ブルアカアニメ5話の例のアレ


先日放送された「ブルーアーカイブ The Animation」第5話

予告などから柴関ラーメンの例のアレが起こる回か……アニメはどうするんやろと内心ドキドキでしたが、まさか全然別の場面で炎上するとは

先に言っておくと自分もあのシーンに関しては否定寄りです
後半からが先生の見せ場であるということは重々承知のうえで、その期待通りに描いてくれるか不安でもあります

なぜそう感じてしまったのか、どういう演出の意図が考えられ、今後どう描いて欲しいか
そのシーンやここまでのアニメ全体についても思うことを書いておきます

前置き

注意事項としまして、まず自分が超ブルアカ大好き信者ということです
他の記事で延々と語ってるのを見てもらえれば伝わるかと思います
加えてアニメブルーアーカイブに対しても非常に贔屓目に見て楽しんでいます

ファンとして観とかなきゃという義務的な面は否定できませんが、アニメという媒体ならではの情報が増えて新たな理解が生まれることを純粋に楽しめてもいます
少しでもキヴォトスの理解に繋がる情報はないかキャラの表情変化を見落とさないか、目を皿のようにしてかぶりついて見ています
日曜深夜が楽しみで、観たあともだいたい昂って2時3時まで寝られず反芻しています

そういった点で普通の中立的なアニメ視聴とは違うスタンスでの鑑賞、感想になることをご承知おきください
普通のアニメ視聴とは原作を知らないダンジョン飯をサブスクで観て「世界も人間模様もおもしれ〜〜〜この後どうなっちゃうの〜〜〜〜」って言ってる自分を想定しています


注意事項はもう一つあり、自分はブルーアーカイブ内の全てのストーリーを読めてはいないことです
メインイベグループミニは読了しましたが、絆ストーリーに関しては未だに未消化も多く
実装された生徒の約6割ほどしか読めていません
つまりブルアカを4割損していると言っても過言ではない……

こんなヘイト記事を書いてる間に読んでこいっちゅう話なんですがどうかお許しを……
ちまちま読んでいるのですが愛用品も増えてて……

未消化のストーリー内での描かれ方はまったくの無知ですし、たとえ読了済みでも1年以上前の記憶が正確かと言われると自信がありません
とにかくブルアカの全てに精通してるわけでもなんでもない人間なので誤解や見落としはいくらでもあると思います
ご承知おきのうえ、何かお気づきの際はご連絡ください

最後にもう一つ、アニメの展開やアニメ先生への批判的内容も書いていきますが、製作している特定の個人を攻撃する意図はありません
監督脚本作画音響声優……アニメは多くの方が関わって生まれる作品なのでこの人がこうだから〜みたいな主張はかえって本筋から外れてしまいがちです
私はどの話数を誰が担当しているのかなど把握していません
ただお出しされた作品への感想を書いていきます
また声優さんの演技に関しても全員申し分なく頑張って頂いていると本心から思っています
文句をつけた時はそれを是としたディレクションに対してだと受け取っていただければ幸いです

アニメの先生と5話のアレ

これまでのアニメ先生

本題に入る前にアニメでの先生の足跡を確認しておきます

第1話ではアビドスで遭難し助けられ、ホシノに意味深な目線を向けられるも物資支給で感謝される
アビドス校内をシロコに案内してもらっている最中に襲撃
アロナにサポートされつつ、戦場に降りてきて「君たちはどうしてこの学校を守りたいんだ?」と問いかける
そのまま戦闘指揮、勝利、夜の教室で1人アロナに話しかけるところまで

第2話ではシッテムの箱起動のシーン、戦闘指揮をしたっぽい、セリカをストーキングしてキレられ落ち込む、柴大将と意気投合
セリカ失踪後はシッテムの箱の権限を利用し位置を特定、アヤネに守られつつ作戦立案と指揮、セリカツンデレられる

第3話では借金の対策会議でアヤネと一緒にリアクション、アイドルを選択しようとするも遮られる
便利屋襲撃に遭い最後だけ作戦指揮して決着(引き分け)

