躍している生徒も『H.I.F』に参加してくる方が自然かと思います。
百歩譲って3組は忙しい(笑)として2年生が全く絡んでこないのはおかしくない? 3年生はともかく、1年生のストーリーに登場してこない(説明もない)のは不自然ではないでしょうか。
(コミュで2年生らしきものが描かれたのって千奈の生徒会選挙以外ありましたっけ?)



例えば優勝ユニットから選ばれる『一番星』。
個人であれば「勝ったから選ばれた」のは自然ですが、ユニットであれば「勝ったうえでなぜ選ばれたのか」が分からない。
これは初星コミュの花海咲季にも当てはまります。


全ての物事に理屈が必要だとは思いません、それがたとえ創作の中の出来事であったとしても。
「偶然」「たまたま」「運悪く」……こういった展開もむしろリアルに感じられるときさえあります。*2
とはいえ、理屈のない創作は”現実味に欠ける・リアリティのない”作品になってしまいます。
我々現実の人間がフィクションを楽しむ際、多かれ少なかれ「フィクション世界の存在を認める」「フィクション世界で実際に起こっている出来事として受け入れる」かと思います。
前述の「たまたま」も、ちゃんと作中人物の誰かが「たまたま」と認識している描写があれば、作品としての理屈になりえます。
けれどそこに理屈を見出せなくなったとき、読者は自然と別の理屈を見出してしまいがちです。
「作者がそうしたかったから」という安易な理屈を。

こういった状況を私はよく「夢から醒める」と表現しています。
フィクション世界に心地よく浸っていたら、ふと世界の創造主の操る糸が見えてしまった、そんな興ざめの感覚。
一旦物語として受容し終わってから、作り手の思想を覗き見るのは好きなんですがね。



話を学マスに戻しまして、素直な気持ちをまとめると
「『H.I.F』優勝して『一番星』になることにソシャゲとしての都合を強く感じてしまった」となります。
加えて、いち読者の勝手な気持ちを言わせてもらうと「別にみんながみんな『一番星』にならなくても良かったんじゃない?」とさえ思っています。
3年生組はともかく、1年生組は『一番星』や「十王星南」との関係性に差があり、それが今回の『H.I.F』編の読後感にも大きく影響しています。


……はい、ここまで長々と書いてきましたがただの、本当にただのいちオタクのぼやきです。
理屈とか語っておきながら、自分の論には別に理屈とかありません、感情だけです。
本当にただただ自分が不向きだっただけかもしれません。

以前記事に書きましたがアイドルというコンテンツを通ってこず、今なお魅力的には感じていないので、「歌やダンスが上手いアイドルはアーティストとして一目置いてる」程度の認識です。*3
学マスをここまで楽しめたのも「学園もの」「スポ根」の成分が楽しめていただけで、「アイドルもの」に重心が偏った時には”Not for me”になる可能性大です。
そしてその「アイドルもの」にはそこまで理屈は求められていないんじゃないかとも思います。
みんな優勝!みんな尊い!が許されるというか……明確な基準はファン数や再生数、売上しかない曖昧な世界というか……



自分はH.I.F編が落ち着いたら学マスを離れる予定です。
好きな作品の美味しいところは味わえたなって感じで。
美しい思い出にしておける間に離れるべき、そう学んできたオタクであります。




STEP4のひと言感想

姫崎莉波

『H.I.F』で優勝してしまったらどうなってしまうのか、親愛度10の時点では一番気がかりだったお姉ちゃん。
STEP2,3,4と順調にアイドルとして成長し、その心配も吹き飛ばしてくれました。
『一番星』は結果でしかなく、ここに至れたことこそがアイドル「姫崎莉波」の輝かしい未来を約束してくれています。
幸せになってくれ、莉波お姉ちゃん。
  『H.I.F』直前に懐かしいトンチキプロデュース(大真面目)が見られて嬉しかったな。
ちょくちょく周囲を置き去りにする大暴れを今後もしてほしい。

あと例の炎上は公式から説明があるまで一生忘れてやらない




有村麻央

いまだにSTEP1の「カワイイを受容する麻央さん」には不満しかありませんが、STEP2以降の「カワイイを受容した麻央さん」は魅力バッチリで良いコミュでした。
3年生組はやっぱラストチャンスだからこそ『一番星』の感慨もひとしおですね……

咲季との会話はなんで今まで絡みがなかったのか不思議になるぐらい良さに溢れていました。




月村手毬

STEP4の中でいっっっっっっっっっちばん!!泣きました!!!!!!!
思い入れが特に深いってのもあるんですがねぇ……それにしたって37話が感動的でした…………
正直35話までは予定調和で薄い内容でした。
でも36話、37話の畳みかけがえぐくて、ここでSTEP1に戻ってくるかぁ~~~~と号泣、横転、また号泣。

「一体いつから」ともリンクするのが最高なんですよね……
弱くて嫌いな自分さえも肯定して曝け出して手を引いて一緒に走り出す……
「月村手毬」というトップアイドルの誕生に立ち会えて感無量です……!




秦谷美鈴

美鈴のSTEP4も、彼女を推していた人間であればあるほど打ちのめされる素晴らしいお話だったかと思います。
正直な話、自分は秦谷美鈴の存在が今でも苦手です。
”努力への信仰”が覆しようのない価値観として自分に根付いてしまっていて、”歩いて頂へ上る”彼女をどうしても肯定できないからです。
それでもSTEP3で等身大の少女としての姿が見え、STEP4で慣れないことに挑戦しながらも彼女らしさで登り詰めた物語に感動できました。

胸を貸してくれた先輩方やイケメン手毬など、他では見られない関係性も観られて満足しています。
画像は幼馴染の空気感が一番好きなやり取り。




倉本千奈

STEP3は”用意された筋書”すぎて不満顔だったのですが、STEP4は彼女を取り巻くすべての人間の群像劇で、そしてそれをすべて味方につけて奇跡を起こすサクセスストーリーでした。
特に千奈Pと学園長のやりとりは、あまりに理想の”アイドルとP”でした。

前述の理屈の話に繋がるのですが、濁さず真正面から向き合う姿勢にも感服しました。

他の1年生は今年でなくても良いかもしれませんが、千奈(とことね)は「十王星南」に挑む今年最後の機会に意味があると思います。
アイドル「倉本千奈」から逃げずに戦い、すべてを背負って勝利した、王の誕生を寿ぎましょう。




篠澤広

可能性の低さを軸に据えながら、敵の力も借りながら成長する、実に「篠澤広」らしいプロデュースでした。
大学時代の同期からの手紙は初め蛇足に感じていたのですが、内容を見てからは手のひらクルー
「人生全てが武器になる」…… 色のなかった(はずの)過去も、自分と無関係な先輩同士の因縁も、すべてが「篠澤広」の力になってしまいました。
う~~~ん、お見事

BADENDでちゃんと有言実行してほしかったのは望み過ぎか




葛城リーリヤ

現状STEP4最低評価です。
スクショも3枚ぐらいしかない、すごい。
ちなみに「葛城リーリヤ」というキャラは上から数えた方が早いくらいには好きです。
でも清夏ちゃんとユニットで挑むことになり、ユニットの課題解決がコミュの基本となり、リーリヤ要素は痛々しい厨二用語ぐらい。
他の子たちがSTEP1を感動的に引用している一方で、悪口を言っていた同級生を漂白して、それっぽく勝って終わり。
王道と呼ぶのも烏滸がましいぐらい山も谷もないお話でした。

数少ないスクショは7割清夏の育成で驚愕したシーン

レッスンで最初に見えるのは清夏の顔

リーリヤずっと後ろに引っ込んでましたからね、なんじゃこりゃ。

ユニット路線になった時点で期待はしていなかったのですが、その低いハードルさえ潜ってきた印象です。
…………改めて、なんで”今”清夏とユニット組んで『一番星』を目指したんでしょうね……。
『一番星』を目指すこと自体は当然ですが、切り札を今切った理由は?来年でも再来年でもいいのでは?
これが”今のリーリヤ”になぜ必要だったのか、納得感のないまま話が進んでしまいました。
記事冒頭から愚痴りたくなった大きな要因の一つでした。




紫雲清夏

じゃあ同じユニット路線の清夏も同じく低評価かというと……全然そんなことはないのが自分でも驚きです。
ユニットではありつつもあくまで主役は清夏、トラウマの公表とそれすら武器にして舞う理想の姿を目指すアイドル「紫雲清夏」
同じユニットでこうも差が生まれるかと驚くぐらい、丁寧なシナリオだったと思います。
(『一番星』にこだわる必要もないお話でもありましたが……)

個人的な好みを言わせてもらえば、清夏がトラウマを公表するのはあまり好きな展開ではありませんでした。
それは「飛び級を公表し武器にする篠澤広」ぐらい、私が「紫雲清夏」に求めていた姿と異なる。
けれどそれは私という1プレイヤーが押し付ける偶像でしかない、とSTEP3で既に示唆されてしまっている。

結論、私から言えるのはこの台詞だけ。
周囲を幸せにして、自分も幸せになってくれ。

37話で一度きりの本音を打ち明ける清夏Pも良かったね。
年相応のプロデューサーくんが見える瞬間が大好きです。




まとめ

前半組への感想は以上になります。
いろいろ怨嗟もばら撒きましたが、学マスの世界とそこに生きる人々を愛しているので、彼ら彼女らが幸せならそれでオーケーです!*4


とは言いつつも、「ゲームの都合よりも物語としての都合を優先する」と1周年あたりまで感じていたのが、段々と入れ替わってきているようにも感じています。

そりゃソシャゲとしては順次実装が正しい(てかそんなポンポン実装できない)よ?
核心に触れるのは親愛度コミュにとっといて、イベコミュは当たり障りない内容でいいよ?
ガチャも小出しにした方が文句言われないよ?
全員が『一番星』になるのが正解だよ?

物語としてのゲーム体験をこだわる学マスは陰りを見せ、ソシャゲとして賢い学マスになっていくんだろうなぁって寂しさを覚えています。
(ただプロデュースを分割して周回時間も運要素も緩和したのは素晴らしいと思います、ちゃんと”ソシャゲとして”いいとこもあるよ)

*1:加えて露骨に制限掛けられて1周目じゃクリアさせない悪意を感じながらのプレイが苦痛でした
実際には慣れたらどのキャラも1周目でクリア可能になってくるんですが、なんかプレイしてて理不尽に縛られてる印象は拭えない
『初』のときと違うのは……ワイの傲慢さ尊大さ……かな…………

*2:篠澤広のSTEP4はここから逃げずに描こうとしていたので評価高め

*3:学マスにおいても歌が上手けりゃトップアイドル!って視点になっちゃってる気がする
ちなみにライブエアプ目線で上手いと思ってるのは手毬、千奈、燕
ちょっと別ベクトルだが広、莉波
声量・ピッチ・リズムなど色んな要素があるが、総じてどんな曲でも「自分のために書かれた曲」のように歌いこなせるかが個人的な基準

*4:だからこそ「自己肯定感爆上げ↑↑しゅきしゅきソング」で『H.I.F』に挑む藤田ことねは勝とうが負けようが予後が悪いので肯定できない
搦手で憧れの「十王星南」から『一番星』を奪った藤田ことねに幸せな未来は待ってないだろ!
考え直せ!ことねP!!!

鳴潮第三章・第五幕の雑感&男女比率への持論

なんか厄介そうなタイトルになっちゃいましたが、最近読んだストーリーや見かける話題へのただの雑語りです。







鳴潮第3章第5幕+α への雑感



まずは鳴潮の第3章第5幕と幕間について。
ストーリーとしては綺麗に畳んだなと思います。
期待していたラハイロイ総決戦(全員がそれぞれの得意分野で大活躍!)……とはお世辞にも言えないものの。
千咲の出番、もっと本筋に関わっても良かったんちゃう??
協力してる感を出しつつ、主要キャラがしっかり輝いた優等生な作りだったと思います。

話題が飛び飛びだったり、説明不足だったり、バグったり(ピンボケは修正きたとか?)…………
実装する緋雪ダーニャの説明も挟んじゃってたり
(ただこれに関してはとても、とても、とても改善されていました!!!詳しくは後程)
悪い意味での鳴潮らしさも相変わらずでしたが、良い意味での鳴潮らしさもまたまた進化し続けています。



あの戦闘は言わずもがな!
ムービーと戦闘、テキストとムービー、様々な演出がシームレスに繋がり没入感を生んでいました。
(だからこそ余計に3Dゲーあるあるのバグが惜しい……)

第3章第3幕ほどの感動はなかったものの、要所要所で癖を感じるシーンもあり、胸が熱くなりました。
さ~~~すがにエクソストライダー起動!!→アレフ1(ロボ形態)との一騎打ち!!! は熱過ぎた……!
第2章第11幕すら越えた、プレイヤーの期待に応えようとするサービス精神たっぷりのストーリーでした。




個人的に好きなシーンは断トツでここ!

虚無に呑まれ自棄になるのも、希望に向かって探求せずにはいられないのも、私がこれまで観てきたラハイロイの人々そのものです。
神に救いを求める、願いを力に変えるような展開であったリナシータとここで差をつけてくるかぁと唸りました。


その世界に生きる民草の人間讃歌が本当の本当に大好物で!!!
まさかそんな展開が待っているとは露知らず、はしゃぎ倒しました!!
いやぁ~~~~まじで思想が好きなんだよな、鳴潮の。
他でどんなクソ要素があっても、ストーリーの芯を愛せるから許せちゃうもんな!
(アンケートで30行要望・改善を送り付けたマン)(開発コードそんまま表示されるようなずさんなミスが多いぞ今回)






緋雪

緋雪には良い意味で裏切られました。
もっと冷静で、もっと常人離れしていて、超越者のようにふるまうとばかり。
『救世主』つながりで、しかも”失敗した”救世主として描かれるとは……脱帽です。
漂泊者との対比はエイメス1回限りの飛び道具だと思ってましたが…… こりゃ色んな地方で使えるぞ

幕間で一人回想&組織長と対峙、という見せ方も新しくて良かったですね!
緋雪の一人称視点なので心の声をしっかり描写でき、負の感情も露わにしてくれる。
組織長の問い掛けへの答えはあえて見せず、再登場までドキドキさせられる。
漂泊者の活躍振り返りは周年のメタ的都合もよぎりましたが、うまく意味を持たせられていました。

一番効いたのはここ。

お姉さんとの最期の会話

まぁた素っ気ない会話が最後になっちゃった系思い残し遺され系もうどうしようもない系かよぉ~~~~~~~~~

と頭を抱えました……。
……はぁ…… お姉さんも素敵な人だったな…………。
剣技のやりとりは胸が締め付けられるようでした……。
ここでまた緋雪さんの語調が不器用な妹になるんだもんな…………はぁ……。



期待以上に魅力的に描かれ、大好きになりました。
巫女という役割の重責・周囲の無遠慮な期待、日本特有の空気感を出すのも相変わらずうまい!
緋雪の物語は葦ノ原にも続きそうなので、今後の活躍にも期待ですね。




エイメス

今回も我らの娘は立派でした…………。
エイメス(空)の健気な反応に愛着がわき始めていた頃ではありますが、やはり飛んで跳ねて迷惑かける元気なエイメスが一番ですね。

親子の激熱シーン



エイメス関連で一番感情高まったのはこのシーン。

モブ生徒の会話で触れられるだけだった、エイメスに手を焼いていた教授ですね。
憎まれ口をたたきながらも、自身の生徒に対する想いがこれでもかと伝わる言葉にジーンとしました。
家族でも友人でも特別な関係でも何でもないけれど、一生徒の、一子供の無事を願ってやまない善性は美しいし、報われてほしいと思ってしまいます。
どこかで一幕だけでも、エイメスとの会話が見たいなぁ。




漂泊者

今回も異常救世主として獅子奮迅の活躍でした。
緋雪とのやり取りは既視感がありつつも、流石の Good Communication でした。

作品として意外だったのは作戦決行にあたって、スペーストレック・コレクティブの長「チェイス」との問答。
こういう立場ある者同士の駆け引きが描写されるのは、カルロッタの連星任務以来?ってぐらい珍しい。

いや~~~良いキャラしてましたね「チェイス」さん!
・漂泊者を信頼したうえで、組織の利益と漂泊者の目的の妥協点を探る
・有事の対策も実行も迅速、かつ柔軟、かつ人命を賭した賭けにも出られる勝負師
大局を見ることができる傑物って否応なくワクワクさせられます!

