「月華夢騒」感想と今後への期待




2024/08/21より公開されたイベントストーリー「月華夢騒」

面白かったのでいつも通り感想を書いていきます
「月華夢騒」並びにレッドウィンターや山海経の様々なネタバレを含んでいます
ご了承ください





イベント告知

突如として予告された新イベント「月華夢騒」
5thPVに影も形もないのが急に出てきましたから

さらに登場するメンツもまた意味深で
イベントスチルも実装キャラもレッドウィンターのチーパオ衣装で、そっちが主役のギャグイベントだと初見は思いました
マコトが赤冬を訪れるミニストーリーみたいに

けれどPVに出てくる山海経のメンツが重役も重役
学園交流会なら当然っちゃあ当然かもしれませんが(関係ない部活に投げたシナリオ最近見た気がする……)

PVの気になるポイントと言えばまずこの人

だ、誰ぇーーー???このハイパー美人なお姉さん??!

キサキやミナと肩を並べているので玄龍門?
狐の面を着けた姿も出てきて演劇関係?、中国には「変面」という伝統芸能もありますし
大穴として覆面水着団的な“世を忍ぶ仮の姿”路線も考えました
結局はどれでもない「京劇」部でしたが

実は京劇部の名前は「龍武同舟」で登場していたんですね
回収されるとは思ってもいませんでしたが

とにかくまたまた超〜〜〜〜魅力的なキャラが出てきました

加えてコイツですよ

ついに動くか、申谷カイ……ッ!
「龍武同舟」以降音沙汰がありませんでしたがついに…
自分の中で巨悪であってほしい生徒、コクリコと同率1位
ニヤニヤ教授は可愛すぎるので選外です
彼女が関わってただのほっこりギャグイベントで終わるはずがありません

ただまぁブルアカの悪役、特に生徒だとギャグ堕ちしたり可愛い一面を見せてきたりでバランスを取ることが多いのでどうなることやら

個人的には七囚人と銘打つからには「純粋な悪」を見てみたくはあります
一方で過去イベストに登場してきた大人のような、胸糞悪い三流悪党に成り下がって欲しくもない、「悪事を愉しむ」なんてしょうもない味付けは御免です

またイベントロゴの意味深な青い蝶

明らかにキサキのモチーフです
満月のヒゲはまぁギャグだからいいとして……しっかりキサキも話に関わってきそうです

最後にイベントのテーマソング大好き
なんかイントロがスパロボで聴くようなちょっと古めのアニソンっぽいんですよね
んでもって赤冬の軍歌っぽさと中国伝統楽器の音色も混ざり合って印象的な曲になっています
その混ざり合ってる感がカグヤの目線だとNTRみたいでね……興奮するよね…………

先日のブルらじ#23にてタイトル「Scarlet Chrysanthemum」作曲「Aireui」さんと発表されました
和訳すると「赤い菊」花言葉は「愛情」とかなんとか
菊は日本でも縁起の良い花ですが、原産の中国でも梅、蘭、竹と並んで「四君子」と呼ばれ好まれているそうです
赤は政治的モチーフからくるものなのか、先ほどの花言葉が関係あるのか
おしゃれかつわくわくかつ力強くかつ物寂しい一曲です
作曲家の方のお名前は存じ上げないのですが、今後もブルアカの幅を広げる名曲を提供していただけたらありがたいです


ってな感じでレッドウィンターと山海経という取り合わせも相まって、鬼が出るか蛇が出るかワクワクで更新を待ちました





ストーリー回想

前回(龍武同舟)のあらすじ

イベントは前回の山海経イベント「龍武同舟」のあらすじから始まりました

この時点で色々察せられるところではあります

レッドウィンターや山海経の他イベントではなく「龍武同舟」の続きであるということ
あらすじが必要ということは「龍武同舟」で残った謎が回収されるかもしれません

「龍武同舟」の中で自分が気になった点としては
申谷カイの思惑

騒動で密輸が発覚した「萬年参」についてサヤが穏やかではない発言をしていますし、カイが「すでに新薬の実験は終えた」なんて言っちゃってますし

つづいて
②玄龍門という組織

「龍武同舟」では山海経の伝統や門主様への愛執が過ぎて暴走するシーンが度々ありました
そしてキサキ自身が、門主の立場と個人の考えとで苦悩しているのを吐露するシーン

この段階ではキサキがあまりに人間として出来すぎていて上手く折り合いつけてやっていくんだろうな、たまには先生を頼っておくれよ、って気分でした
これだけ見ると空崎ヒナなんだけど、彼女と比べて竜華キサキは頼れる部下も圧倒的な武力も持ってるようには見えません
近衛ミナのことも長短理解して上手く御してるって感じで寄りかかれる参謀ではなさそうだし……
あまりに出来すぎているがゆえに心配です