第4話では対策委員会とともにブラックマーケットに赴き、銀行強盗しようとするシロコを止めようとするも折れる、その後納得して参加する
実行中は外で待機、一般人に危害を加えないように忠告、無事脱出後ヒフミといっしょに落ち込む
現金を持ち帰ろうとするセリカを静止

第5話では会議を転がしつつヒフミとの別れ際「大丈夫!きっと方法はある!…んじゃないかな…多分……」と煮えきらない
翌日寝不足で現れ、ノノミからホシノの変化について聞く
それに対して「私が来たからかな…ホシノが変わったのは」「あはは…なんて……」「いや、その、なんていうか…あはは……」
ノノミは笑いつつも窓の外を遠く眺める

以上ざっくりまとめでした


アニメ先生の違和感

これらを踏まえて問題のシーンを中心に考えていきます

画像はニコニコ動画からのスクショです
ニコニコならダイナミックコードも面白くなるから不思議だね、というのはさておき

アニメ先生と原作先生を比べつつ違和感を並べていきます
この項はアニメ先生単体での評価ではなく、原作先生との違いに焦点を当てており、批判的な内容を多く含みます
擁護したい点もあるのでそちらは次の項にまとめたいと思います

①先生の冗談

まずは原作先生に対する自分の認識を書きます

先生は場の空気に合わせて、いや時には空気を読まずに冗談を言うことも多いです
あはは……と濁すこともあれば悪ノリやからかうこともしばしば

メインでは控えめですがモモトークや絆ストでアクセル全開です
全会一致でライン越えのイオリを例に出すのは不適切かもしれませんが
私の大好きなイベントストーリー「放課後スイーツ物語」でも度々先生が悪ノリしてました

一方で生徒の変化や成長を「私が来たからかな」みたいな台詞は冗談含め見覚えがありません
方向性が真逆の、恥ずかしがる生徒に「私の“せい”?」みたいなのはありますね

自分は絆ストを全て読めてはいませんし、過去読んだ内容を完璧に覚えているわけでもありません
都合のいいように記憶改変してる可能性はあります
現に先生の台詞は基本エモくて好きなやつしかSS撮ってなくて、上記も探してようやく見つけたものです
冗談を言う先生が好きという訳ではないので記憶から抜け落ちてる可能性は全然あります

もし生徒の変化を自分の“おかげ”だと言うような台詞がありましたらぜひ教えていただきたいです
自分の中の解釈をこねくり回すので

ではその逆「私ではなく生徒のおかげだよ」はどうかというとちょいちょい言ってます
先生はよく生徒から「さすが先生」的なことを言われるのですが笑って受け流したりノーリアクションなことも多いです
ワーカーホリック的な自虐とかならあります
「こういうのには慣れてるからね……」的な

これはミドリ絆ストのキザな先生

なのですが、しっかりと言及することもあります

これは「百夜堂FC計画」での終盤、先生に恨み節を言うカイザー元理事へのカウンターです
めっちゃいいですよね実際そのとおりだし

以前も書いたのですが、自分にとって初めてのイベントがこの「百夜堂FC計画」で、当時は正直あまり印象に残ったストーリーではありませんでした

ですが改めて読み直すとギャグ9割で進めつつシズコというキャラの魅力をこれでもかと詰め込んだ名作に思えました
序盤のニヤとシズコのやり取りだけでも絶頂物です
やはり積み重ねてきた物語が味わい深いですブルーアーカイブ
不忍も常設来ましたし、そのうち常設の来るアビ夏百鬼夏も多くの方に読んでいただきたいですね

という感想はさておき、これを最初期に見ていたせいか自分の中での先生像が無意識に固まっていたのかもしれません
作中で描写がなくても、プレイヤーの私たちが「生徒たちがやってくれたんだよ」と思う時は、先生も同じように思っているんだろうなと

一方でこういったお話を通っているかいないかで印象が大きく変わるのかもしれません
キャラクターへの印象が絆ストーリーを読んでいるか否かで大きく変わるように

そもそもブルーアーカイブの最大の魅力はシナリオでありテキストだと言っても、現状実装されているお話をどれだけの人が読破しているでしょうか
メインストーリーならまだしもイベストグルスト絆スト……ユーザーの何割が読めているのでしょうか
自分も冒頭で述べたように人のことを言えません