惜しむらくはモブデザインであること…………。
これについてはまた後ほど詳述しますが、限られたリソースの中でもできることはある、そう考えるとむしろ好意的に捉えています。
見るからに実装しますよ!って美麗なキャラじゃ出せない味がありますからね。




エクソストライダー

今回の実質「歳主」枠のエクソストライダー、もとい「ラハイロイ」さん

あのさぁ!!!私何度も言ってるよねぇ!!!!!
上位存在が矮小な人間たちの善性に感化されて、論理ではなく感情で奮い立つ展開が好きだって!!!!!!

角といい、インペラトルといい、ラハイロイといいさぁ…………どんだけ気高く暖かいのさ…………
こんなん好きになっちゃうだろ!!!!!なりました!!!!!!!
以上です!!!!!!(好みすぎて鳴潮に対して怒ってる)



玉露

緋雪と同じく、予想を裏切られたキャラでした。
勝気で親しみやすく誰よりも妹を想う姉御肌、けれど迷いや弱みも持ち合わせる、非常に多層的で魅力的な人物でした。
緋雪との会話から察するに、歴代の巫女は「未来を借り受ける力を使いつつ、限界が近づけば次代に継いできた」のだと思います。

玉露さんはそうしなかった。
ひとえに、妹を同じ境遇に置きたくなかったから。
穂波の鳴式との戦闘で力を使い切って、灰も残さずにこの世を去った。
一方で、遺された妹がどういった選択をするのかもよく分かっていた。
その選択を詰りながらも心配で、逝くに逝けずに未練を残した。

善の傑物でありながら、家族愛に囚われる常人でもある、このアンバランスさがたまらなく愛おしい。
緋雪の才を認め、だからこそ可能な限り巫女から遠ざけた。
これも推測ですが「巫女が引き出せる可能性は本人の才能に依る」と思っています。
武だけでなく様々な方面に才のあった(公式の怒涛の供給ありがとうございます!)緋雪さんは歴代一の巫女である、そう玉露さんも組織長も感じ取っていたのでしょう。

ゼンゼロの儀降儀玄の姉妹もそうでしたが、姉妹愛と自己犠牲の物語は悲しくも美しく心惹かれます…………。
鳴潮は周波数という設定のおかげで死者との対話も頻繁に観ることができて、心を抉られながら、でも救われてもいます。
ありがとう、玉露姉さん。
緋雪が緋雪でいられる世界を頑張って作ってみせます。




その他

ここまでに触れてないキャラにも触れておくと、まずショアキーパー。
ワンポイントの出演でしたが、ブラックショアの協力、そして漂泊者への気遣いとバッチリな活躍。

次にルシラー。
学園の代表として色々融通してくれましたが、印象薄くもある。
ただ会話中の些細な仕草から、大人として、一個人として、漂泊者緋雪エイメス……学園に連なる全てへの愛情を感じました。
漂泊者から善人として信頼されていて良かった良かった。

モーニエ教授。
サブ主人公ともいえる大活躍。
後輩ムーブかましつつ、今回の作戦の総指揮をとっていました。
漂泊者の通信が途絶えたときの心境たるや…………頑張ったね。

シグリカ。
話の展開としてルーン解読で一活躍。
ダーニャちゃんの話でまた曇らせられるのか、はたまた明るく照らすのか、期待ですな。

リンネー千咲リュークはまとめて。
ちょこちょこ登場しているものの、雰囲気参戦のようなもの。
リューク先生は保健医として東奔西走ななか激励に来てくれて嬉しかったな。
リンネーはバイクの機動力で仕事してた(&ツーリングのフラグ建て)
学園生活、日常の象徴として輝いていた気がします。

千咲は…………?
私そもそも千咲といっしょの冒険に心躍らせながらラハイロイに来たんだけども……。
もうちょっとどうにか絡ませられなかった?と不満顔です。
まぁまぁまぁ…………葦ノ原編でまた出番あるでしょう……きっと…………。

ダーニャ。
完全に組織長の操り人形としての登場……かと思いきや自我で抗っていて偉い!
そして過剰な説明を潮汐任務中にしなかったのも偉い!
幕間が控えてるからってのもあるでしょうが、大きな物語が動いている中で個人の話に比重が寄るとテンポ悪いんでね。
目を覚ましたダーニャ、その来歴と訣別が見られるか、期待してます。

ついでに織る者。

スポット参戦ではこの人が一番嬉しかった!
シグリカの先達としての立ち居振る舞いが立派でした。

他にもネームドNPCをちょいちょい見かけました、ザヒーラとか。
お祭りでも見かけましたし、なんかかんか理由つけてファンサービス用意してるのいいですね。
(今回は緊急事態の避難なんで笑い事ではないのですが)

それとウェーブラインを使って全員が連絡取り合ってる感じを出したり、失踪した漂泊者を心配するメッセが溜まってたり、演出にも一工夫が見られました。
色々お試ししながら、より重厚より濃密より明快なストーリーテリングの腕を磨いていってくれたら嬉しい限りです。







実装キャラの男女比について

ここからは最近SNSで見かける&鳴潮で長らく問題視されている話題
「登場・実装キャラが女性に偏り過ぎじゃね?」について、偏見しかない持論を語ります。
何の論拠もない、n=1でしかない戯言という前提で興味のある方はサラッと見ていただけると幸いです。



そもそもの発端は先日ゼンゼロの発表なのかな。
新キャラ10名がドドンと公開されたようで、その中で男性は1人。
鳴潮ならそんなもんかってなりますが、まぁそれが界隈外に流れてくるぐらい物議をかもしてるとしてないとか。
それが鳴潮にも飛び火しているとかしていないとか。

自分はゼンゼロから離れてしばらく経つので、そちらには特に言及しません。
(エレン・ライカン等の尖ったキャラデザ、ファンタジーとSFが融合したポストアポカリプス!を吹き飛ばす痛快コメディアクション!!が魅力のゲームだったのでは…………?という愚痴だけ置いときます)


鳴潮の実装キャラの男女比について、どちらかというと不満側です。
限定で実装されている星5が30名*1、うち男性は5名…… 5:25です。
単に男を増やしてほしいというより、美男美女枠は十分なんでもうちょい冒険してほしさある。
イケオジ、美少年、性別不詳、糸目、ゴリマッチョ…… そらいろんなキャラ操作したいしストーリーで見たいよ。
一方で、まぁこういう事情もあるやろし仕方ないよな……と諦めている側でもあります。
1ユーザーが憶測したところで何の信憑性もなければ、それで擁護や攻撃をしたいわけでもありません。
変えられないものと心の折り合いをつけていくことも、エンタメを楽しむうえでは大事なことと個人的に思ってるだけです。
変化に気づき、考えることをやめないよう常々自戒しております。



前置き(予防線)が長くなりましたが、ようやく本題に
鳴潮の実装キャラが女性に偏ってしまうことの要因として、大きく2つに分けて書きます。
『3D・アクション・ソシャゲに共通する限界』、『鳴潮特有の問題』の2点です。
他にも「中国開発のお国柄・情勢」や「グローバル展開への影響」などもありえますが、段々ゲーム自体の問題から離れていってしまいそうなので割愛いたします。*2




『3D・アクション・ソシャゲに共通する限界』

1-① 3Dモデルの開発、キャラ実装ペースの限界

一時は原神が独占していた3Dソシャゲのブルーオーシャンも、様々な作品が増え、限られたパイの奪い合いになっています。
ソシャゲ業界全体が長らくその傾向がありますが、膨大なボリュームを売りにする3Dソシャゲにおいてはより顕著に見られます。

新たな客層を得ることが難しく(原神があまりに広く認知されているため)、既存作品のファンを奪わなければならない。
当然既存作品と比較され、明らかな長所がなければ「○○で良くね?」で終わりです。
ソシャゲの魅力にはOnGoingでの盛り上がりも多分に含まれており、面白さとしても商売としてもプレイ人口が正義という面は否めません。

新規参入する場合は圧倒的なグラフィックを求められる、どころか必須条件となっています。
「グラフィックがいい」 誰の目にも分かる長所はこれぐらいであり、そうでなければ土俵にすら上がれない印象まであります。
それを満たしたうえで、「シナリオは?」「ゲーム体験は?」「エンドコンテンツは?」と様々な観点でハイクオリティを求められていきます。

ここで一つ、先駆者である原神の作った風習が功罪となります。
それは6週間に1度のアップデートです。
そのタイミングで新規キャラ実装だけでなく、シナリオや新マップも実装されていきます。
さらには動画コンテンツ、個別の楽曲などゲーム外の施策も盛り盛りです。


自分はここまで例に挙げてきたもの以外だと、ソシャゲとしてはFGO、ウマ娘、ブルアカ、アクナイなど有名どころしか触っていません。
3Dオープンワールド風ソシャゲと比べて、恐らくそのどれもが開発運営コストが低く済んでいると思います。
しかし、これまたそのどれもが6週間に1回メインストーリーを更新するなんてできていません。


一方で、キャラ実装に関してだけ言えばソシャゲとしては控えめな部類でもあります。
1か月で4体とか6体とか実装するソシャゲも珍しくありません。
原神式では6週間に2体、ソシャゲ基準では少ないとさえ言えます。
実際自分も原神始めたての時は他ソシャゲと比較して「更新遅いなぁ……」とさえ感じていました。
ソシャゲの更新=キャラ実装って認識がありましたから。
低レアを含めてより多くのキャラを実装、登場させられるのは2Dソシャゲの無視できない利点だと思います。


そう、この6週間に1回の更新は中身を見るととんでもないハイペースなのですが、頻度だけなら常識の範疇。
ソシャゲにとって話題性やユーザーの熱を保つためには更新頻度も重要ですから、むしろこの長さが飽きられない限度と言えるかも。
そして実装できるキャラ数が少ない分、優しそうで全然優しくないガチャ形式が生まれ、かつ売り上げに貢献するキャラ造形が重要視されるようになった(と勝手に推測)。
何人かの中で誰か売れればいいや、ではなく少ない弾数で当て続けなきゃいけない

結局のところ、3Dソシャゲの開祖がそれで始めちゃったもんだから後続は真似るしかなくなっちゃった。
莫大なコストを数少ないキャラの売り上げに委ねる、であればキャラを売る努力とは別に、売れそうなキャラしか実装しないのが商売としては正しいんですよね。*3


長々と語ってまいりましたが、ようやく鳴潮について……とはいえもう既に自分の意見は書いちゃってます。
実装ペースが決まっている以上、売れるキャラを作り続けなきゃいけない制約は重くのしかかってくる。
この影響は男女に限りません。 女性キャラの中でもロリやおば、男性でも少年やおじ…… とにかく人を選びそうな属性は初期組以外ほぼ実装されていません。
鳴潮が異様なやる気を出しまくって毎バージョン4人実装、うち1,2人は低レアみたいなことしない限りは解消されないかと思います。*4



1-② アクションゲームのターゲット層

大前提の予防線として、この項目で話す男女差については一般的な傾向でしかありません。
個々人の好みとはまっっっっっっったく関係ありませんので、ご了承ください。


自分の中の偏見として「男女によって好むゲームジャンルが違う」というのがあります。
より雑に語ってしまうと「ノベル・シミュ・RPGなど操作難度低めは女性人気高め」「アクション・シューティングなど操作難度高めは男性人気高め」という認識があります。

皆まで言うな、これはただの偏見です。
ジャンルよりもグラフィックデザインの方向性の方がよっぽど男女差があるとも思っていますが、それはより根拠のないものになってしまいますので……。
ただ鳴潮が今のデザインのまま、ジャンルをRPGやノベルに変えたらプレイヤーの男女比率も1割2割変わって、運営方針も変わってそうな気がします。(ただの妄想です)


ここでゲーマーの男女比について触れておきます。
「日経エンタテインメント!」2025年4月号の記事によるとゲーム関連の【男:女】の比率は
プロセカ【45:55】原神【55:45】ポケモン・Fate・崩壊・スプラ【6:4】
マイクラ・FF・ドラクエ・マリオ【7:3】ゼンゼロ【75:25】バイオ・モンハン【8:2】
フォトナ・Valo・Apex・ウマ娘【85:15】モンスト・ブルアカ【9:1】
あとはゲーム以外も含んでそうなアイドルIP(アイマスとかバンドリとか)は女性もそこそこいる。
男女比【1:9】以上に男性アイドルIPが見られるぐらいでしょうか。

そもそもがほとんどのゲームにおいて男性多数なようです。
(ゲーム全般だと7割以上男性らしい)

これと課金額はまた別軸で考えなければならないでしょうが、分母の数は無視できません。
男性割合が8割超えるようなゲームは男性をターゲットにした方が、それを好まれるお姉さま方としてもハッピーな気がします。
その点、ゼンゼロは絶妙~~~~~に扱いづらい位置にいますな。
男に売り出すべき割合だが無視できないぐらい女性もいる……。

ここで鳴潮の話に戻ります。
鳴潮については表に記載がなかったものの、他ゲーと照らし合わせて【8:2】~【9:1】ぐらいの割合に落ち着きそう。
その視点で見ると実装キャラの男女比 5:25 もおかしくない数字に見えてきませんか?
まぁ結局は運営のみぞ知るってやつですが、ゲームのターゲット層を意識したキャラ実装になりがちなのは一考の余地ありかと思います。


1-③ キャラの使いどころが高難度なエンドコンテンツ

になりがちです。
これは1-①、1-②とも関連していますね。
ソシャゲに課金させるには動機が必要。
キャラ、スキン、装備、育成素材、周回スタミナ etc... 課金先はゲームによって様々です。

鳴潮はじめ3Dソシャゲの主流はキャラガチャ。
「推しだから引く!」「好きになったキャラは引く!」というプレイヤーも少なくないでしょう。
自分にも全く実戦で使わないまま半年経った千咲がいます。
ようやく出番を与えてあげられそうでウキウキです。

