Vol.6 オラトリオ編 第1章 感想
急に来たアリウスのメインストーリー、実質エデン条約の続編
「過ぎ去りし刻のオラトリオ」編、その第1章を読んだのでその感想と今後への期待を書いていきます

考察はありません、ただただオタクの鳴き声だけです
メインストーリーのネタバレとなるのでご了承ください
トリニティの日常
最初はトリニティ生徒たちとの久々の交流から始まりました
1シーンだけでしたが全員登場って感じで嬉しかったですね
その中で気になったシーンだけ抜粋

まず、ハナコによるトリニティ総合試験の説明シーン
この問いが生じるということは『試験の作問者=受験する生徒』ってことになりますよね
授業が映像頼りな描写は度々ありましたが、キヴォトスの教育機関としての仕組みガバガバすぎる

同じくハナコのあまずっぺぇ語り
伏字のような淫乱だけじゃなく、こんなときめく青春も引き出しに持ってるハナコ好きすぎる
お前は小説を書け

ミネ団長の気高い”救護”精神
俺ってば真っすぐな善人が一番好きでよぉ、団長のこのひたむきさに心打たれるんだってばよ
1章の締めに登場しましたが、単なるトラブルメーカーで終わらなければいいな

俺ってば先生がモブ生徒にも”先生”してるシーンが一番好きでよぉ
この1シーンのおかげですべての生徒を同じように大切に思ってるんだなって暖かくなるとともに、身体がいくつあっても足りねぇって心配になるってばよ
オラトリオ編全体でモブ生徒の出番が多く、彼女たちを背負おうとするリーダーの覚悟と葛藤が描かれていて素晴らしいですな
アリウスからの編入生
先生に深刻そうに相談してくれた2人、実はアリウスからの編入生でした

他学校モブにも幼い子たちはいますが、アリウスとなると、より悲壮に映ってしまいます
これも無遠慮で無責任な同情なのでしょうが

騒動の後、ティーパーティーの生徒から声をかけられ編入することができたとのこと
この生徒が誰なのかとかは深く考えていません、単にナギちゃんの指示で動いた生徒なのかなって
悪だくみしている奴が居たとして、単独行動でどうにかできるものでもないでしょうし
また、提案としてもごく自然で「田舎からの編入生」という扱いでのお誘いでした
エデン条約後のアリウス生徒の処遇について自分がずっと考えていたのはまさにここでした
加害者であり被害者であるアリウス生徒たち
彼女たちにも衣食住揃った快適な環境を提供してあげたいが、それには当然受け入れる側の心情も考慮しなければいけない
トリニティですべて引き受けるのも、シャーレで面倒を見るにしても、どこかで軋轢が生まれ決定的な溝となりかねない
理想をかなえるにしても、変化は段階的でなければ必ず反発を生みます
ではそんな生徒たちに先生がしてやれることがあったかというと、ほとんど無かったのだろうと思います
これまでの先生は、満足に教育をうけられていない生徒という括りで考えると、SRT復活を強引に進めることもしなければ、街にたむろする不良生徒たちを積極的に復学させるようなこともしていません
「古書館」や「喰積」で不良生徒の更生を引き受けてくれたのは生徒たちや地元の人です
これが先生の意思なのか、権限や能力の限界なのかは分かりません
本当はどうしてやりたいのか、なんて先生本人に聞かないと分かりませんが、現実的にはできていません
少し先でナギサが以下のように語っています

この言葉を借りると、シャーレとして主張、実行、実現することには大きな隔たりがあります。
ですので、アリウスの生徒たちにも先生がしてやれることは少なかったと思います
けれど、そういった理屈は抜きに、何とかしてやりたいが何もしてやれない、そんな無念に苛まれるのも先生なのかなと思います
先生は2人に謝罪し、あまりの健気さに頭をなでようとするも一歩引かれてしまう
撫でる是非はともかく(その後本人たちが受け入れているので)、虐待された小動物を見るようで居た堪れない気持ちでした