もし仮に全部読めていたとしてもその記憶や解釈は個々人で差があって当たり前です
読解力のある人の解釈が必ずしも正しいとは限らない、行間を読みすぎて素直に受け取れない場合もあります
先ほど自分のケースをお話したように、どのタイミングでどの話を読んだかにも大きく左右されると考えています

だいーぶ脱線しましたがとにかく原作先生への解釈は人それぞれなのが前提
自分は上記の根拠をもとに「自分のおかげ」的な冗談を言う人ではないと考えています
原作で言ってないという根拠なので、重ね重ね申し訳ありませんが見落としたシーンがあれば教えていただけると幸いです

っていう原作先生に対する認識を確かめたところでアニメ先生の台詞を見ていきます


「私が来たからかな…ホシノが変わったのは」
「あはは…なんて……」
「いや、その、なんていうか……あはは……」

最初の台詞が主に燃えている箇所ですね
うーん、やっぱりキツイな
ちなみに本気で自惚れているわけではないと思います
その後の誤魔化し笑いから冗談ではあるようです

空気を変えるための冗談か……
そもそも空気変えよう、変えたいと思う場面だったかな?

ノノミの言い方も過去つらかったという重い話題ではなく過去とは違って今は丸くなったという前向きな話題でしたよね

ノノミがそういったセンシティブな過去を語ってくれたのはそれだけ先生を信用してくれているわけで、先生的には「話してくれてありがとう」「過去に何があったのか気になる」の気持ちじゃない?
茶化して打ち切りたい話題には思えません

まぁまぁまぁ先生は真面目なシーンでも茶化すことが無いわけじゃないですから、そこは置いときます

自分の結論としては冗談であるという前提だとしてもそんなことは言わないでしょ、です

②先生の二面性

このシーンに限らずアニメ先生は「あはは……」や「多分……」が多用されています
キヴォトスの常識についていけず困惑する様子は初見勢の代弁者として描いているのかもしれません
その一方で戦術指揮に関しては「提案」という体を取りつつも自信を持って行えているように見えます

これらをざっとまとめると“普段は優しく気弱でナヨナヨしているけど、いざという時は頼りになる大人”として描いているように見えます
これ自体は原作先生ともある程度共通しています

コミカライズで描かれている色んな先生も同様です
アドバイザーとして見守りつつ4人それぞれと違った関係性で接しているメガネワーホリ便利屋先生
ムキムキマッチョで全く喋らないのに大事な時は助けに来る穏やかな怪物パヴァーヌ先生
だいぶ癖の強い風貌をしていますが彼ら妙な納得感ありません?
これはこれでアリだなって

一方アニメ先生はというとルックスだけ言えば最大公約数、つまりより多くのユーザーに受け入れられるデザインかと思います
DoReMi先生 is God.

ですが先程述べた“いざという時は頼りになる”点が現時点では戦闘指揮とセリカ発見ぐらい(描写の仕方はノーコメント)
これがアニメ先生のコレジャナイ感を生んでいるのだと思います

なぜかと言うと原作先生の「普段はアレだけど頼れる大人」像は生徒とのコミュニケーション“だけ”でも描けているからです
コミュニケーションの緩急だけでその二面性を描けている

アニメ先生は現時点では「コミュニケーションは下手だけど戦闘指揮やサポートは頼れる大人」でしかない
口を開けば頼りにならない言葉ばかり、でも戦闘では役に立つ、そんな感じ
“頼れる”面をコミュニケーション以外で補ってしまっている

原作のおバカちゃんなオート戦闘をプレイヤーの指揮によって勝利に導くゲーム体験、の部分をアニメで描く必要はあったのでしょう
ですがシナリオ上で先生が信用信頼されているのは指揮の上手さからではないはずです