そんなキャラ愛の人でも、せっかくゲームのキャラとして手に入れたのだから、キャラを活躍させる機会が欲しいでしょう。
そんな舞台をたいていのソシャゲは用意しています、PvEかPvPのエンドコンテンツとして。

ここでまた原神の功罪が登場、あるいは時代の要求ともいえるかもしれません。
3Dソシャゲのエンドコンテンツの多くがソロのPvEを主体としています。
一方でソシャゲ全体で見ればむしろPvPや協力PvEが多数派です。*5

3Dソシャゲのほとんどが、実装キャラについては個人の攻略においての能力だけで評価される土壌となりました。
つまり、ユーザー間の競争を煽って課金させるソシャゲではないのが当たり前になってくれました、ありがたい限り。
(まぁソシャカスは勝手に争いだすんですけどね、愚か愚か)

そんな感じで課金圧的には優しい部類なのですが、裏を返せば「キャラを引く動機をゲーム性に依存しづらい」という欠点でもあります。
他プレイヤーに勝つため、もしくはストーリーの難所をクリアするため、そんな動機でキャラを引く機会がめったにないのが3Dアクションソシャゲの通例になってしまっています。
だからといって雑なインフレで課金圧を高めるのも反感を買うのが難しいところ。
ここは1-①で触れた開発リソースの限界ともつながるかもしれません。
色々試す時間も金もない(だからクソつまんねぇイベントで可処分時間を奪う必要があったんですね)。

結局、ソシャゲユーザーへの商売って面倒厄介このうえないんですよね。
「キャラの入手はしたい、その価値も感じたい。けど金はできるだけ出したくない」
「キャラを通して成長や達成感を味わいたい、けど強制されたり苦痛を伴うのは嫌」
がソシャゲのボリューム層だと思います。

だって少なからずこの思想を持っている私が、エンドコンテンツのスコア的にはどのソシャゲでも上位10%20%ぐらいにいるので。*6

そもそもエンドコンテンツに挑戦しないユーザーも結構な数いて、これが1-②につながってくる。
エンドコンテンツにも取り組む熱心な男性層の方が離れづらく太客にできる、的なね。
(現実的には他のアクションゲーに流れる可能性も大いにありますが、キャラ愛の人にもそれは言えてしまうので)


まとめとして、鳴潮が『3D・アクション・ソシャゲ』である以上、避けられない課題や限界があると私は認識しています。
できるのは精々「金の匂いを感じさせずに、やりたいことをやれる程度に、金を稼ぐ」上手なソシャゲ運営ぐらいかと。
なにか画期的な、ソシャゲの枠組みをぶっ壊すようなことを発明しない限りは。



『鳴潮特有の問題』

2-① 男キャラのストーリー

ここからは背景や事情に慮るのをやめて「鳴潮くんが下手くそなのも普通に悪いよ?」パートに入ります。
まず1つ目 「男のシナリオ少ない&おもんない」
これは決してキャラの魅力が欠けているということではありません。
むしろ鳴潮の男性キャラクターには無限にメロつける顔と声と設定があります。

でも、シナリオで描かれないんじゃ猫に小判です。
具体例を挙げると
・忌炎、ブラント …モブが主役の連星任務
・相理要 …お話は良かった!……けど配布(ありがとう)ストーリーが期間限定、復刻なし
・仇遠、リューク …メインストーリーの補完としては面白い、がキャラの紹介としては物足りない
5人しかいないと紹介が早くていいな~(棒

ってな感じでほぼ例外なく出番が少ない&地味です。
がっつり主役のお話貰えたの相理要ぐらいじゃないか?
まぁ今は読む手段ないんですけど。

女性キャラはというと、潮汐任務での主役、連星任務も主役でめっちゃ力入ってる、とシナリオ上での優遇され方が違います。
薄味なの折枝ぐらいかな、女性キャラは初期の初期から魅せ方のこだわりを強く感じました。



ここで一つ擁護する(=諦める)としたら、作品によって、ないしは書き手によって、得手不得手はあるということです。


私の中で男性キャラを魅力的に描けている作品として「ペルソナシリーズ」や「Fateシリーズ」、「崩壊スターレイル」*7が挙げられます。 同性だから感情移入がしやすいのもあるかと思いますが、男性キャラじゃないと描けない魅力を描けている点が大きいと思うんですよね。

一つ例を挙げると『友や仇敵に抱く仄暗い感情』は男キャラの方が映えるような気がしています。
誤解を恐れずに申し上げると、ある種の”女々しさ”は男キャラにしか出せないと思っています。
(「女装は男にしかできない漢らしい行為」みたいなへんてこ理論だと自覚はしてます)
P3Rの順平、FGOのカドック、スタレのアベンチュリンなどなど
男のもつ弱さが、そしてそれを超克する強さが光る物語って良くないですか?

まぁもっと分かりやすく『男が惚れる漢らしさ』『器のでかい漢』といった渋い路線もいいですよね。
P5Rの吉田寅之助、Fateのイスカンダルとかね

ここでもう一つ面白いのが、上記のように感じる作品って女性キャラのストーリーは相対的に微妙なものも多いんですよ。(個人の感想)
ペルソナとか男どもの話の方が数段面白く感じます。
全く同じ登場機会が与えられていてもそうなるのは、つまるところ、書き手の得手不得手もあると思うんですよね(複数ライターがいるなら話は変わりますが)



ここで鳴潮に戻りまして、そういった描写がやろうとしてもできない、下手くそですってんならもうしょうがない。
できる強みを活かしていくしかない。

でもよぉ、おれ鳴潮くんができないわけないって思っちまうんだ……
忌炎⇒哥舒臨、スカー⇒漂泊者は前者のじめっとした感情だろうし、なんなら相理要やアウィディウスのときにできてたからね。
後者についてもフェンリコ、パドリーノ、そして今回のチェイス
惚れるイケオジがわりと登場しています。
なんなら主人公である漂泊者くんが他作品の主人公と比べてもスパダリ度高め。
キャラクターたちの設定を見ても勘所は抑えているというか、「オタクくんてこういうのが好きなんでしょ?」みたいな深い理解を感じます。


できないわけじゃない、けどやれてはいないのが歯がゆい歯がゆい!!
もっと自信をもって力を入れて、男キャラも推してくれよ!
サイパンコラボでさぁ!!サンデヴィスタン使いこなすデイビッド実装してくれよ!!!!!!!



って感じです。
とはいえさ、結局イケオジ実装されても引くかと言われると……。
パドリーノの二丁拳銃なら引いてたかなってぐらいで優先度下がっちゃうのも本音としてある。

男が主役にならないだけで、脇役には結構NPCの癖アリ男が登場していて、ただの不快なモブにとどまらないキャラも多くいます。
やれる範囲で頑張ってる、って認識なんですがねぇ…… 難しいよねぇ。



2-②男でもor男の方が向いてる役割も女性キャラに

ぶっちゃけた話、このキャラの設定なら男キャラの方が良かったなぁってキャラいます。
無から生み出すのはアレなので、既に実装されているキャラから例を挙げると

まず吟霖
良い連星任務だった前提で、この設定のまま男キャラにしても良かったと思います。
傀儡を扱う戦闘スタイルは女性キャラの方が似合うし、足組みカットインは最高of最高ですがね。

次にザンニー
一言言っておきますが鳴潮の中でもトップクラスに好きなキャラです!
男キャラに変えてしまうことでこのキャラデザが世に出ないぐらいなら今のままでいいです!!!
……という私情を抜きにすると、用心棒に社畜、男でも映えた設定かと思います。
フィービーとのおにロリのバランスもいい感じ。

次にルパ、オーガスタ
これまたどっちも超超超大好きなキャラですけどね!!!
グラディエイター×女性ってギャップはいいんですが、どちらかは男でも良かったんじゃないかな。
ルパの距離の近さは女性じゃないと……ってのとユーノやガルブレーナとのCP的にオーガスタの方が適任か
内気で弱い幼少期から努力で成り上がるなんてジャンプ主人公にいくらでもいますからね。

あとはまだ未実装ですがルシラー学園長かな。
経歴、役割、能力どれを取っても女性である意味はなさそう。
あの抜群のルックスで老獪なやり取りしてくれるの大好きですけどね。

以上に挙げなかったキャラは、まぁ女性の方が味がすると感じています。
カンタレラは姉妹の蟲毒をまるごと男に変えてもいいけど……。
うーむ、今のままの方が清らかで高潔で強靭な精神とのギャップが美味いか。
ガルブレーナも男にしちゃうとどっかで見た王道になっちゃうしなぁ……。
慕ってくれる後輩キャラとか、ヤンデレ束縛彼女とかはやっぱ女性の方が向いてそうだし。
(男でも独特の味がしますが人を選ぶはず、それこそ女性向けジャンルになってしまう)



まぁ結局何が言いたかったかというと、
・男性でもできそうな役割を女性に振ってるので、男を増やそうと思えば増やせるんちゃう?
・女だらけの絵面には笑っちゃうけど、男性キャラと同じ役割を担う女性キャラはいるので「話が締まらない」とは感じない
ですかね



2-③男キャラの性能&実装タイミング

キャラが強けりゃ「引かなきゃ!」って強迫観念に駆られるのがソシャカスの習性なのです。
しかしながら、鳴潮はお優しいことに男性キャラの性能や実装タイミングがいまいちです。



順番に見ていくと

忌炎は最初の限定キャラだったので性能的にはよろしいんですが、最適サポーターが更新されず(これはVer1.Xアタッカー共通)当然環境には置いていかれることに。
強みである集敵を活かせる舞台も、9か月後のVer2.1『廃墟』実装までありませんでした。

相理要は吟霖とのPTで輝きましたが、リナシータが始まる頃には仲良く型落ちに。
そもそも配布で貰えた。

ブラントは非常に優秀なキャラ!……けれどサポート性能なので相方待ち(せめてロココと組めればな)。
ルパが登場してからは長らく一線級。

仇遠は盲目の剣客として最高の見た目と最高の設定と最高の声!
からの音骸サポーター!!!
は?
そのうえ音骸アタッカーたちに最適とはいえ必須でもない立ち位置。
多分10年後も許してない。

リュークは優等生なアタッカーで文句無し!……だけど直前があのエイメス。
そらみんなエイメス引くだろ、しかもPT編成もエイメスと奪い合う形に。
エイメスの異常編成が主流になってくれればリンモニ空くかな。



ってな感じで「引かない理由を探すのが容易」な鳴潮男性陣。
そら引かれませんわな。
そういう環境にしておきながら「男性キャラはガチャが回らないから~」は通りまへんで。

前述のとおり「男性向けゲーム」ではあると思うので、男性限定パを作れる、なーんて期待もしてないけど。*8
せめて設定に則した活躍が見たいっすよね。

仇遠…………。



まとめ

いろいろ脱線しつつ好き放題書きなぐりました。
なのでもう、特に言いたいことはありません。

あーーーーーーんなガチマジぎゃんカッコイイロボ作れる人たちは男の子の心を持ってるに違いない!
ので、この女の子に囲まれて居心地悪い男の子の気持ちも分かってくれるはず!!←

運営上どうしようもない部分には同情しつつも、できる範囲で改善を目指して、よりよいゲームになっていってくれたら嬉しいです。
今回のチェイスの渋さには痺れました!今後も期待しています。






ってか男女比なんてどうにもならない部分は置いといて、音骸の所持上限とハーモニーのえぐい被り方、厳選の煩雑さ面倒さで不満の声が沸き上がってくんねぇかなぁ!!!!!フィールド狩りがはかどってしゃあないぜ!!


*1:5/4現在、ダーニャも含む

*2:「有男不玩」という運動を耳にしたときはカルチャーショックでした
興味のある方はお調べください

*3:個人的にこれに当てはまらないのが原神やFGO
まぁなんといっても圧倒的な人口、売れるタイミング以外でも売れてる特異なゲームです
だからこそ、多少冒険してもコケても平気というズル
先人が一番参考にならないのにその先人と勝負しなきゃいけない、という始まる前から負け戦みたいなのが3Dソシャゲの現状のように思います

*4:釉瑚灯灯卜霊といった新規星4実装しているバージョンも新規星5は1人なので……
実装数の増加は期待薄

*5:原神も初期はMMOの要素を期待する層がいましたが、作り手の問題か商売の問題かソロ攻略が主体となりました
(少し前にUGCが実装され、そういったマルチを楽しむ層も受け入れてそうではある)
この点は中国やアジア圏でのソシャゲの立ち位置がより重要になりそうなので深くは触れないでおきます

*6:つけ加えておくと、プレイ時間を競うソシャゲもやったことがある(パワプロ)のですがそっちは半分にも入れなかった記憶
私は時間で解決するタイプでもありません

*7:ピノコニーに失望して離れちゃったエアプの意見です、すみません
見たいところを見せてくれない展開が続いて「あぁ、この作り手の好みと俺の好みとが決定的に違ってるんだなぁ」と痛感させられました

*8:ダーニャの性能が発表され、エイメスだけじゃなくリュークPTにも起用できそうです
そうなるとリュークとシグリカの性能入れ替えればシグニヤPT・リューク仇遠PTっていう全員幸せな構成が作れていた可能性も…………
でも、そうはならなかった ならなかったんだよ、ロック

安守ミノリをなぜ好きなのか分からなかった

ブルアカ大好き一般人の私には、ブルアカのキャラクターに『推し』がいません。
厳密には今までの人生で特に『推し』といった存在に出会ったことがありません。(学マスの記事でも軽く触れています)

キャラクターを好きにならないかと言えば、それも違います。
印象に残っている作品であれば、登場人物の半数以上が好きといって過言じゃない。
嫌いなキャラ、合わないキャラであっても「この瞬間はイイよね!」みたいな魅力を挙げられます。
(キャラクターよりも「なんでこんな描き方にしたんだよ……」と原作者を責めがち)
作品の”箱推し”なんて表現もできそうですが、逃げな気もする。


ことブルアカに関しては、嫌いなキャラはガチのマジで一人もいません。
それはキャラクターの長所・愛嬌・隙をほんのわずかな行間だけでも描いてくれるおかげで、他がいくらダメダメだろうと「でもあの子にはあの子にしかない良さが……」と庇いたくなっちゃう。
イベストに一回登場したきり、みたいな子を除けば、どの生徒でも1時間魅力を語る自信があります。

一例として、この2文でマコトとヒナの関係性について無限に語れ妄想を垂れながせちゃいます。



そんな好きを見つける方が性に合うオタクなのですが……いかんせん『一番』が存在しない。

好き嫌いの濃淡はあれど、「このキャラクターが一番好き!」「推し!俺の嫁!」のような熱いパッションが沸いてこない。
「AにとってBはこんな存在で!!!あの時救っているようで救われていて!!!!!」とかならいくらでも熱弁出来るんですがね……。



これがオタクになりたての頃からずっと抱えている(別に治す気もない)私の欠落です。
オタク語りする際に非常~~~に困るんですよね…………。
オタクのコミュニケーションなんて昔っから、第一声が「○○見た?」お次に「誰が好き?」なもんで。
まぁ相対的に見たら一番かなってキャラを無難に挙げて茶を濁す日々です。
お相手の熱量に乗っかっていいとこ語りするのは得意なんですがねぇ……




これまでの人生で答えてきた「自分の好きなキャラ」は一応各作品にいます。
パッと思いつくのは艦これの比叡、FGOのキルケー、U149の赤城みりあちゃん、ジアビスのガイ、P5Rの丸喜、P3Rの順平……
ここから導かれる俺の好みは…………なに?