トリニティで幸せに暮らす2人にも、よくしてくれる周囲に噓をつく後ろめたさ、悪夢にうなされるようなストレスがかかっていたかと思うと…………
ベアおば以外誰も悪くないとはいえ、本当にねぇ…………だから精神的な傷は嫌いです
金でも時間でも解決しない、上書きできるような幸せの中で一生抱えて生きていくしかないんだ
そんな2人からの相談は、試験をアリウスに残る生徒たちにも受けてもらいたいというもの
これもある種『生徒』となる第一歩と言えるかもしれません、教育を受ける権利として
そんなこんなで、先生はアリウススクワッドへ相談することに
アリウススクワッドとナギサ
サオリも含めたアリウススクワッドと面と向かって相談する先生
スクワッドから出てきた疑問は至極真っ当で普遍的なもの
『試験とは、勉強とは何のためにするものなのか』
10代の少年少女が抱く普遍的な悩み、にもかかわらず納得のいく答えを持っている大人は少ないはず
誰もがどこか騙し騙し生きてきた部分かと思います
立派な回答なら様々ありますが、結局は自分自身が納得するしかありませんから
そんな問いに対する先生の答えが、自分の大好きなものでした

勉強に限らず、先生が”先生”として生徒たちと接する根底にはこの思想があるのだと思います
この世界で自分らしく生きていく力を身に着けてほしい、って
それを受けたサオリやミサキの返答があまりにも賢くて涙が出ます
ナツやノアにも感じるところとして、内省や自問自答を重ねる人は新しい価値観に出会った時も、それを咀嚼して自分のものとするスピードが抜群に早い
ミサキは生来そんな性格であったでしょうし、サオリも自分探しの過程で繰り返してきたのかと思います
生徒の成長を感じる瞬間が一番うれしいんだから
そして、そんな性格の代表例が我らがナギちゃんです
エデン条約以前からどれだけ…………どれだけの内省を繰り返してきたのでしょうね、彼女は
あまりに居た堪れなく、あまりに愛おしい
今回の席を用意したのは彼女であり、一言一言丁寧すぎるほどに気を遣って、トリニティとアリウスの歴史に真っ向から対峙するようでした

本音を引き出そうとするミサキやアツコの煽りも受け止めながら返していく
様々な状況を想定して準備してきたのだろうと思います
本音と建前とを、どちらも誠実に話せるまでに

すべての言葉にナギサの思慮深さを感じて感心するとともに、その誠実さを汲み取ってくれるアツコが大好き
先生という理解者を通じてアツコも試すことをやめ、信じてくれました
いや~~~~~まじでこのやり取り好きすぎる、”先生”の精神が生徒たちに伝わっていて感激です
大きな組織や集団としての和解は難しいままですが、一番の被害者と加害者が個人としてはしっかり和解することができました
これさえできれば何とでもなる、がブルアカの不文律ですな
話し合いはアリウススクワッドの協力のもと、先生がアリウスで試験&授業をおこなうことに落ち着き

悪態をつきながらも納得してくれたようでなにより
これもまた、考えすぎるミサキが外の世界と付き合っていく上で必要な能力でしょう
有事や悪意に晒された際にはこの疑り深さも大切なんですがね、バランスですね
アリウスでの授業
現在アリウスを取りまとめているのは梯(かけはし)スバルという生徒
話はできるがどこかズレている(サオリ評)らしいのだが…………

これ、サオリがズレてるのでは…………?
スクワッドのズレをアリウス仕草だと思っていたのですが、スクワッドがただただ異常だっただけかも…………
まぁスバルの方も失言を引き出そうと誘導する話し口で、素直な生徒ではなさそうです
スバルの懐疑的な目線は先生にも向きますが、先生はこう返します