キサキに頑張ってもらう前提でもまだ不安はあります
キサキが玄武商会の2人に嫌疑をかけたことを謝るシーン

傍から見ると当然も当然の対応なのですが食い下がるモブ
それだけ玄龍門の門主が頭を下げる、前言撤回する意味が重いのでしょう
この反応こそがキサキの吐露した玄龍門という組織の難しさ
だからこそ自分はここで「うわぁ……なーんかモブが『キサキ門主頼りないな』とか『大丈夫かよ』とか言って反乱の芽が出てきそう」と思っちゃいました

「龍武同舟」内ではそういった兆しはなく、騒動の顛末からしても「玄龍門はキサキちゃんファンクラブっぽいし気にしすぎか!ガハハ!!」って思い直したんですがね
まさかこのあと回収されるとはねぇ……

キサキ関連でもう一つ気になっていたのは
③ルミとの過去

ルミと一緒にやっていく未来もあったはずじゃが……

ルミの方も望んで玄武商会の会長をやってるわけではなさそうですし、キサキを気にかける台詞がたくさんありました

幼馴染だという2人が今の立場に落ち着くのに一体何があったのか
ブルアカ君は過去を匂わすだけ匂わして「後はご想像にお任せしますわグフフ」とかよ〜〜〜やりますからな!ほんま!!!
匂わすんなら回収せぇよ!!

まぁあまりに匂わせだけでも美味しすぎてもう
「ほな後はこっちで勝手に調理していただいときます、いつも供給ありがとうございますわ」
てな感じで慣れちゃった
だしこういう回収されるかわからない布石を置いておくのが物語を小出しで継続するうえで大事なんでしょうね、ソシャゲにしろ漫画や小説にしろ

その点、実装キャラと別に新キャラのお披露目を毎度してくるブルアカ君は油断ならない
こういう焦れったさもブルアカの妙ですわなぁ(実装待機列から目を背ける)

などなど色々気になるポイントのあった「龍武同舟」の続きであることが明言されたのでどういった展開になるのか「月華夢騒」への期待感がより高まっていきました





遠方からの手紙

ゲーム内の導入は場面が交互に切り替わりながら進みますが、赤冬と山海経とでまとめて書いていきます

ある日唐突にチェリノのもとに招待状が届く、しかもあの山海経の玄龍門から
チェリノはともかくトモエはある程度山海経についての知識はあるようです

レッドウィンター側からすると何らかの思惑を感じずにはいられないはずです
それこそ後ほど話題にあがるクーデターみたいな

ここらへんはレッドウィンターという学校と3人のキャラクター性の説明も兼ねている気がします
クーデターが日常茶飯事、成功しちゃっても取り返してなんやかんややっていってますよ、って雰囲気が伝わります

山海経もそうですがイベスト中心に語られる学校はプレイヤーごとに理解度が違いがちです
最終編のイベントの時のようにネタバレ警告を出すぐらいやっても良いんじゃとは思いますが、強制されるとやる気を無くすのが人間ですしお寿司

とにかくブルアカはその軽さこそが最大の魅力だとは思っているので、前提知識がなくても楽しめるって描写は大事にしてほしいですね

一方山海経では先生もお呼ばれしていました

歓迎はされていないみたいですね(ミヤコ)
その後キサキの個室にて

女の子の部屋で慣れない匂いがしてドギマギ!とか、錬丹術研究会が門主様どんな関係?!とか、そんな浮わついた空気でもなく、今回の交流会の経緯を聞かされることに

どうやら山海経の歴史の中でも他校を招待したのは初めての事のようで、先生の助けを借りたいとのこと

やはりあまりにもまともなキサキに感心してしまいます
「龍武同舟」の時もそうでしたがキサキに認めてもらう度に脳みそが痺れてとろけそうです

山海経の未来を憂うキサキの気持ちは伝わりますが、いくらなんでも最初の相手がレッドウィンターは……冒険しすぎじゃないかい!?
外患誘致になっても先生庇えないよ?の気分でした