「明るい」「元気」「優しい」なんて他に誉め言葉がないときに使うフレーズでしかくくれない気がする。
見た目の好みは褐色白髪(キャラクリあるゲームだいたいコレにする)なんですが一人も被らねぇ
結局はストーリーでの描かれ方次第で、深みに気づいたキャラを好きになるって傾向はあるんですが、それぞれの作品に他にも該当するキャラはいっぱいいますし……
うーむ…………

ついでにブルアカも挙げますが、本当にみんなのことが好きすぎる!!のに『一番』はいません。
泣く泣く10人ほどに絞るとカヨコ、ウイ、ウタハ、カスミ、カンナ、コノカ、コユキ、サクラコ、サツキ、ナギサ、ノゾミ、ハナコ、ミチル、ミネ、ヨシミ、レイサ、ヤクモ、リオ、レンゲ*1
うん、余裕でオーバー。
こう並べてみると参謀兼苦労人を好きなのと、可愛さとエモさのギャップに弱い……気がします。
ちなみに見た目だけならフユとかマリナとかのイケ女、レンゲとかオトギのボーイッシュですかね
でも、彼女たちが見た目そのままの中身でもたいして好きにはならなそうで(ワイの好みが)厄介この上ない





はい、初っ端から長々脱線しましたが、ここからが本題になります。

ここまでに挙げたキャラは「あのストーリーのこの台詞が~」とか「この場面であの選択を~」とか、なにかしら好きになった理由が浮かぶのですが。
ブルアカにおいて唯一好きになった理由が思いつかず、けれど確実に好きな生徒が居ます。

それが 安守ミノリ です。


見た目は正統派美少女、勤勉優秀な3年生、キヴォトスの花形である建築業に携わり、趣味がストライキとデモと工作、権力者には忖度しないインテリ革命家……。
雑に括れば、思想も頭脳も腕力も強い美人さんである。

「強い思想を持った女の子だ~いすき!!」という方も全国10億人ほどはいらっしゃるかと存じ上げるが、オタクとして未熟な自分にとってはむしろ苦手な属性です。
そういった尖ったキャラは往々にして『そういう属性』ばかりが扱われがちな印象があります。
その点、この安守ミノリも赤冬のコメディ担当、オチ担当として便利に使われがち。

ただし、そこは天下のブルーアーカイブ。
組織のリーダーではない1女学生としての姿を絆ストーリーで描いていたり、その器用さと柔軟さと雄弁さを遺憾なく発揮した名作ミニストーリー「手動期の終り」があったりします。
油断しているところにとんでもない沼を用意してるから侮れないのだ、このゲーム…………



閑話休題。
自分はこの子のことを実装当時からほんのり好き(といいつつゲーム内最高Tierに入るぐらい好き)なのだが、自分でも彼女のどこが好きなのか言語化できていなかった。
気付いたら好きになってて、登場のたびに「やっぱいいなぁ~」と思いつつ、きっかけも理由も見当たらないという。



その答えが見つからずに悶々としたまま数年生きてきたのですが、最近ブルアカに大きな動きがありました。
メインストーリー第2部開幕。
連邦生徒会や矯正局を絡めながら、謎が謎を呼び、穏やかに異変が侵食していく、非常に読み応えのあるお話でした。
早く続きが読みたくてたまりません!!! …………ってのは置いといて。

カヤやFOXの活躍から想起されたのは、カルバノグ2章で大暴れした安守ミノリの存在でした。
ミノリについての認識を深める良い機会だと思い、彼女の登場するストーリーを一通り見直していたのですが、ここで一つの気づきがありました。

それはミノリを好きになった一因であり、前述の自分の嗜好について一貫している要素である…………かも。

思いついたばかりでまだ言葉にするのが難しいのですが、なんとか言葉にしてみると
見つかりづらいものを見つけてくれる人」「日陰を照らしてくれる人」「消えてしまうものを憶えていてくれる人」が好き

気付かせてくれたのはメモロビのこの台詞

他にも絆ストーリーでは、同じ工務部の部員を想う良き部長としての姿が描かれていました。
思えばミノリの活動における主張は”労働者の権利”に対してが主軸。
そこにはミノリ自身の趣味も含まれているでしょうが、声無き『無形の努力』に代わって声をあげているともとれます。



見ようとしなければ見えない誰かの頑張りで、今も世の中は回っています。
そんな頑張る誰かを、そしてそれを見つけてくれる誰かを、私は好きなのかもしれません。



私は”元気な人”が好きです。
けれど、それは”元気だから”ではありません。
どんな人にも不幸や障害、挫折は訪れます。
落ち込んだり僻んだり拒絶したり……ネガティブになってしまった方が心が軽くなる経験は誰しもあるかと思います。

でも元気な人は、元気に”見える”人はそうであろうと振る舞ってるんですよね。
痛々しい自己犠牲なのか、後ろめたい虚栄心なのか、慈愛に満ちた親切心なのか、本心はわかりません。
それでも、そんな彼ら彼女らの姿に勇気づけられ救われる人間は少なくないはずです。

嬉しさを共有して悲しさを希釈してくれる、そんな太陽みたいな人の心には誰が寄り添ってくれるの?


私が”元気な人”を好きな理由は、その人の内面を勝手に憶測し、それを理解したいという下卑た欲望から来ているのかもしれません。
もしくは自分自身のそういった面を見つけて欲しい、のかもしれない……。
自分でもだいぶ気持ちの悪い欲求だな、と引いちゃいます。
けれどそれが結果として「良いとこ探しが得意な自分」を育ててくれたのなら、まぁ社会にとっても意義は見いだせるかな~といったところ。



はい、長々と自語りをした割にはあっさりした結論ですみません。
自分でも「なんで今まで思いつかなかったんだろう」と不思議なぐらい簡単な話で、なのに妙に腑に落ちちゃったんで書き残すことにしました。
今後の人生は好きが見つかるたびに「このタイプか?別か?」と問い続けて、癖を広げて森羅万象を愛せるオタクを目指します。




~おまけ~

ブルアカ第2部おもろいねぇ~~~~~~から端を発した自問自答だったので、そちらにも多少触れておきます。

パヴァーヌ、エデン、カルバノグ1章、百花繚乱1章などなど
「なりたい自分になっていい」「嘘も信じ続ければ真実にできる」といった『嘘や二面性の肯定』をやったかと思えば。
カルバノグ2章、百花繚乱2章、オラトリオ、デカグラなど
「真実が嘘だったなら」「嘘が真実になってしまったら」といった『真実の不確かさ・残酷性』、否定的な文脈でも見せてくるのがたまりません。

これまでに積み上げてきた物語を引用して前に進んでいく、ブルアカがどんどん色んなお話に挑戦しつつ、最後は生徒が主役に帰結するのが最高です。



連邦生徒会長はどんな存在で、どうなってしまうのか。
オーウェルの助言は果たして先生やリンに利するものなのか。
輝くトラペゾヘドロンに映る景色はキヴォトスと関係するものなのか。
そもそも先生やアロナがこの世界の異物ではないのか。
(ここにきてプロローグでアロナの指紋認証がおざなりだったり、パスワードがプレナパテスと逆なのが気になってきた)
シャーケードの杖とモノクロな世界はどのテクスチャの世界なのか。

数年越しに4.5thPVの要素が回収されワクワクが止まりません!
謎は多いですが、これからも期待していますよブルアカくん。




*1:『ブルーアーカイブ 推しキャラソーター』なるツールが公開され、SNSで見かけるようになりました
自分もありがたく利用させていただきました

いや~やっぱり自分は優劣決めるのが苦手だな……
リオとヒマリ、ネルとレンゲとか決めれるわけないですや~~~ん泣泣泣
残ったメンバーに納得感はあるものの順位はその時の気分次第でいかようにも変わりそう

鳴潮第三章・第三幕のあまりの美しさに言葉を失うオタク

です。
でも感嘆に喘いでいるだけでは、いつかこの気持ちも薄れて思い返せなくなってしまう。
なにかしらの言葉にしておきたい、そんな気持ちで書き始めます。


主題は今バージョンの感想なのですが、これを機にこれまでの鳴潮に対する想いもまとめて書いちゃおうと思います。
前提として、私は鳴潮やその開発元のKURO GAMESさんについて浅い知識しか持ち合わせていません。
鳴潮のオマージュしているであろうジャンルや作品についてもあまり造詣がありません。
誤りや不適切な文言がありましたら、コメントにて指摘していただけると幸いです。
ないない尽くしの一般オタクの戯言でよろしければ、気になる項目だけでも見ていってください。



注意点として鳴潮Ver.3.1までのネタバレを含みます。
また、記事に掲載している画像の多くを夜宮祭 様(X,Youtube)の動画から引用させていただいております。
この場を借りて感謝申し上げます。
(容量いくら増えてもいいからゲーム内でムービーも会話シーンも見返させてくれ~~~😭😭😭)






これまでの鳴潮について

自分の鳴潮に対する印象を思い出語りしながら書いていきます。
キャラの入手日を見るとどうやら2024/05/26開始。
モチベーションの浮き沈みはありましたが、ログイン日数を見るとほぼ毎日プレイしてきたようです。


始めたきっかけは単純で「グラいいソシャゲ出たから触っとくか」てなもんでした。
中華ゲーあるあるの難解な序盤も美人なお姉さんに囲まれ満更でもなく、爽快なアクションと快適な探索とでプレイ続行した気がします。
とはいえ、自分はグラやアクションよりもストーリーとその魅せ方が性に合うかどうかでゲームを選んでいます。
据え置きなら多少のことには目をつむってゴールを目指しますが、ソシャゲは終わりがないんでね……。

その点で鳴潮はどうだったかというと、最初期から‟ABSOLUTE CINEMA”としての片鱗は見せていたと思います。
当時の自分はメインストーリーよりも連星任務を評価していました。
凌陽の連星任務は表情豊かに、人であろうとする獣の健気さが前面に出ていました。

吟霖、長離、アンコの連星任務は言わずもがなですよね。
(…………書いていて思いましたが、どれも浮世離れしていたり孤独を描写していたり、今思うと漂泊者の立場を示唆するものもあったのかな…… オタクの考えすぎか?)


リナシータに入ってからは道中の会話までも凝った画角で魅せてくれるようになり、映像作品としてのクオリティが一段二段と上がっていきました。
王道でありながらも鳴潮ならではの描き方を楽しめていた、これがこのゲームを続けてこられた大きな要因かと思います。




先ほどグラよりも……と言ったものの、キャラクターデザインの好みが自分のドストライクというのは間違いなく関係しています。
鳴潮のデザインって正直”最先端”ではないと思います。
クオリティは時代の最高峰でありつつ、我々オタクがどこかで通ってきた匂いを感じさせてくれる。
新しすぎてもついていけないオタクにとっては非常に心地のいい感覚でした。
「こういうのいいよねぇ~!」が共有できる作品を追えるのは幸せなことですね。

音骸についても素晴らしいデザインが数えきれないほど登場してワクワクさせてくれます。
各地方のお気に入りを並べるとこんな感じ

伝説の生物、ファンタジー、ロボと選り取り見取りです。
バイポーラの量産機感好きなんですが、さすがにシギルムが越えちゃったかな……彼かっこよすぎるよ……

とはいえ、ゲーム全体で見たときには欠点の目立つ作品でもありました。
翻訳が微妙だったり、忌炎の武器効果表記ミスからのメアド開示だったり、不安要素しかありませんでしたね。
今でも「音骸セット増えていくのにバッグの上限変わらないのどうにかならん?」 「ラハイロイの敵、飛ぶわ範囲攻撃だわホーミングだわで無敵ないとやっとられんぞ!」 「ナビや自動運転はありがたいけど精度はうーん……」 「もうちょい色々軽くなってくれたら映像美楽しめるなぁ~」みたいな細かい不満はあります。

そういった不安や不満をフットワークの軽い更新で改善してきたのも「信じて続けてみっか……」の気持ちにさせてくれました。
特に鳴潮は金にならない改修を頻繁に(それこそバージョン毎に)やってくれるので、ストーリー更新よりもどうゲームが快適になるのかを楽しみにしている節はあります。
ちなみに今バージョンでは全キャラクターの歩き方が変わっています、変態すぎる。
(ブルブル揺れすぎてる子もいますが、お姉様方がより優雅になっていたり、服装が揺れに反映されていたりで全体的には好感触)



色々と脱線しましたが、ずっと熱量が高かったわけでもない、思い返せば欠点の方が多く見つかる、なのにどのOWゲームよりも長く続けられてる、自分にとってそんな不思議な作品です鳴潮くん。
だからこそ、このゲームを「やってきて良かった」「最高だ」と手放しに褒められる機会を、自分はずっと待ち望んでいたのかもしれません。






潮汐任務第三章・第三幕 『旅立つ星』

ようやく本題の、Ver3.1にて追加されたメインストーリーについて話していきますか…………。
話したいことがありすぎてとっ散らかると思うので、まずは大枠の話をしてから細かい点に触れていきます。




ストーリーテリング

これまでの、いや今もなお、鳴潮のストーリーは完璧完全ではありません。
特に感じるのは”シーンの継ぎ接ぎ”による説明不足です。


〇(実例挙げつつ苦言、興味あればどうぞ) 絶賛したい今回のストーリーにおいてもそれはありました。
例を挙げると今回の最終盤、ヴォイドスペースから帰還してエイメス(から)を見つけるところまで。
雪山で太陽の精霊を追う、気づけば学園のコックピット前の人だかり。
直前までなんでもアリなヴォイドスペースに居たのも相まって「これは現実?過去?未来?」となったプレイヤーも多いかと思います。
その後の描写から順当に時間の進んだ現在だと分かりますが、その分かりづらさは別に面白さに寄与しないんですよね。

あえて語らない”欠落”が、のちのち回収され物語の深みを増すなら必要な”欠落”となりますが……
「やりたいことはわかるけど唐突だね笑」こういうのが鳴潮くんは多いです。 故に「語られなかったことに意味があるんじゃ……」と好意的に解釈する意気を削いでくる



…………絶賛する記事とは思えないくらいのディスですね
これは今までずっとそうで、今回もそうで、これからもずっと存在すると思うのでちゃんと言葉にしておきたかった。
鳴潮のゲーム体験として大きな欠点で、かつ一言二言セリフがあるだけで全然違うのになと惜しく感じる点でもあります。
これが尺の制限なのか、開発の都合なのか、納期の限界なのか…… 改善していってもらいたいです。


熱弁しといてなんですが、自分がこの記事を書くに至ったのは、その手のひらを返したからです。
「鳴潮くんやればできんじゃん!!」って
いやむしろ、期待を超えすぎてて「君のこと信じてなくてごめーーーーん!!!」の気持ち。

閑話休題
今回のストーリー、特にエイメスと2人行動になってから、煩雑なシナリオを非常に分かりやすく伝えることができていました。
タイムリープものとしては、同じ鳴潮内だとルパとミアが主役の第二章第六幕でも語られました。
あちらは専用ページのUIによって時間軸を視覚的に伝え、点と点をつなぎ合わせる働きがなされていました。