なので問題のシーンに限らず回が進むごとに違和感が増しています
4話の銀行強盗のシーン、原作でははっきり明言しています

いざとなったら頼りになるってこういうことじゃない?
ってのは語弊があるとしても自信満々にウキウキでやっているのが伝わってきませんか?
この時点でキヴォトスに馴染んじゃってますよね原作先生

こういういざとなったら腹をくくって生徒の背中を押すっていう先生像、アニメ1話や2話では見られた気もします
1話の玄関口からみんなに問いかけるシーン、2話のセリカの行方を突き止めるシーン

それが4話5話にはありませんでした
4話のセリカを静止するシーンの声色は先生らしさが出てましたが、実際に諭したのはおじさんなのでノーカン
段々と原作先生に近づくどころか離れていってしまっている印象すらあります

話の展開として先生の出番が少なく描きづらいのはあるかもしれません
そこらへんは擁護点として後ほど語りますが、だからこそアニオリに期待するところでもありました

そして1話ではそれがよく出来ていた
頼りなさを見せつつ、穏やかにシロコの話を汲み取り、急に当たり前のことを聞いてきて、かと思えば自信満々に協力してくれる
原作先生らしい二面性が描けていたと思えます

あぁこういうアニオリを勇敢にもやってくれるのであれば安泰だ、そう思っていた時期もありました

原作も初期はキモセクハラしてたけど今は控えめ、みたいな先生の変化は語られるところではあります
けれど先生の核の部分、誰のために何のために在るのか、その姿勢はむしろ対策委員会編の時から変わっていないと読み直すたびに思います
初見時はともかく他のシナリオを通った後に読み返すとアビドスも面白いな…!になるのはその一貫したブルアカとの向き合い方をユーザー側が掴んでいるからだと思っています
「ブルアカが変わったんじゃない、俺たちが変わってしまったんだ」的な

そういった“ブルアカの先生らしさ”がアニメ先生からはまだ見出だせない状態での軽薄な発言に視聴先生たちの不満が爆発したところもあるかと思います

ってことでまとめると問題のシーンが特に顕著ではあったが、『先生らしさ』を描ききれていない違和感が積もり積もっての爆発だったように思えます


アニメ先生に対する擁護

ずいぶんと批判させてもらいスッキリしたので、ここからはアニメとゲームの媒体の違いにも触れつつ現状の擁護をしていきます

①アニメ先生と原作先生は別人でいい

はい
前の項をすべてちゃぶ台返しするようですが、そもそもアニメ先生とゲーム先生とが同じである必要はありません

ゲームの開発陣は「ユーザー1人ひとりの分身として感情移入して楽しんでほしい」と発言しており、ゲーム先生自体がユーザーの数だけ存在することを推奨しています
前述のコミカライズ先生たちもアニメ先生も無限の可能性の1つでしかない、というのも作り手から度々発信されています

ただこういった内容は韓国語でのインタビューであったり、生放送内でのメッセージであったり、全ユーザーに届いているかは定かではありません
また作り手の願望通りに作品を受容する義務もないと思います

〇〇が至高!それ以外は解釈違い!とするのも、公式が正義!全部受け入れる!とするのも個人の自由です
意見の違う他者へ攻撃的にさえならなければ

私としてはなかなか感情移入しづらいというか、先生の“私とは違うところ”が大好きなので独立したキャラクターとして見てしまいがちです
また原作先生が好きだからこそ、別の先生が出てくるたびに「どうか!どうか解釈一致であってくれ……」と祈るような気持ちで楽しんでいます

と言いつつも、便利屋先生もゲーム開発部先生もすんなり受け入れられたので案外許容範囲は広いのかもしれません
(本音をいうと両コミカライズ先生の原作理解度と表現力が一介のオタクを優に超えているだけだと思います)

自分の中で大事なのは見た目よりも生徒とどう接する『大人』として描かれているか、です
最終編を通して別世界線の先生も「同じ状況で同じ選択」ができる先生なのだと感動しました
なので基準はそこ