はぁ~~~~ほんとうにだいすき!!!!!
ワイの先生大好きポイントはこの夢想家である、いや、夢想家であろうとしているところなんですよね~~~
まじでこれを言及してくれたの公式が分かりすぎてて肩組んで酒飲めます
くぅ~~~たまりません!!!
先生と面識のある生徒たちは「また言ってらぁ」って思いつつ協力してくれるんでしょうが、初対面のアリウス生徒は当然反発
力がモノを言う構造なのはアリウスだからこそ説得力がありますね

水着イベでも見せた手が出るの早いアツコすき
スクワッドが凹して予定通り授業をしていくことに
ここで先生の策略が炸裂!
先生だけでなく、アリウススクワッドの面々がそれぞれの得意な分野で授業をすることに
アリウス生徒たちの抵抗感をなくしつつ、自身の将来を想像する存在としてこれ以上の適任はいません
いやーこういうのがいいんだよなこういうのが
サオリが「社会契約論」を、ミサキが物理、アツコが生物、ヒヨリが現代社会を教えてくれました
ミサキやアツコの直球で実践的な指導も素晴らしいし、サオリやヒヨリが自身の経験をかみ砕いて興味を引くように伝えられているのがあまりに最高


全員に対してずっとこの気持ち
楽しい科目が人気だったり、真面目な子も不真面目な子もいて、紛れもなく学生らしい空間でした
このままの幸せがずっと続けばいいのに…………そうはいかないんでしょうな…………
サオリと傷痕
その晩、サオリが先生のもとに訪ねてきて今日を振り返る
ここでもまた”先生”節炸裂で気持ちいんですわ

一枚目の、教える過程で自身の学び直しになるというのはよく言われるところ
それだけでなく、生徒との触れ合いを通して「自分の持ち得ないものを学ばせてもらっている」
先生が本心からそう思える大人であることを誇らしく思います
本当にそうなんだよな…………教育者は一方的に知識を伝えるだけじゃなく、相互のコミュニケーションで新たに気づかせてもらえることがたくさんある
それに自覚的であることが教育者として重要な資質であると考えているので、オラトリオ先生の姿勢が一から十まで大好きすぎる
そんな教育論を語りつつ、話題は先刻逸らしたサオリの”罪”に移っていく
先生の傷痕を見て泣き崩れるサオリ
そう思ってくれること、その姿を先生に見せてくれることがサオリの成長でしかなくありがたい
今のサオリに先生がかける言葉は

良い…………復唱させるも感極まって言葉が続かないの良すぎ………………………………
「月華夢騒」のキサキに次ぐ、ノベルゲーの夜会話堪能させていただきました…………
オラトリオ編はアリウス生徒たちの再出発の話であり、アリウススクワッドの清算の話でもあるんですね
同時刻、場面は変わってスバルとマイア
先生の綺麗事とは対照的に、現実はどこまでも汚れている

日陰で生きている彼女たちだからこそ、それをより強く経験してきているはずです
アリウス生徒たちのことを想うスバルの気持ちが本物であるからこそ、先生の理想を受け入れがたいのでしょう
外の世界を、今を、未来を、彼女たち自身を”信じさせる”ことができるのか
先生の手腕が試されますな、期待しています
色んな希望が抱けた夜も幸せには終わってくれず、一抹の不穏を残していきます

サオリが遭遇した彼女、ラッパとはなんなのか
その後サオリの台詞がほとんどないことも含めて色々と推測、考察できますが続編も近いですし割愛します
他の方が各所で考察されているので興味ある方は検索してみてください
校外学習
平和に進むアリウスでの授業
先生は何かを感じ取ったのか、はたまた自分が退屈になったせいなのか、「校外学習」を提案します

先生に間違われるスバル好き
授業の甲斐あってか、外の世界を好意的に見ることができている生徒が多そうです
無知ゆえに疎外感を覚えていたのも要因でしょうから
挟まれるアリウス生徒の健気さに胸を締め付けられつつ、少し手の空いた時間で先生とスバルは初めて1対1で会話します