背景説明もあり手が込んでいた……が本編で説明しきれなかったともいえる
(ルパ・ミア・カルテジアの対比、漂泊者の独白が想定外で強く印象に残っているお話です)


一方、第三章第三幕においてはそういったUIは存在せず、テキストとムービーによってのみ描かれました。
墜落した衛星でラハイロイやソラリスの過去を知り、クレメントおじさんを悼みながら漂泊者とエイメスが主役に変わっていく。
ストーリーの主題が世界の謎から二人の謎にぎゅーっと絞られピントが合っていく。
明かす情報の密度と緩急を調節して、エモーショナルでありながら畳みかけるように出来事が繋がっていく。
二重の感動が押し寄せて身動きできなくなる、あまりのインプットに脳がおぼれるような感覚。
「あれは何だったのか」とひっかかる場面はあるが、ほどなくしてごく自然に明かされ膝を打ち、その時の心情に思いを馳せ天を仰ぐ…………。
そんな極上のゲーム体験が、ここにはありました。

作中の時系列について有志の方が(推測も含めて)各所でまとめてくださっていますが、自分の整理のためにも書いておきます。



まずエイメスについて
A:エクソストライダーと共鳴、アレフ1を封印
B:幼少期、湖に落ちたところを漂泊者に救われ共同生活
C:スタートーチ学園入学後、訓練中にヴォイドストーム観測、救助のためエクソストライダーの共鳴者(不完全)に*1
D:デジタルゴーストで十数年過ごしてから、漂泊者がリアクタードライブを手に入れたことで現界
E:シギルムから周波数を取り返し、完全なエクソストライダーの共鳴者になる
F:時間遡行によりエクソストライダーと接触、アレフ1の封印

第三者から見て時系列順に並べるとこうなりますが、因果関係から考えるとF→A、B~E→F→A……となってしまう。
エイメスが救った世界で生まれ育ったエイメスという鶏が先か卵が先かのループに。



同じく漂泊者も並べると
B':湖にて幼少期エイメスを救出、共同生活
C':エイメスが入学できる年齢で離別。(この頃リュークやモーニエとも面識アリ)
D':陽換えの儀の諸々でリアクタードライブのコアが手元にありエイメスを視認できるように
E':エイメスが吸収した(?)シギルムと共鳴し、エイメスの精神世界からヴォイドスペースに侵入
F':幼エイメスを押し上げるも力尽き呑まれるところを(F→Aを経た)救世主エイメスに助けられる
G:エイメスのお守りと共に現代に帰還、エイメス(から)と出会う

こちらもエイメス同様、因果で考えるとE'→F'→B'となります。


ちなみにまだ完璧には理解できていない部分があって、漂泊者のF'からGにかけてです。
こちらゲーム中ではVer.3.0序章にて、初めてアレフ1と対峙したのと同じシーンです。
だとするとこれはC'とD'の間、つまり現代エイメスと出会う前の出来事ということにもなります。

ここからは私個人の妄想になるのですが『そのどちらも正しい』と考えています。
順番に整理しますと、まずF'で幼エイメスを押し上げ消えかかった漂泊者、彼はここで死にます。
3.1で力尽きた漂泊者、それこそが3.0で降ってきて青色の帯に変化した漂泊者自身です。
ここで映像にひとつミスリードがあって、初見時はこの青い帯の拘束も周波数の流出も、敵(アレフ1)によるものだと当然認識します。
しかしアレフ1の影響はヴォイドスペースとそれによる周波数の流出のみ、青の帯はむしろ落ちていかないように繋ぎとめているようにも見えなくもない。
そう考えると救世主エイメスが青の帯を握って微笑むあの描写も納得いきませんか?
自分と旅を共にした漂泊者の懐かしい記憶に触れたと考えれば…………爆泣

そしてエイメスによって振り払われたように見える拘束、あれは3.0漂泊者の中に吸収され(記憶として引き継ぎ)*2、その3.0漂泊者が3.1世界に戻ってきた。
つまり我々が今操作している漂泊者は3.1までの記憶と3.0の肉体を持った漂泊者ということになります。
じゃあ3.0に居てリンネーモーニエと駆けた漂泊者は?というと、エイメスよろしく異なる時間に同時に存在している状態と考えると説明はつく。


~Ver.3.3後の追記~ 第3章第5幕ではエクソストライダーに乗り込んでアレフ1のロボ形態と戦います。
正式名称は「鳴式・虚構神機(アレフ1の造物)」
説明文から推測するとアレはエクソストライダーの「可能性」を投影したもののようです。
鳴式によって汚染されたエクソストライダーの姿、と言えます。

ここでYoutubeに解説・考察動画を投稿されている方の考えを聞いて目から鱗が落ちました。
アレフ1がエクソストライダーを縛る帯も(虹色がかった)青色をしていて、この落ちてきた漂泊者の帯と酷似しています。
ですので、落ちてきた漂泊者もアレフ1による投影だった、というものです。

確かに腑に落ちるな、と思いつつも公式からの説明があるまでは自分の主張も捨てません。
アレフ1によるものだったとして、その後のエイメスの表情があんな微笑ましくなりますかね?っていうただの感情論です。

第3章第5幕を踏まえると、エイメスがヴォイドスペースで見つけたのは疑似ドライブがなく敗北した漂泊者とエクソストライダーだったのかな?とか妄想が膨らみますね。
(個人的にはアレフ1がソラリスとはまったく別の文明で飲み込んだ、別個体の漂泊者(御者)とエクソストライダーのペアだったと爆裂ノー根拠妄想しています)




結論ありきの考察にはなりますが、ここまでの描写を汲むとこんな感じかと。
他にも、エイメスがヴォイドスペース内で拾った漂泊者の周波数、あれが倒れた3.1漂泊者?とか
エクソストライダーの残骸もあったことから、もっと色んな(失敗)世界線が混ざってる?とか
エクソストライダーや漂泊者は量産機?とか
アレフ1の「文明を喰う」とは他の星のこと?他世界線のソラリスのこと?とか
いろんな可能性と疑問が尽きません

これもある種『説明不足』ではありますが、重要な本筋なのでそのうち補足説明があると期待しています。



長々と語りましたが、まぁ~~~複雑ですよね。
でも細部を除けば初見で8割理解できると思います。

なぜかと言えば、まず台詞による補完。
エイメスの「先に『結果』があって、後から『原因』が訪れた」、漂泊者の「(彼女を助けたのは~)」。
これらによって作中キャラの理解に読み手が追い付くことができます。
前述のルパのストーリーでも、漂泊者自身の整理によってぐっと理解が深まり(というか解釈が一意に定まり)、その後の展開に没入することができました。

さらに今回は過去回想に登場するのが制服姿の漂泊者、どの時間軸のお話か瞬時に理解できました。
幼女少女女性といった年齢の変化はまだしも、服装にここまで文脈を持たせて描けたことに感心します。
これまでもブラックショア編などで過去の漂泊者は登場していますが、違う人物だと強く認識できたのは今回が一番。

ついでに舞台がギンヌンガミール、精神世界、ヴォイドスペースと限られていたのも良かったのかもしれません。
前回のモーニエがそうでしたが、各地を移動して話を聞いてお使いをこなして……とやっていると何が主役で本筋なのか、行動の一つ一つが説明的になりすぎます。(正直急に始まった陽換えの儀よりもロイ族の歴史聴いてる方が面白かった)

行動原理についても「真実を知りたい」という想いが漂泊者とプレイヤーとで一致していたためわざわざ説明するまでもありません。

だからこそほんの数時間の尺をエイメス一人に集中させ、ここまで描くことができています。
最近の鳴潮はキャラの掘り下げと本筋の進行を両立しようとして中途半端になっている印象があった(本編を進めなくていい幕間の方が面白くなりがちだった)のですが、ここまで濃密に素晴らしく描けるならお前の好きなようにやりなさい……(和室腕組み父親ヅラ)になっちゃいます。



〇鳴潮のキャラ再登場についての持論 ちょっと話を脱線させると、長らく鳴潮のファンコミュニティ*3で問題視されていたのがこの点です。
いわゆる”使い捨て” 一度登場して主役になったキャラはその後ほとんど登場しないことを揶揄した表現です。
その理由として連星任務の削除であるとか尺だとか売上だとかetc、いろんな憶測や要望が聴こえますけども。


私としては既に述べた種々の欠点が悪さしていただけで、再登場の機会自体はそこまで問題ではないと思っています。
私が関係性のオタクでありつつもキャラ推しのオタクではないからそう思うのかもしれませんが、そもそもソシャゲのキャラについて「語られるべき時に語られた」ならそれで十分だと考えています。
一本道のRPGで再登場しないキャラが居たら”使い捨て”と感じるでしょうか?*4

語られていない不足を詰るならともかく、語る機会そのものを目的とするのは、長期的に継続していくサービスに甘えたプレイヤー側の怠慢とすら思えます。
(ゆえに、既存の関係性を擦るだけで目新しい情報のないソシャゲイベストに辛辣なオタクでございます)
どんな創作にも終わりはあるのですから。

「セブンヒルズのチャンピオンなんだからルパは狩猟に参加せぇよ」のような『このストーリーにはこのキャラが必要!』という指摘はまっとうなものですが、『キャラが再登場しないから~』と一括りに批難するのは個人の好みの域を出ないはずです。
むしろストーリーとして微妙であることを、「キャラがかわいい・かっこいいからええやん」と妥協や擁護をしたいなら理解できます。

鳴潮でキャラが多数登場したのは今州での北落野原の戦い(「俺もいる。」)と月追祭、リナシータでのレビヤタン戦でしょうが、どれもストーリーとして・・・・・・・・の面白さには寄与していません。
月追祭は相理要のキャラスト(いいお話でしたよね)のおまけでしたし、他2つは総力戦を演出するために必要だっただけで「一緒に戦った」ストーリーとしてそれ以上の意味はありません。
(モブ・音骸・フェンリコ等故人まで出演したのは、国家と歴史の文脈が乗って最高でしたし意味があったと言えます)
カルテジアが主役のお話に、カンタレラが登場し役目を果たすのとは訳が違います。

つまり言いたいのは、「プレイアブル総出演・総力戦が熱い」≠「登場キャラ多い方が面白い・少ないから面白くない」ってことです。
あれらは言ってしまえば、ただのファンサービスです。
(カルロッタとカンタレラの掛け合い、みたいなずっと見たかったものが見られるのは最高!)
ソシャゲとの相性はいいでしょうが、ストーリーに必要なのではなくプレイヤーを喜ばせるための演出です。
なので「プレイアブルキャラが再登場しないから面白くない」という意見は、個人の感想としてはともかく、ストーリーの質という面では的を射ていないように思います。

もちろん、エイメスのように前バージョンからいくつも仕掛けておいて回収するカタルシスもありますが、バージョン跨ったら別に回収されなかったりテキストで触れられるだけ、なんてのもソシャゲにはよくあります。
(鳴潮も割とそういうとこある、改善してクレメンス)
重厚な群像劇を描くために20時間30時間ストーリーを読ませることがソシャゲとして正解とも言えません。
(その時間で名作インディー1本クリアできてしまうので、それに見合う面白さがあれば肯定)
群像劇によって面白さが増す筋書きもあるでしょうし、もっとこの設定活かしてほしいと歯がゆくなることもあるでしょう。
アークナイツに対してであればそういう期待をもって読み進めます。

鳴潮が描いてきたものは、描こうとしているものは、果たしてどういったジャンルなのでしょうか?



この点について、なんとエイメスの口からごくごく自然に言及されました。

『ロードムービー』……これを口にするエイメスの幸福と決意を思うと胸が締め付けられます……。
この一言、そして漂泊者の素性と心情とが開示されたおかげで今までモヤッと抱えていた疑問が払しょくされました。
分かってるんならえぇ、お前はお前の道を進みなさい…………(背中向け涙ぐむのを隠し厳格親父ヅラ)

素晴らしいクオリティで圧倒すればファンサくれって気持ちも吹き飛ぶのは今回で証明できたはずです。

まぁすんばらしいストーリー見せた上でフルボイスのファンサイベントを今やってるんですけどね。
それぞれの後日譚が語られていてありがたいのですが、月追祭といい好評なものほど常設にしてくれない……。
鳴潮くんはようやっとる……ようやっとるけどもうちょいお願いします…………。



脱線に次ぐ脱線からようやく戻りまして。
これまで通りの映画ばりの画作り、美麗なムービー。
話を進め広げまとめる鳴潮らしからぬ丁寧さに驚かされ、書き手の思想も見せてもらって。
今後はちゃんと期待してお話を追うことができるようになりました。

鳴潮の感想や考察をたくさん見かけるようになったのも、この信頼・期待によるものだと思います。
詳しくはまとめの項で書きますね。






テキスト

鳴潮について自分の中で明確に諦めている要素があって、それはテキストの自然さ・味わい深さです。
これは鳴潮に限らずですが、海外発のゲームは翻訳を通す分ニュアンスが削ぎ落ちてしまうことから避けられません。
私が心酔しているゲーム「ブルーアーカイブ」の翻訳は最高峰のクオリティだと認識していますが、あれもローカライズを“注ぎ足す”ようなもので、原作者のディテールそのままではありません。
まぁ原作者の意図なんか分からんので、出されたものが面白いかどうかで判断するのが私のモットーです。

私が重視するのは一人称二人称の使い分けとか、シチュによる語尾の一貫性とか、婉曲的な表現の割合とか……
言葉のチョイスから人格や多面性を測るのが好きなオタクです。


この点において、鳴潮は正直残念な作品ではあります。
一人称の豊富さは素晴らしいのですが(さすがに貧道は初耳)、口調が安定しなかったり会話になっていなかったり、違和感を覚えることも多いです。
時たまグッとくる一言が混ざっているので侮れない面もありますが。


今バージョンでも傾向としてはあまり変わらなかったものの、『テキストで魅せよう!』という熱意を感じるシーンもあって驚かされました。

何回引用するんだって感じですが、幼エイメスと過去漂泊者との会話

まぁ~~~ここボロボロ泣きました。
幼エイメスが子供なりの気遣いと語彙で精一杯寄り添おうとする姿に胸を打たれて……
それと「……」に意味を持たせているテキスト大好物です。

それに対して答える過去漂泊者の言葉選び

このあからさまに“人間ではない”言い方、主人公の隠された背景が嫌でも気になってしまいます。

お次はエイメスの精神世界での寓話語り

声優さんの怪演も相まって『おかしい』の掛詞がバチィッッ!!と決まっています。
こういう言葉遊び大好きなのでもっともっとやってほしい。

ここで“猫を憎むものも”と入っているのがたまらなく大好きです。
パッと思い浮かぶのはフローヴァですが、他にも漂泊者と因縁があり敵対している者はいます。
そんな彼らも漂泊者を害したり利用したり、それぞれの人生が漂泊者によって彩られています。
敵も味方も関係なく、「登場人物たちは幸せだった」と表現してしまえることに目から鱗が落ちました。

〇鳴潮の寓話
脱線しますが、こういう寓話ももっとどんどん織り込んでほしいっす
多用するとくどいし、婉曲的・抽象的になって分かりづらさが増す危険性もあります。
しかし、色んな切り口からストーリーを物語ることでより伝えたいテーマが明確になるし、直接的に描写するのが酷な表現にも挑戦していけると思います。
スカーの黒羊とかアンコのメェ王国とか大好きなんです、今後もよろしくお願いいたします。



前述のストーリーの補足説明となるテキストや、それだけで味わいが増す光るようなテキストが今回見られました。
安定供給は難しくても、たまには美味しいもの食べさせてくれるかな~ぐらいで今後も期待しています。
いろんな要素が最高峰なゲームなので、修辞的なテキストにもこだわってくれたら嬉しいです。




演出

この項では前項とは対照的に、これまでの鳴潮でも十分異彩を放っていた物語の演出について語ります
鳴潮が他作品と一番違うのはどこかと聞かれれば、自分はこれを挙げます

『瞳の演技力』

鳴潮の力の入ったストーリーでは本当にどこでも見れないぐらい瞳が感情を教えてくれます
一例を挙げると、幼エイメスが漂泊者の苦悩に勇気を出して踏み込むシーン

これはほんの一例で、全編通して瞳が細かく動き、揺れ、光り、沈む…………。
「目は口ほどにものを言う」をこれほど痛感することはなかなかありません。
それこそめちゃくちゃ手間のかかった劇場版アニメ、それぐらいのコストを掛けてワンシーンが描かれています。



ここまでは今までの鳴潮でも十分に出来ていた観点なのですが、今回は表情とモーションまでもが最高of最高だったので共有させてください!