過程や結果、性別や容姿が違っても先生の『大人』としての軸に共通点を見出したいんです

じゃあアニメ先生はどうなのかというと、現時点ではわかりません
1話で分かった気になっていたけど今は分かりません
今後の描き方次第でどうとでもなる、けどそれに期待していいのか不安です

アニメ先生と原作先生を別人として捉える、先生としての信用を一旦リセットしてフラットに見る、それもアリでしょう

まぁそうすると現状文句しか出てこないんですよね
アニメ先生も原作先生と一貫した信念を持っている前提ならいくらでも擁護しますけど、それが証明できないなら何者でもない頼りない大人でしかない

ついでに言うと「アニメ先生は解釈違い=プレナパテス先生のBADENDルート」という意見にも大反対です
あいつも同じ選択をする『先生』だっただろうが……!失敗の代名詞に使うのは許せん……!のお気持ち

ただ別枠として考えるのもそれはそれでワクワクします
いちから『先生』としての信頼を勝ち取っていく物語を見せてください、期待していますよ先生……クックックッ……ってゲマトリア仕草ならイケるイケる
はたしてアニメ先生は楽園を証明してセイアを赤面させられるのか見ものですねクックックッ…………

②アニメとゲームの媒体の違い

続いて擁護というか同情する点

ゲーム内のメインストーリーはテキスト以外は背景立ち絵SE程度で情報が少なく、それをアニメーションに起こすのが単純にハードルが高いというのが1つ
全てを再構成するのが難しいせいかブルアカアニメでもぼっ立ち会話が目につきます
細かく動かしてくれてはいるんですが……

それと公に出す以上過激な表現は当然避けがちということも1つ
ノンデリセクハラ先生をカットするのもそうですし、アルやハルカの爆破に対しても丁寧にフォローを入れています
先生が銀行強盗に乗り気でなかったのもこういう配慮だった気がします(普通の大人は銀行を襲わないので)

ブルアカのキャラクターの妙はギャップだと思ってる人間なのであまり説明が多いと魅力半減な気もしていますが、原作そのままだとハルカがただただよく分からないヘイトタンクになってしまうから致し方ないんでしょうね……
あの第一印象から絆ストーリー読んでの衝撃がいいんですがね……それをアニメで描くのは難しいね

そして何より大きく違うのは「先生=プレイヤー」の構図が使えないこと

原作ゲームの序盤はプレイヤーが自己と先生とを重ね合わせて話を読み進められます
この段階ではむしろ無個性であることが没入感を高めています(ノンデリ先生が無個性……?)
先生の1人称視点なので先生が何を考えていて何を思っているのかを描写する必要性が薄い
薄くても違和感を感じづらいのだと思います

だからこそ対策委員会2章の中盤以降、黒服との対峙や各校への協力要請など、先生がプレイヤーの手を離れて活躍する展開に意外性があり熱くもなれるのだと思います

けれどアニメではそうもいかない
アニメ先生も他の生徒と同じ1キャラクターとして独立してしまっている
視聴者の分身として感情移入することが難しい

私は1話時点でアビドスの話から始めたことを評価していました
というのもいきなりチュートリアルの話から始まってしまうと上記の感情移入の難しさは変わらず「結局誰?」「結局何の話?」となってしまうだろうと考えていたからです
1話のキャラが2話以降ほぼ出てこないことにもなりますし
これはアビドスを救うためのお話です、とぶち上げてしまった方がアニメの方向性を伝えやすい
それに加えてアビドス目線にすることで、先生が「よく分からない頼りない大人」という独立したキャラクターとして違和感なく描けるとも思っていました

先生についてあえて説明することを諦め、1キャラクターとしてその魅力を描いていく、そう思っていた時期が(以下略)

③描きたいアニメ先生像

①②を踏まえてじゃあアニメ先生をどう描きたいのか考えると「まだ『先生』として未熟な先生とその成長」というのが自然な気がします

原作先生とは違い、生徒とのコミュニケーションもキヴォトスの倫理観も『先生』としてのスタンスも固まっておらず未熟な先生
だから失敗することもあるし問題のシーンはその未熟さを描きたかった
この後のいろんな展開を経てアニメ先生が『先生』になっていく、そんなお話