先生を困らせるためなのか、スバル自身のことなのか、はたまた…………
掴みどころのないスバルに翻弄されながらも先生は持論を述べます

アビドス3章でのユメ先輩とのやり取りが想起されます
聞き手にバトンを渡してくるのがずるいですよね
ハナコとかもやってくるアレです
いやぁ、この問題は難しい…………
自分より不幸な人間がいるとしても、それが自分の生きる理由にはなりませんし
生きる理由よりも4にたい理由の方が簡単に見つかりますし
先生の思想としてはやはり、互いに助け合って生きていこうなんでしょうね
自分のためにも、他人の生きる理由になろうって
ブルアカ全体がそういうお話なのも納得です
それらを聞いて若干絆されるスバルですが、マイアの騒動によって”現実”に引き戻されます
木の上の子猫を助けるのに、発砲による恐怖で解決しようとするシーン
それ自体はまぁ…………さすがのキヴォトスでも非常識なんだなと思いつつ、周囲の市民たちの反応が印象的でした

そこにつっこむんだ?!?!!
ヘイローしかり銃火器しかり、世界の常識でそういうものって認識なのかと思いきや、キヴォトス市民から見ても歪なんかい!!
いや~ブルアカくん、まだまだ新鮮に驚かせてくれますね
明かされないものが多いことには納得していますが、それはそれとして明かしてくれるなら喜びますよオタクとして
「私まで短い夢を見てしまうところでした。」
一連の騒動でスバルがまた諦観モードに入ってしまったのが残念です
お互いの無理解が引き起こしただけで、教育と時間が解決する問題だとは思いますが、その過程で傷つくことは間違いありません…………
教育を飛び越えて、移民であるとか孤児であるとか様々な難題の要素が複雑に絡み合っています
本当にこれに解を出せるのかいブルアカ君…………そう不安になるぐらいの障害が立ちふさがっています
その後、カフェでゆっくりする面々にまさかの遭遇

いやー嬉しいね!!!スズミとレイサに出番があるのはね!!!!!
序盤の出番だけで嬉しかったのですが、トリニティの善人代表として登場してくれました
レイサのハイテンションでアリウス生徒たちとも打ち解けてくれましたが、スバルを含む一部には距離を置かれたまま
スバルが完全に懐疑&諦観モードに入っていてスズミの素晴らしい理念も受け取ってくれません

完全に被害者マインドというか……生まれが違うからですべてを片付けてしまう暴論に憑りつかれています
その冷笑は自分の身をも喰らうぞ…………スバルの今後が心配でなりません

もしかしたら、エデン条約編でのミカのような存在なのかもしれません
周囲の感情を汲み取りすぎて、期待に応えすぎて、いつのまにか自分が憎悪の先頭で旗を振っているような
それとも、途中でマイアに話していた『あの日』に憎悪の原因があるのでしょうか…………
アリウスに帰ってきてからまた大変なことになっていくようですが、それはまた次のお話
まとめ
エデン条約の騒動以降、指名手配でありながらもそれぞれの生き方を模索するアリウススクワッド
ベアトリーチェの支配から逃れた、取り残されたアリウスの生徒たち
彼女たちに再びスポットライトを当てる日は来ない、と私は半ば諦めていました
ブルアカの中でも特に力の入ったメインストーリーで既に描かれ、他にも様々な学校や生徒たちが出番を控えている
アリウスの抱える問題自体が非常に複雑で難解であることも相まって、扱おうにも落としどころを見つけるのすら難しい
やらない理由はいくらでも思いつきますが、それでもいつか見てみたいお話ではありました
妄想するしかなかった難題に、しかもその道の過酷さを自覚したうえで公式がチャレンジしてくれました
ついでに自分の”先生”大好きポイントがこれでもかと披露されていて感無量です
作者と通じ合えること以上に嬉しいことはないし、ブルアカのことまた好きになっちゃうよ俺…………の気持ち
近々続編も来るそうなので、期待大で待ちたいと思います

…………ほんとにハッピーエンドになるんですか?これで…………?
それでも俺は、”先生”を信じたいよ……信じさせてくれよ…………