そもそも鳴潮は3Dのデザインバランスが神がかっていて、モブのおじいおばあすら顔がいいです
そのうえで今回は表情の魅せ方が繊細かつ優美で胸を撃たれました
特に衝撃的だったのは、やはり誰よりも長く見つめてきた漂泊者でしょうか

絶望にも近い諦観を述べる

子供なりの気遣いに微笑ましくなる

予想外の優しさに触れ動揺する

これら全て幼エイメスとの数分間の会話での表情変化です。
(というかあのシーンの一挙手一投足が、本当に頭がおかしいほどこだわり抜かれていて恐怖)
誰よりも見てきたからこそ些細な変化に気づかされる、なんなら過去漂泊者が出てきた瞬間に「あぁ……違う漂泊者だ」と納得させるものでした。
わかりやすくないのにわかりやすい…………素晴らしい…………。

モーションについても同じシーンから引っ張ってきます。
先ほど瞳の例で挙げたシーンから連続になります。

漂泊者の近寄りがたい深い失意に一歩引くも、一呼吸入れて踏み込むこの描写……。
その変態的な拘りに私はもう頭がおかしくなってしまいました。

続いて最終盤、エイメス(空)の指が触れるも滑り落ちた瞬間。

動画でないと伝わりづらいんですが、握り返そうと漂泊者の指が微かに曲がっているんです。
こまけ~~~でもたまんね~~~~!!!



ここまでの合わせ技として次のも載せておきます。

拗ねていじらしく漂泊者に当たるエイメス、寄りかかった体勢のまま甘えるように本心を吐露します。
視線、表情、動き……幼エイメスに関してはすべてが練りに練り上げられて至高の領域に達していました。
いたいけな愛情がこれでもかと描写されて気が狂いそうでした。

今時美麗なムービーで七変化する表情や外連味のある動きとともに喜怒哀楽をダイナミックに伝えてくれる作品はたくさんあります。(鳴潮もその一つ)
モーションキャプチャーにより、まるで映画のようにリアルに動くのも情感があっていいですよね(最近「Clair Obscur: Expedition 33」やったオタク)。

でも3Dキャラのモデルそのままでここまで幅のある魅せ方、特に“哀”の表現に度肝を抜かれました。
これを誰かが作ったわけで、まさしくゲームに命を吹き込んだ作り手に敬意を表します。
ここに声優さんの神演技が乗っかるんだからそれはもう……それはもうなんよ…………。



さて、もうずいぶん熱込めて語れたのですが、演出についてもう一つだけ。
これは構成の話にもなるのですが、今回は『対比』と『リフレイン』が抜群に巧みでした。*5
(関係性のオタク特効なだけかもしれない)

分かりやすいところで言うと、漂泊者とエイメス。
どちらも度を越えたお人好しで、自己犠牲を厭わず、周囲を愛し愛される人。
だからこそ、エイメスにかけた漂泊者の言葉がすべて漂泊者自身に降りかかってくるのがたまらない。
そこに憧れと模倣という文脈まで乗っちゃったらそれはもう…………愛でしかないですやん😭😭😭😭😭

それが儚くも美しく回収されたこのシーンを挙げておきます。

「楽しく生きてほしい」それだけがエイメスに望むこと。

「悲しみも幸せも感じてくれたらいい」それだけが漂泊者に望むこと。

まったく同じ形の愛で、同じ悲劇に苛まれている不幸で幸せな親子。
それまでの漂泊者を庇護しようと奔走する姿と合わせて、私の中でエイメスはただの娘ではなくなりました。
漂泊者がエイメスにかけた言葉が親の愛情であるならば、エイメスの言葉もまた親の愛情に違いありません。
漂泊者が“人間”として幸せに生きていってほしい、彼女を人にしてくれたのはエイメスなのかもしれません。

…………すみません、ここまで書くのに非常に時間がかかってしまいました。
画面の前でボロッボロに泣いてタイピングが定まらなかった。
自分の中で感情を整理すればするほど、後から後から溢れ出してくる。

…………っよし、気合い入れ直して続き書きます。
まだまだ道半ばなのでもうしばらくお付き合いください。

今回は『リフレイン』についても触れておかねばなりません。
これまでの鳴潮のストーリーではあまり用いられてこなかったのですが、今回は非常に多く、かつ印象的でした。

例えばこれ。

何度となく出てきた「曲げた人差し指で相手の鼻をなぞる」仕草。
覚えているものだと「幼エイメスがアザラシいじめてるのを窘める」「漂泊者が湖に飛び込んだのを窘める」「幼エイメスと約束を交わす」「エイメス(空)を通して漂泊者を慰める」
『注意』ないしは『約束』で使われているように思えます。
この何気ない仕草が、エイメスと漂泊者との穏やかな時間をなによりも雄弁に語っています。
(この仕草自体にはモチーフがあるそうですね。海外の方の投稿だったので後で確認しておきます)

他にも2DPV内でのエイメスの笑顔や台詞、3.0序章の再上映といい『リフレイン』尽くしでした。

感情に合わせて駆けあがっていく音楽まで見事でした

幼エイメスも漂泊者の気を引くために同じような握り方をしていますが、これも『リフレイン』意図したものかはわかりません。

シギルムとの戦闘での、我々が無数に見てきたパリィUIにも意図を感じずにはいられません。

公式が意図したものであるなしに関わらず、こういうのに気づく瞬間がオタクとして最高に気持ちええんよ。
情報としての伏線回収も物語の醍醐味ではありますが、こういった『リフレイン』は映像媒体だからこそできることなので、また一つ鳴潮が進化してくれたなと嬉しく思います。






キャラクター


漂泊者

成ったな…………主人公に…………。
困っている人がいるから助ける、これは普遍的な動機で特に説明するでもなく「まぁそんなもんか」と流せる。
ただそこに命の危険だとか、代償との天秤だとか、より本能的利己的な選択肢が入ってきたときに「それでも!」ができる人間はそう多くはない。

『主人公だから』で説明を済ませてしまってもいい、なんなら今までの漂泊者の言動はそうだった。
得は無くても面倒ごとに首突っ込んで、頼まれたらたいがい引き受けてしまう、よくいる『便利な主人公』。

そういったこれまでの描写と矛盾なく、けれど“漂泊者”としての人格を確立し歩き始めました。
俺さぁ……プレイヤーの感情移入先である無個性主人公だと思っていたキャラが、プレイヤーの手を離れて物語を転がり始める瞬間が大好きでさぁ…………
“漂泊者”という人物を好きになれた、愛せるようになったお話でした。

一番のお気に入りシーン

何も方策が浮かばない……それでも対話と歩みを諦められない…………。
これこそ俺の大好きな『主人公』そのものです。



ついでに一番あちゃ~ってなったシーン。

そんなこと言うから子供が真似しちゃうでしょ!
まったくもう…… でも、そう言うしかない。
この世界の異物であり、特異点だからこそ執着させてはならない。
これまでの、そしてこれからの漂泊者の別れを想わずにはいられない一言でした。



「それでも!」と言い続けろ、『主人公』。
周囲の憂いもなんのその、すべてを救ってみせてくれ。




エイメス

初対面での印象は「いろいろ狙って詰め込んできたなぁ……」で正直刺さっていませんでした。
ピング髪、歌姫、ロボ、ゲーム好き、いたずら好き、デジタル設定。
どれもプレイヤーに“ウケる”ための設定に思えてしっくり来ていませんでした。

ここで改めて謝罪させていただきます、本当に申し訳ありませんでした!!!
いたずら好きは生来の、歌ゲーム絵そのほかは漂泊者との日々で知ったもの。
一時は漂泊者の言うように自分の人生を謳歌してみようとした。
無限の可能性を持つ彼女が選んだのは、家族のための救世主。

ここまで見事に要素を回収してくれた以上こちらから言えることは何もありません。
とんでもない量の広告も素直に楽しむことができて良かったぁ。
(エイメスの描かれ方が微妙だったらコマーシャルの空気やばかっただろうなと背筋が寒くなります)
最高のキャラクターとストーリーをありがとう。
でも、まだ終わらせねぇからな!これからは一緒に苦しくも楽しい救世主家族になるんだからな!!!

より感動的なシーンは他にあったのですが、古傷がえぐられたシーンをご紹介

『救世主様』の我儘だいすき侍なんですけど、それが家族の心配ということで一泣き。
さらには漂泊者がエイメスに語った旅の足跡を喜んでくれていることで一泣き。
それで安心させてしまった、エイメスが旅立つ最後の決め手となってしまったことで爆泣き。

グッドコミュニケーションだったからこそ「自分がいなくなっても大丈夫」と思わせてしまうやるせなさ
ホシノとの夜会話を思い出してしまいます ホシノ……行かないで…………(古傷がひらく音)



ここで佐藤聡美様の神演技にも触れないわけにはいきません。
あまりにも多くの作品に出演されているのでこのキャラのイメージ、と雑に語れないほどのお方です。
そんなお方がここまでの情熱をもって作品に向き合っていただけたことに感謝しかありません。

どの作品に対しても真摯に向かっていらっしゃるとは思いますが、それでも特別に思ってしまいます。
3Dソシャゲの1キャラという自分の中の概念を塗り替えられてしまいました。
それはこの第3章・3幕を通じて「エイメス」という人物の生き様を見せられたからに他なりません。

私たちの見るエイメスの声色・言葉遣いの中に、エイメスの人生が間違いなく息づいている。
伝えたかった幼さを見せたり、大成した諦観を滲ませたり、自己や環境への憤りを隠せなかったり……

幼エイメスばかり紹介したので諦観滲ませエイメス

そのどれもが「エイメス」を形作っていて、重厚で魅力的なキャラとなりました。

ただテキストを読み上げるのではない、その人物が生きて喋っているように思わせる、声優の御業を見せつけられました。
本当にありがとうございました。
これからもどうぞエイメスのことをよろしくお願いいたします。

(佐藤聡美様がエイメスについて語られているインタビューについても是非 記事




リューク・ヘルセン

まだ案内役としての出番しかないリュークですが、もう味わい深いです。
個人的に好印象なのが2点。
まず、思わせぶりなだけじゃなく「後で語るよ。」を明言してくれること。
古今東西”何か知ってる思わせぶりキャラ”は登場しますが、彼らのなんとまぁ~しゃべらないこと!
話すと結果が変わってしまう、確定してしまう、みたいな理由があるにしろ気分良くはないんですよね。
先の内容知ってて匂わせるだけ匂わせて横からニヤニヤ覗いてくる友人、みたいな気持ち悪さ。

その点リュークは「後で話そう」を明確にしてくれているだけ清々しいです。
この「後で」が数年後とかではなく精々数週間で済むのもありがたいですね。

もう一つ好きなのはこのシーン。

明確にこちらを励まし、味方であることを表明してくれているところ。
容貌も設定も怪しいところだらけなリューク先生だからこそ、率直に味方してくれるのがギャップで良い!
どんな爆弾が追加されるのか、幕間にも期待が高まりますね。




そのほか

まずルシラー学園長
こちらはリューク先生とは対照的に、フレンドリーな見た目で怪しい言動ばっかりの人。
漂泊者側の人物だとは思いますが、実年齢50↑の貫録を見せてほしい!(酷い要求)

次にシグリカ
現状は特になんの印象もありません。
オタクに優しくないギャルなら嬉しいなってぐらい
前バージョンで陽換えの儀のついでに流れていった、ロイ族の歴史伝統周りを掘り下げてくれるキーになってくれたら嬉しいですね。

お次にニヴォラ
この子が一番読めねぇ……
かわいいけどパーツパーツは既存モブの詰め合わせなのでプレイアブルになることは無さそう。
リューク先生から熱い視線を何度もむけられていたので只者ではないと思いますが……
俺嫌だよ可愛い女の子から骸骨組織長出てきたら

今回のお話には珍しくフラクトシデスが登場しませんでした。
前バージョンでは身分を騙って暗躍していましたが……
それと、漂泊者の存在が明らかになるほど『残星組織』の目的も味わいを増しています。
漂泊者や歳主は宇宙からの侵略者ですが、アレフ1の描写から鳴式も同じように外から来たのか?
フラクトシデスが鳴式を利用して成し遂げたいのはソラリスの滅亡、それとも解放…………?

いや~今後の展開にも大いに期待してしまいますね!!





まとめ

現在鳴潮プレイヤーによる考察が無限に流れてきます。
あれはこうじゃないか、あれがそうだったんだ……などなど、かつてなく沸き立っています。
Ver.1.0どころかCBTでの演出まで遡ってお祭り騒ぎです。

(どんな作品でも考察せずにはいられない人種を除けば)読み手を考察に動かす源は作り手への信頼に他ならない、と私は考えています。
「こんな素晴らしい作品を描いた作者なら、あれもこれもどれも全部想定済みに違いない!」
それって顔も声も知らない誰かを信じてるってことで、私にとってこれ以上微笑ましい光景はないです。

作品を何度も読み返すのはもちろん、いろんな資料を探し、元ネタにあたり、大変エネルギーの要る作業です。
回収されたりされなかったり、期待通りだったり外れたり越えてきたり……必ずしも支払った労力に見合った対価があるとは限りません。
それでも考えたくなる知りたくなる、その気持ちこそ作品を全力で楽しもうとする姿勢だと思います。

オタクとして報われる瞬間がたまらない、期待するのをやめられない、そんな同士がたくさん存在している。
そして、鳴潮がその情熱の対象に値する作品になってくれたことがたまらなく嬉しいです。

自分は基本的にファンコミュニティとは距離を置いている人間なのですが、いろんな言語圏の同志が楽しむ様子を覗かせてもらうぐらいはいいよね。
まぁあんまり浸ってるとすぐ他作品とのしょうもない対立まで流れてくるので……ほどほどにね。



直近でブルアカのデカグラマトン編も読了しました。
作品に恵まれすぎて、幸せすぎて申し訳なくなるぐらいです。

ていうかさぁ!
鳴潮といいデカグラといい奏章Ⅲといいさぁ!!!
役割を与えられた機械が頑張りすぎちゃって袋小路になったり、機械だからこそ人間の歪さを愛し可能性を信じてくれたりするのがさぁ!!!!!
…………最高なんだよね………………………………

歳主の人類を見守る視線もそう、今回漂泊者がこれまでの旅を総括する時もそう。

あらゆる面で上位の存在が、人間讃歌を謳うの刺さりまくるんだよなぁ~~~
強き者が弱き者の強さを見つけてくれるの、だ~~~~~~~~いすき!!!