その流れの方がアニメから入ってくる視聴者にとって、何も知らない先生が感情移入できる分身となりえる
成長を描くのであれば前半は溜め回で後半ぐぐぐっと伸びていく可能性もあるので、現時点で評価するのは適切ではありません
問題のシーンも先生の「未熟さ」として描いていると受け取れますし、ノノミの刺さってなさからもそういった意図を汲み取れはします

ですがそう捉えるとその「未熟さ」の描き方について不満点が2つあります

まず特に明かされないアロナと戦闘指揮の謎
先生は初登場時から指揮を取り、それで戦闘が有利に進むという描写があります
まるで熟練の指揮官のように
その描写のクオリティはともかくなぜそんな指揮ができるのか、より銃撃戦に精通しているであろう少女たちよりも上手なのはなぜ?
そこへの説明が全くありません

個人的に初見バイバイと思っているアークナイツアニメでさえ、ドクターの記憶喪失前は優秀な指揮官であったことを匂わせていました
明確に理由を挙げなくてもそういう匂わせがあるだけで納得感が違うんですが……
諸葛孔明ならライブハウスの動線を操るのなんて簡単、とかね

放映前に自分が期待していたのは戦闘指揮にアロナの存在を巧みに織り込むことです
例えばアロナサポートのお陰で戦況を俯瞰できたり、ゲーム内でスキルの射程が見えるようにそれぞれの射程や動きを完全に把握した指示を出せたり、みたいな

原作でもなぜ先生の指揮が上手いかはテキストで語られておらず、SD戦闘での体験によって言外に伝えている形です
それをアニメでどう説明するのか期待していましたが……思いつく策も特別感ないし……

もう一つはチュートリアルをカットしたこと
先程は好判断として取り上げましたが、未熟な先生を描くならむしろチュートリアルはちゃんとやるべきだったと思います
リンやユウカの説明に置いてけぼりの先生を描くことで視聴者と同じ立場のキャラクターとして伝えるべきだった
俗に言う「転生モノ」の世界観説明パートみたいな

これらを省いたせいで誰に感情移入されるわけでもない、問題に対して矢面に立つわけでもない、当たり障りのないことしか言わない、何考えているかわからない大人が構築されてきている
ソシャゲにありがちな「無個性主人公」になりつつある
それはアニメ初見勢にとってもブルアカ既プレイ勢にとっても魅力のないキャラクターではないか

やばい、擁護パートのはずが次から次に文句が止まらない

話を戻しまして
原作とは違った、アニメという媒体に合わせた先生が描きたかったという擁護はできます
そして現状どれだけ不満があろうとその是非は1クール放映が終わってから最終的に判断すべきです
なので私も今後次第で手のひらを返す準備はしておきたいと思います

個人を攻撃する意図は無いので濁しますが、5話放映後の関係者の投稿に頭を抱えたことだけははっきりと真実を伝えたかった……


今後のアニメ先生について

色々と述べた上で今後のアニメ先生について期待することを語っていきます

まずは先程書いた先生の成長物語にするのであれば、しっかり打ちのめされてそれでも立ち上がる王道主人公のように描いていただきたい

それを『先生』と思えるかどうかは怪しいですが今までの描写と整合性を取るならそっち
ぜひともアニメ先生ならではの魅力を描いて「これはこれでアリだな」と思わせてほしいです

一方で今までのことは忘れて原作先生と同じ路線で描いていくのもアリ
都合悪いシーンは黒歴史ってことで闇に葬ります
既プレイ勢としてはむしろこっちの方が望ましいかも

だってよ……おれはずっと妄想してたんだ

しれっと便利屋の引っ越しに立ち会うフラットな先生を、夜の校舎でざわついた心のまま声を掛けることしかできない先生を、毅然と黒服に立ち向かう先生を、大人としての威厳を捨てて生徒のために頭を下げる先生を、ダサくてキモくてカッコいい先生を…………

アニメ化に期待していたのはやっぱり原作先生のアニメ化なんですよね……
私がそうなのであってみなさんもそうであるべきとは思いませんがそれでも私は……

「-ive aLIVE!」をアニメ先生のルックスと声で再生するの超超超最高だったんですよ!!
まじであの見た目と声で最高の先生が描けるはずなんですよ!!!

頼みます……こんな素人の憂慮をはねのけるような素晴らしい物語を見せてください……


アニメ全体への感想

先生だけでこれだけ語ってしまいましたが、アニメ全体への感想も軽く書いておきます

まずキャラが動いて喋ってるだけでいい!まずはそこ!
みんな表情豊かで細かく動いて、日常パートは作画いいなと感じるほどです

特にセリカ、ああいう喜怒哀楽の出やすい子ほど声と動きで魅力が何倍にもなりますよね
3Dのイズナと同じタイプ

同じくハルカ、間違いなく製作陣にハルカ推しが居ますわ気合入ってる
っていう冗談はさておき、5話の爆破を見据えてハルカはかわいいよ〜アルちゃん第一で動く子だよ〜って説明したい意図もあった気がします

なんなら5話の爆破でプチ炎上とかするかなと思いましたがそんなこともなくもう既プレイ以外あんまり見てないのかも

アルちゃんについてもアニメでは序盤からunwelcome多用で説明過多な気がします
アニメという媒体で憎まれない悪者を描く難しさもあるでしょうし、むしろポンコツを打ち出すことで終盤のカッコよさが映えるかもしれませんし今後に期待ですね

それとホシノやシロコ、ノノミの意味ありげな表情も先の展開を知っていると味わい深いものが多く、こだわって描いてくれてるな〜と感じます

ホシノはまだ先生がどんな大人なのか警戒し見極めようとしている、そんななかノコノコ戦場に出てきた先生に「何言ってんだこいつ…」とでも心の声が聞こえてきそうな顔
今までとは違う大人に出会った顔とも読み取れて味わい深いです

日常パートで付け加えるとアニオリが例のアレ以外ちゃんとしてます
たとえばセリカを追いかけるストーカー先生をセリカ目線で描くことでつけ回すような印象がなくなったり(先生がそれで落ち込んでるのも不快感を下げるのを助けていました)、セリカ追跡をみんなで協力してたり、覆面水着団がキラキラ見えてるアルちゃんとか
細かなアニオリのほとんどが好印象です
今後も期待しています

擁護のしようがないのが戦闘描写
先生をなんとか活躍させようとするのもそうだし、引きの画で臨場感がないのもそうだし
一方で肉弾戦でのガンカタはいい動きしてます
シロコの蹴りとかね
ああいうの主体なら見れるものになりそうとは思いつつ、そもそもブルアカの戦闘はおまけなので上手く描けないなら尺割かないでくれ〜が本音
今後も不安ですね……

不安でいうと「劇伴」、劇中伴奏も悪い意味で印象に残りません
良いねって思ったのハミングConstant Moderatoぐらい
これも媒体の違いがあるので仕方ないのですが、原作ゲームの音楽が非常に印象的で感動的なせいもあり比べて劣って見えてしまいます

夜の校舎でのホシノとの会話シーン、ゲームではAiraとKIRISAMEとMidnight Trip、ブルアカを代表するエモ曲たちが最高の雰囲気を作ってくれていました
それをアニメの劇伴が越えられるのか……
エンドロールで果たしてあの曲は流れるのか……

原作の魅力の再発見で終わってもそれはそれでいいんですがね

最後に大正義OPとED!!!
もうこれが世に生まれただけでアニメ化の甲斐があったと言えるほどの素晴らしさです
アビドスの日常と若干の憂いと吹き飛ばすような青春の風
最高です
製作してくださった神々に感謝してもしきれません
ありがとうございます



ってことで色々好き勝手言いましたが今後もブルアカアニメはリアタイ視聴するし期待もしてます
ここで述べたように何もかもが悪い作品とは思っていません
ですが新規か既プレイか、誰に向けたどんな作品にするかがブレているようにも感じます

ぜひともこれから素晴らしい物語を描いて手のひら返させてください
面白いならなんでも正義なので