やっぱワイは「誰かのために、自分のために、頑張って生きていこうよ」って背中を押してくれる作品が大好きなんだなぁ。
そういったテーマ性が鳴潮の最初期から通底していて、自分と相性が良かったのかもしれません。
不満もあるし浮き沈みもある作品ですが、どんどん挑戦して見たことのない次元に連れて行ってくれることを期待しています。




*1:公式Youtube 『鳴潮』ショートアニメ | 救うより
ちなみに今見直すとエイメスの駆るロボットはバイポーラより一回り大きい程度
エクソストライダーそのものではないため、訓練機にテクスチャを貼った的なものでしょうか

*2:周波数を吸収したら記憶も引き継ぐというのは公式で明言されていない……?
これまで幾度となく「周波数に触れて過去回想」はあったので可能だと思います
にしてもつくづく便利な設定思いついたなぁと思います、周波数
SFとしての世界観を構成しつつ、奇跡も喪失も思いのまま
周波数って言葉の響きがピンとこない以外の欠点ありません

*3:界隈とかいうキモイ表現したくないだけ
エコチェンくわばらくわばら

*4:この考えは、幼少期にプレイして私の人格形成に大きな影響を与えたドラクエ7に由来するかもしれません
もう二度と会えない人々も、それぞれの世界でそれぞれの人生を生き抜いたはずです
ゲームのみならず漫画でもアニメでも、語られない余白に思いを馳せるのが当たり前、そんな私の原体験なのかも
大事な思い出すぎてリメイク躊躇してたんですが、評判良いしやらなきゃな

*5:演出とはズレてしまうので脚注にて
序盤の氷漬けになった自然を観ながら永遠を語るエイメス、衛星内でのクレメントおじさんとその生き様
これらは明らかに後の漂泊者とエイメス、『救世主』としての自己犠牲についての前フリです

ストーリー上の説明とは関係のないところで前フリを効かせてくれると、視聴者はその後の展開に対する心の準備ができます
同じ出来事に対しても「独立した突拍子もないもの」から「あの時言ってたヤツ!そうなると思った!」という、まるで自身が隠し要素に気づいたような快感に襲われます
それが作者の意図したとおりの反応でもね

私が他の記事で言及している通り、読み手によって作品に対する姿勢も背景も理解度も違っている
  だから「これを楽しんでね」と作品側である程度コントロールしてあげる、読者に期待をさせ気づきを与え同じ道を歩かせる
これをわざとらしさなくできている作品の、手のひらで転がされる心地よさに惚けてしまいます……

Vol.6 オラトリオ編 第1章 感想

急に来たアリウスのメインストーリー、実質エデン条約の続編
「過ぎ去りし刻のオラトリオ」編、その第1章を読んだのでその感想と今後への期待を書いていきます

考察はありません、ただただオタクの鳴き声だけです
メインストーリーのネタバレとなるのでご了承ください









トリニティの日常

最初はトリニティ生徒たちとの久々の交流から始まりました
1シーンだけでしたが全員登場って感じで嬉しかったですね

その中で気になったシーンだけ抜粋

まず、ハナコによるトリニティ総合試験の説明シーン
この問いが生じるということは『試験の作問者=受験する生徒』ってことになりますよね
授業が映像頼りな描写は度々ありましたが、キヴォトスの教育機関としての仕組みガバガバすぎる

同じくハナコのあまずっぺぇ語り
伏字のような淫乱だけじゃなく、こんなときめく青春も引き出しに持ってるハナコ好きすぎる
お前は小説を書け

ミネ団長の気高い”救護”精神
俺ってば真っすぐな善人が一番好きでよぉ、団長のこのひたむきさに心打たれるんだってばよ
1章の締めに登場しましたが、単なるトラブルメーカーで終わらなければいいな

俺ってば先生がモブ生徒にも”先生”してるシーンが一番好きでよぉ
この1シーンのおかげですべての生徒を同じように大切に思ってるんだなって暖かくなるとともに、身体がいくつあっても足りねぇって心配になるってばよ
オラトリオ編全体でモブ生徒の出番が多く、彼女たちを背負おうとするリーダーの覚悟と葛藤が描かれていて素晴らしいですな






アリウスからの編入

先生に深刻そうに相談してくれた2人、実はアリウスからの編入生でした

他学校モブにも幼い子たちはいますが、アリウスとなると、より悲壮に映ってしまいます
これも無遠慮で無責任な同情なのでしょうが

騒動の後、ティーパーティーの生徒から声をかけられ編入することができたとのこと
この生徒が誰なのかとかは深く考えていません、単にナギちゃんの指示で動いた生徒なのかなって
悪だくみしている奴が居たとして、単独行動でどうにかできるものでもないでしょうし

また、提案としてもごく自然で「田舎からの編入生」という扱いでのお誘いでした
エデン条約後のアリウス生徒の処遇について自分がずっと考えていたのはまさにここでした
加害者であり被害者であるアリウス生徒たち
彼女たちにも衣食住揃った快適な環境を提供してあげたいが、それには当然受け入れる側の心情も考慮しなければいけない
トリニティですべて引き受けるのも、シャーレで面倒を見るにしても、どこかで軋轢が生まれ決定的な溝となりかねない
理想をかなえるにしても、変化は段階的でなければ必ず反発を生みます

ではそんな生徒たちに先生がしてやれることがあったかというと、ほとんど無かったのだろうと思います
これまでの先生は、満足に教育をうけられていない生徒という括りで考えると、SRT復活を強引に進めることもしなければ、街にたむろする不良生徒たちを積極的に復学させるようなこともしていません
「古書館」や「喰積」で不良生徒の更生を引き受けてくれたのは生徒たちや地元の人です
これが先生の意思なのか、権限や能力の限界なのかは分かりません
本当はどうしてやりたいのか、なんて先生本人に聞かないと分かりませんが、現実的にはできていません

少し先でナギサが以下のように語っています

この言葉を借りると、シャーレとして主張、実行、実現することには大きな隔たりがあります。

ですので、アリウスの生徒たちにも先生がしてやれることは少なかったと思います
けれど、そういった理屈は抜きに、何とかしてやりたいが何もしてやれない、そんな無念に苛まれるのも先生なのかなと思います
先生は2人に謝罪し、あまりの健気さに頭をなでようとするも一歩引かれてしまう
撫でる是非はともかく(その後本人たちが受け入れているので)、虐待された小動物を見るようで居た堪れない気持ちでした

トリニティで幸せに暮らす2人にも、よくしてくれる周囲に噓をつく後ろめたさ、悪夢にうなされるようなストレスがかかっていたかと思うと…………
ベアおば以外誰も悪くないとはいえ、本当にねぇ…………だから精神的な傷は嫌いです
金でも時間でも解決しない、上書きできるような幸せの中で一生抱えて生きていくしかないんだ



そんな2人からの相談は、試験をアリウスに残る生徒たちにも受けてもらいたいというもの
これもある種『生徒』となる第一歩と言えるかもしれません、教育を受ける権利として
そんなこんなで、先生はアリウススクワッドへ相談することに






アリウススクワッドとナギサ

サオリも含めたアリウススクワッドと面と向かって相談する先生
スクワッドから出てきた疑問は至極真っ当で普遍的なもの
『試験とは、勉強とは何のためにするものなのか』

10代の少年少女が抱く普遍的な悩み、にもかかわらず納得のいく答えを持っている大人は少ないはず
誰もがどこか騙し騙し生きてきた部分かと思います
立派な回答なら様々ありますが、結局は自分自身が納得するしかありませんから

そんな問いに対する先生の答えが、自分の大好きなものでした

勉強に限らず、先生が”先生”として生徒たちと接する根底にはこの思想があるのだと思います
この世界で自分らしく生きていく力を身に着けてほしい、って

それを受けたサオリやミサキの返答があまりにも賢くて涙が出ます
ナツやノアにも感じるところとして、内省や自問自答を重ねる人は新しい価値観に出会った時も、それを咀嚼して自分のものとするスピードが抜群に早い
ミサキは生来そんな性格であったでしょうし、サオリも自分探しの過程で繰り返してきたのかと思います
生徒の成長を感じる瞬間が一番うれしいんだから

そして、そんな性格の代表例が我らがナギちゃんです
エデン条約以前からどれだけ…………どれだけの内省を繰り返してきたのでしょうね、彼女は
あまりに居た堪れなく、あまりに愛おしい

今回の席を用意したのは彼女であり、一言一言丁寧すぎるほどに気を遣って、トリニティとアリウスの歴史に真っ向から対峙するようでした

本音を引き出そうとするミサキやアツコの煽りも受け止めながら返していく
様々な状況を想定して準備してきたのだろうと思います
本音と建前とを、どちらも誠実に話せるまでに

すべての言葉にナギサの思慮深さを感じて感心するとともに、その誠実さを汲み取ってくれるアツコが大好き
先生という理解者を通じてアツコも試すことをやめ、信じてくれました
いや~~~~~まじでこのやり取り好きすぎる、”先生”の精神が生徒たちに伝わっていて感激です

大きな組織や集団としての和解は難しいままですが、一番の被害者と加害者が個人としてはしっかり和解することができました
これさえできれば何とでもなる、がブルアカの不文律ですな



話し合いはアリウススクワッドの協力のもと、先生がアリウスで試験&授業をおこなうことに落ち着き

悪態をつきながらも納得してくれたようでなにより
これもまた、考えすぎるミサキが外の世界と付き合っていく上で必要な能力でしょう
有事や悪意に晒された際にはこの疑り深さも大切なんですがね、バランスですね






アリウスでの授業

現在アリウスを取りまとめているのは梯(かけはし)スバルという生徒
話はできるがどこかズレている(サオリ評)らしいのだが…………

これ、サオリがズレてるのでは…………?
スクワッドのズレをアリウス仕草だと思っていたのですが、スクワッドがただただ異常だっただけかも…………
まぁスバルの方も失言を引き出そうと誘導する話し口で、素直な生徒ではなさそうです

スバルの懐疑的な目線は先生にも向きますが、先生はこう返します

はぁ~~~~ほんとうにだいすき!!!!!
ワイの先生大好きポイントはこの夢想家である、いや、夢想家であろうとしている・・・・・・・・ところなんですよね~~~
まじでこれを言及してくれたの公式が分かりすぎてて肩組んで酒飲めます
くぅ~~~たまりません!!!

先生と面識のある生徒たちは「また言ってらぁ」って思いつつ協力してくれるんでしょうが、初対面のアリウス生徒は当然反発
力がモノを言う構造なのはアリウスだからこそ説得力がありますね

水着イベでも見せた手が出るの早いアツコすき
スクワッドが凹して予定通り授業をしていくことに

ここで先生の策略が炸裂!
先生だけでなく、アリウススクワッドの面々がそれぞれの得意な分野で授業をすることに
アリウス生徒たちの抵抗感をなくしつつ、自身の将来を想像する存在としてこれ以上の適任はいません
いやーこういうのがいいんだよなこういうのが

サオリが「社会契約論」を、ミサキが物理、アツコが生物、ヒヨリが現代社会を教えてくれました
ミサキやアツコの直球で実践的な指導も素晴らしいし、サオリやヒヨリが自身の経験をかみ砕いて興味を引くように伝えられているのがあまりに最高

全員に対してずっとこの気持ち
楽しい科目が人気だったり、真面目な子も不真面目な子もいて、紛れもなく学生らしい空間でした
このままの幸せがずっと続けばいいのに…………そうはいかないんでしょうな…………






サオリと傷痕

その晩、サオリが先生のもとに訪ねてきて今日を振り返る
ここでもまた”先生”節炸裂で気持ちいんですわ

一枚目の、教える過程で自身の学び直しになるというのはよく言われるところ
それだけでなく、生徒との触れ合いを通して「自分の持ち得ないものを学ばせてもらっている」
先生が本心からそう思える大人であることを誇らしく思います

本当にそうなんだよな…………教育者は一方的に知識を伝えるだけじゃなく、相互のコミュニケーションで新たに気づかせてもらえることがたくさんある
それに自覚的であることが教育者として重要な資質であると考えているので、オラトリオ先生の姿勢が一から十まで大好きすぎる



そんな教育論を語りつつ、話題は先刻逸らしたサオリの”罪”に移っていく
先生の傷痕を見て泣き崩れるサオリ
そう思ってくれること、その姿を先生に見せてくれることがサオリの成長でしかなくありがたい

今のサオリに先生がかける言葉は

良い…………復唱させるも感極まって言葉が続かないの良すぎ………………………………
「月華夢騒」のキサキに次ぐ、ノベルゲーの夜会話堪能させていただきました…………
オラトリオ編はアリウス生徒たちの再出発の話であり、アリウススクワッドの清算の話でもあるんですね



同時刻、場面は変わってスバルとマイア
先生の綺麗事とは対照的に、現実はどこまでも汚れている

日陰で生きている彼女たちだからこそ、それをより強く経験してきているはずです
アリウス生徒たちのことを想うスバルの気持ちが本物であるからこそ、先生の理想を受け入れがたいのでしょう
外の世界を、今を、未来を、彼女たち自身を”信じさせる”ことができるのか
先生の手腕が試されますな、期待しています



色んな希望が抱けた夜も幸せには終わってくれず、一抹の不穏を残していきます

サオリが遭遇した彼女、ラッパとはなんなのか
その後サオリの台詞がほとんどないことも含めて色々と推測、考察できますが続編も近いですし割愛します
他の方が各所で考察されているので興味ある方は検索してみてください






校外学習

平和に進むアリウスでの授業
先生は何かを感じ取ったのか、はたまた自分が退屈になったせいなのか、「校外学習」を提案します

先生に間違われるスバル好き
授業の甲斐あってか、外の世界を好意的に見ることができている生徒が多そうです
無知ゆえに疎外感を覚えていたのも要因でしょうから

挟まれるアリウス生徒の健気さに胸を締め付けられつつ、少し手の空いた時間で先生とスバルは初めて1対1で会話します

先生を困らせるためなのか、スバル自身のことなのか、はたまた…………
掴みどころのないスバルに翻弄されながらも先生は持論を述べます

アビドス3章でのユメ先輩とのやり取りが想起されます
聞き手にバトンを渡してくるのがずるいですよね
ハナコとかもやってくるアレです

いやぁ、この問題は難しい…………
自分より不幸な人間がいるとしても、それが自分の生きる理由にはなりませんし
生きる理由よりも4にたい理由の方が簡単に見つかりますし

先生の思想としてはやはり、互いに助け合って生きていこうなんでしょうね
自分のためにも、他人の生きる理由になろうって
ブルアカ全体がそういうお話なのも納得です

それらを聞いて若干絆されるスバルですが、マイアの騒動によって”現実”に引き戻されます
木の上の子猫を助けるのに、発砲による恐怖で解決しようとするシーン
それ自体はまぁ…………さすがのキヴォトスでも非常識なんだなと思いつつ、周囲の市民たちの反応が印象的でした

そこにつっこむんだ?!?!!
ヘイローしかり銃火器しかり、世界の常識でそういうものって認識なのかと思いきや、キヴォトス市民から見ても歪なんかい!!
いや~ブルアカくん、まだまだ新鮮に驚かせてくれますね
明かされないものが多いことには納得していますが、それはそれとして明かしてくれるなら喜びますよオタクとして




「私まで短い夢を見てしまうところでした。」
一連の騒動でスバルがまた諦観モードに入ってしまったのが残念です
お互いの無理解が引き起こしただけで、教育と時間が解決する問題だとは思いますが、その過程で傷つくことは間違いありません…………
教育を飛び越えて、移民であるとか孤児であるとか様々な難題の要素が複雑に絡み合っています
本当にこれに解を出せるのかいブルアカ君…………そう不安になるぐらいの障害が立ちふさがっています



その後、カフェでゆっくりする面々にまさかの遭遇

いやー嬉しいね!!!スズミとレイサに出番があるのはね!!!!!
序盤の出番だけで嬉しかったのですが、トリニティの善人代表として登場してくれました

レイサのハイテンションでアリウス生徒たちとも打ち解けてくれましたが、スバルを含む一部には距離を置かれたまま
スバルが完全に懐疑&諦観モードに入っていてスズミの素晴らしい理念も受け取ってくれません

完全に被害者マインドというか……生まれが違うからですべてを片付けてしまう暴論に憑りつかれています
その冷笑は自分の身をも喰らうぞ…………スバルの今後が心配でなりません

もしかしたら、エデン条約編でのミカのような存在なのかもしれません
周囲の感情を汲み取りすぎて、期待に応えすぎて、いつのまにか自分が憎悪の先頭で旗を振っているような
それとも、途中でマイアに話していた『あの日』に憎悪の原因があるのでしょうか…………



アリウスに帰ってきてからまた大変なことになっていくようですが、それはまた次のお話






まとめ

エデン条約の騒動以降、指名手配でありながらもそれぞれの生き方を模索するアリウススクワッド
ベアトリーチェの支配から逃れた、取り残されたアリウスの生徒たち

彼女たちに再びスポットライトを当てる日は来ない、と私は半ば諦めていました
ブルアカの中でも特に力の入ったメインストーリーで既に描かれ、他にも様々な学校や生徒たちが出番を控えている
アリウスの抱える問題自体が非常に複雑で難解であることも相まって、扱おうにも落としどころを見つけるのすら難しい


やらない理由はいくらでも思いつきますが、それでもいつか見てみたいお話ではありました
妄想するしかなかった難題に、しかもその道の過酷さを自覚したうえで公式がチャレンジしてくれました
ついでに自分の”先生”大好きポイントがこれでもかと披露されていて感無量です
作者と通じ合えること以上に嬉しいことはないし、ブルアカのことまた好きになっちゃうよ俺…………の気持ち

近々続編も来るそうなので、期待大で待ちたいと思います



…………ほんとにハッピーエンドになるんですか?これで…………?
それでも俺は、”先生”を信じたいよ……信じさせてくれよ…………




『ペルソナ3 リロード』雑感

先日『ペルソナ3 リロード』クリアしました
DLCは諸説あったので一切触れず、ストーリークリア程度のやりこみ具合です
P5R→P3Rの順でプレイしたので、ちょこちょこ比べながらまとめておきます



前置き

ペルソナについての自分の状況は、P5Rの記事の方で書いた通りです
その感動のままP3Rを始めました
P3についてもP5同様、キャラの名前すら知らない真っ白な状態からのスタートでした

ペルソナはメガテンからの派生作、1や2の頃はまだその色が強く、3,4,5と進むたびに明るく大衆向けになってペルソナの色が確立していったような印象です
ただのキービジュや評判からの印象なので間違ったこと言ってたらすみません
ですんでP3はその中間地点というか、陰鬱な面が強い作品というイメージでした
プレイするほどにその印象は覆されていくのですが






メインストーリー

まず、パーティーメンバーの構成がP5Rとはだいぶ違いましたよね
事件をきっかけに仲良くなっていく仲間、というよりは同じ目的で行動している知り合いぐらいの距離感
また、本編開始前のそれぞれの背景がしっかり作りこまれていて、本筋にも大きくかかわっていく
主人公の不思議な特性、美鶴とゆかりの微妙な空気、天田に対する真田や荒垣の反応……などなど思わせぶりな伏線がたくさんあって、その謎を知りたいという欲求がゲームを進めるモチベーションになっていた気がします

この報酬はRPGとしてはむしろ王道な気がして、そういった報酬の薄いP5の方が異端なのかもと思えてきました
あちらはターゲットを先に明かして、パレスや攻略対象への謎が小目標になっていた感じですかね

閑話休題
序中盤はそういった謎が多くばら撒かれる一方で、回収はあまりされず、活動のゴールも見えてこず、言ってしまえば退屈でした
毎月のボス戦もアルカナモチーフとはいえ、ぽっと出の敵をぶっ飛ばして終わりなので味気なかったです
道中のギスギスを楽しめってことなんでしょうけど…………そこも順平の焦りぐらいであまりシナリオ上必要だったかと言われると

ストレガが登場して、激動の10月からはメインストーリーもキャラ個別のストーリーも動き始めて、俄然面白くなってきましたね
ストレガともっと接点持って衝突や協力の機会があればなぁとは思います
主人公に興味を持ってしまうタカヤは何度か描写されましたが、せっかくならチドリと順平のように、ジンとタカヤもS.E.E.S.の誰かと特別な縁を持たせて特別な戦闘になってほしかったなぁって
桐条関係で美鶴さんとか、施設出身で真田さんとか天田とかとか
ジンにとってはタカヤかそれ以外か、というぐらい特別な存在だったとも捉えられますな

荒垣先輩…………………………………………
一緒にいた時間は短いものでしたが、彼の料理の腕も、動物好きな面も、思い遣りも、義理堅さも、守れない約束を捨てずに逝ったことも………………あまりに彼の美点を知りすぎてしまった
つらかったなぁ………………
でも、あの最期は荒垣先輩にとっては望外の幸せな最期だったと思います
寿命が近く、天田に呼び出された時点で覚悟を決めていた
けれど最終的には天田を守って、皆に看取られて逝くことができた
桐条パパも幾月もゆかりパパもチドリも…………散っていった人間の生きた意味、残された人間の受容とが一貫したテーマでしたね

あのシーンのためのキャスティングかと思うぐらい、緒方恵美さんの怪演が光りました
精神的に追い詰められた人間の魅力を表現するのが上手すぎます
天田をめぐってゆかりと風花がお互いの痛いところをえぐりあうのもグロくて最高でした(最悪の感想)

というか、約20年前のゲームなので声優陣がマジでとんでもないっすよ…………
親友ポジの鳥海さん、美少年の緑川さん、そして主役の石田彰、こんな配役令和じゃ許されませんよ……最高でした
中井さんはいつまでもこの系統でお願いします

閑話休題
この10月以降、大切なものを失った同じ傷を持つ者として、S.E.E.S.が一つにまとまっていくのも感慨深かったですね
2度先立たれた真田と天田、既に失い乗り越えたコロマルやゆかり、失う怖さを知ったアイギスなどなど
対比がお上手でした

終盤も、うおおおおおおお!!!!!いけええええええええ!!!!!!!という展開ではなく、寂れた世界でじっくり悩んで答えを出すという形でした
どこまで本当かわからない綾時の言葉を信じすぎでは……?どっちにしろ死が待ってるならそんな悩むかな…………なんてちょっとしっくりこなかった点もありつつ
それまでと同じ1か月を過ごすのが退屈でもあり尊くもあり……………複雑な心境でした
最後の最後までペルソナ3の色全開でしたね

最後の選択肢、受け入れられなくて「…………」を選びました
みんながそこまで来てるのに、みんな笑顔なのに…………おれ目を閉じたくねぇよ…………
でも逆なんでしょうね
みんなの目が開く瞬間まで起きておくことができた、見届けてから目を閉じることができたのが幸運であり奇跡だったんだな…………


回収されていない謎とか細かいツッコミどころはあるでしょうが、普遍的なテーマに対して色んな切り口から攻めた今作は、年月を経ても変わらず心に訴えかける名作であったと思います
ペルソナシリーズとしての過渡期を体験しつつ、今作でしか味わえない感情をたくさん経験させてもらいました






コミュ・リンクエピソード など

正直コミュに関してはP5Rと比べて薄いものが多かった印象です
起承転結はあるのですがそれを10話に引き伸ばしている感じ
P5Rは起承承承転承転転承結ぐらいあったので、ここは明確に進化していった部分なのでしょうね
ですが、その簡潔さのおかげなのか、コミュで伝えたいメッセージはわかりやすくストレートに感じ取ることができました

それと3/4の後日譚、実質コミュ11話がどれも味わい深かったです
遠くに離れてしまった人たちが色んな形で主人公に想いを届けてくれて感無量でした
お気に入り度合で言うと、ダントツで神木、次点でY子、べべ、早瀬、舞子、無達、たなか、小田桐…………ですかね

メインストーリーもそうでしたけど、最後の最後の面白さのために道中は我慢してねってシナリオに時代を感じます
多くを語りすぎない余白も時代ですね、末光コミュのエセ宗教被害者たちのフォロー欲しかったな……
まぁそれが見たい人はP5の御船千早コミュ読んでねってことで



それとS.E.E.S.の面々にもコミュのようなエピソードが用意されていました
メインストーリーの進行度と合わせてリンクエピは進んでいくので、個人的にはコミュ以上に没入感があり好きでした
印象深いのは荒垣先輩の復学届、順平の主人公の背を押したり謝罪したり気遣いの漢、真田先輩のメダル
いやーなんなら女性陣にもコミュと別に用意してほしかったもんなリンクエピソード
このときどんな気持ちだったかを主人公と共有して欲しいもん
つまり、最高でした


あとおまけになりますが、監視室の録画どれも笑えて最高でした

この先輩たち面白人間すぎ
最高点は原点にして頂点、幾月の絶好調ダジャレ集でした…………信じたかったよ幾月…………


おまけのおまけになりますが、学校の先生たちの授業
どれもこれも癖強でしたが、1月に終末思想がはびこった時のものがとても印象的でした

したたかというか、頑強というか
正常性バイアスでは説明しきれない、先生たちの生きてきた年輪の分厚さを感じました
定期的に流れる風聞だからこそ、それでも世界は続いていくと良くわかっているんでしょうね
なーんか2025年にもそんな話が出てるのでいつの世も変わらないなぁと面白く感じてしまいました






グラフィック

直近でプレイしたP5Rからさらに進化を遂げており、とても美麗でした
昨今のグラフィックを売りにしている諸作品ほどリアルではありませんが、RPGとして世界に没入するには十分なクオリティでした

感動というより感心したのは背景の色彩でした
1月の世界は荒れ放題で町中ゴミだらけなのですが、それだけでなく世界全体の色が褪せてるんですよね

ただ美しく描写しようとするのではなく、ストーリーのため、ゲーム体験のためのグラフィックで感心しました
あとS.E.E.S.のみんなビジュ良すぎ






音楽

これはもう文句なしで神
音楽に惹かれて様々なゲームをやってきた自分ですが、こんなにも音楽に背を押されるのは初めての経験かもしれない
初戦闘で『Mass Destruction -Reload-』が流れたときは良すぎて椅子から転げ落ちたし、『Want To be Close -Reload-』は立ち止まって何ループか聴いちゃったし
『~~の記憶』とか『全ての人の魂の戦い』とか同じフレーズをいろんなアレンジで聴かせてくるの情緒おかしくなるって
ボーカル入りも多いのに、正しくBackground Musicとしての役割を果たしている
どれだけ重たい状況でも、爽快で軽快で物寂しい音楽が流れるたびに、背を押されて脳汁が湧き出ながらプレイできました

どうやら原作から女性ボーカルの方が変わってしまったようで、そちらも一通り聴かせてもらいました
サブスクでゲームのサントラ聴けるの良い時代だなぁ
川村ゆみさんの歌声の力強さはもちろん、原作は“ボーカルが主役のBGM”だと感じました
一方でP3Rは高橋あず美さんの柔らかくも芯がある歌声とLotus Juiceさんの(原作よりも)ノリノリなラップで、楽器も含めた“みんなが主役のBGM”のようです

これは本当に良し悪しなのですが、ゲームがリッチになればなるほど前者のような、目立てるBGMが減っていくものと思っています
音楽も効果音も背景もキャラもUIも、何もかもが目立つとUXとしてはお腹一杯でマイナスに働きます
グラフィックがリアルになっていくほどリアルな音が増えて、リアルでないBGMやUIが引き算されてしまうのかなって

その点でP3Rは最高の音楽が主張しすぎないのに最高の気分に高めてくれる、絶妙なバランスだったのかもしれません
ってことでP3には川村ゆみさんが、P3Rには高橋あず美さんが適任だったというところで、どちらも良さを感じました






UI・ゲームシステム

UIやゲームシステムに関してはP5を踏襲していて非常に遊びやすかったですね
もうバトンタッチやシフトのないペルソナは遊べないよ~~~、P4Rでも実装してくれ~~~
まぁ細かい不満がないではないんですが(ベルベットルームで削除できない、アクマと直接交渉できない、結局終盤は弱点ない敵にゴリ押しゲーミング)
散々言われてることでしょうし、リメイク作としてはむしろ変化に挑戦的で、成功を収めたと言ってよいのではないかと思います

タルタロスでの周回、自分は苦じゃなかったです
前述の音楽も最高だったし、テウルギアの爽快感もあったし、復帰ポイントがこまめに用意されていて親切でした
色々追加要素あってなお、夜が暇なのはどうにかしてほしかったかな






まとめ

いくつかの観点から軽い感想を書いてきました
総評としては、令和のゲームとして楽しめる進化と追加要素による補完の心配り、音楽やストーリーの変わらない普遍的な魅力
変化と不変の取捨選択がリメイクの肝であり、それが非常に巧みであった作品のように感じました
なお原作もFESもP3Pも未プレイなので頓珍漢なこと言ってたらごめんなさい

とにかく、現代に読んでもなお感じ入る部分がたくさんある、プレイして本当に良かった作品でした
むしろ10代で読んでたら人格とんでもない歪み方をしちゃってたかも、これを超える作品なんてめったにないですからね…………くわばらくわばら

これだけ陰鬱で悲劇的で『死』について考えさせる作品でありながら、読後に残った感情が「生きよう」「生きていたい」だったので不思議な気分です
『キミの記憶 -Reload-』の駆けだすようなイントロに想いを馳せながら、青春の風を胸に宿して自分も生きていきます