キサキと先生は言葉少なに通じあえていますが、一般生徒とはこれよりももっと言葉を交わす機会が少ないでしょうから盲信も誤解も生むでしょう
キサキの狙いも想いも十全に伝わっているとは思えません(妄想ではなくしっかり描写されているのがまた怖い)
一度歯車が狂ってしまったらどうなってしまうのか、キサキの今後を憂いてしまうのでした





「玄龍門式」の歓迎

気づけば当日、「玄龍門式」の歓迎をするように伝え保険として先生にも頼るキサキの健気さよ
そんな心配もよそに一行をなぜか取調室に「案内」してしまう

……今回ってやっぱギャグイベ?
カルバノグ1章を思い出すようなシーンですが、当然キサキの意図したものではないようで

反応を見るにどうやらミナでも同じ発想のようでこりゃだめだ
今度は「お客様」として扱うように伝えますが

……やっぱり今回ギャグイベかも
というかこっからシリアスになる気がしません
やってることはギャグ通り越して戦争もんですが

マコトがレッドウィンターの常識に振り回されたように、チェリノ達が玄龍門に振り回されてるのは面白いっすね
ただクーデターで見慣れた姿なので、この程度でムキにならないのもまたレッドウィンターの底知れなさが伝わってきます


レッドウィンター一行は溜飲を下げつつ用意された衣装に着替えます

ここのトモエめっちゃ好き
外交的にはつけいる隙しかないなと思いながら見ていたので、こっから交渉となればキサキは頭が上がらなそう……
そんな話にならないことを願うばかりです

はぁあああああああああかわいいいいいぃぃぃぃぃいいいい!!!?!?!
こんな美少女ブルアカにいましたっけ……?
イベントスチルで見ていたはずなのに立ち絵が良すぎて思考停止してしまいました……
ヒゲが無ければ完璧なのに(粛清)

そんなヒゲを含めて、キサキは深読みに次ぐ深読みでチェリノのことを高く評価しています

当たり障りない社交辞令がここまでの経緯で含みをもった言葉になるのは面白くもあり、山海経がそういった“言葉の裏”を読む文化のある学校だと感じさせます
キサキの指示を深読みして暴走したモブたちもそう

ここらへん日本人は馴染み深い感覚だと思いますが諸外国はどうなんでしょう
英語にも“air quorts”(両手の指2本を曲げるジェスチャー)という皮肉を表現するものがあるし万国共通なのかな


話を戻しましてここからはキサキ直々に案内してくれるそうです
向かうのは山海経伝統芸能「京劇」の舞台とのこと





京劇の観覧

「京劇」は現実にも存在する中国の伝統芸能です
日本の歌舞伎、海外ならミュージカルでしょうか
ここでようやくPVの謎美人が登場です

自分は京劇を観たことがなく後ほどつべでいくつか動画を観た程度ですが、実際の京劇でも驚くほど綺麗な高音で歌い上げていました
舞台の空間で聴いたらよりその響きが感じられるのでしょうね
ブルアカのオーケストラ日本公演お待ちしております

情景をそのまま表すのではなく動きによって伝える、知ってる人には分かる婉曲的な表現というのはやはり歌舞伎や能を想起させます
初心者であるチェリノに説明しすぎても良くないと前置きしつつ簡潔丁寧に教えてくれるキサキ、尊敬できるオタクすぎる
自分が初めて歌舞伎を観劇したときも、イヤホンガイドのおかげで置いていかれず楽しめたことを思い出します

好き勝手にリアクションしながらも2校の文化交流、かつ後の伏線になってるのすき

自分はここでようやく項羽と虞美人のあのシーンか!となりました
調べると京劇の演目にも「覇王別姫」という名前で存在し、京劇を描いた有名映画のタイトルにもなっているそうで

日本人にも馴染み深い題材だったおかげか、会話劇としての翻訳が優れているからか、内容がスッと入ってきました
こういうチョイスも日本の読者としてはありがたいですね

劇に入り込んで感動できる、チェリノには観劇の才もあるようです
権力者に芸術への造詣があるのも妙にリアリティがあります
日頃から検閲してるからかな?(邪推)

観劇が終わってから役者を呼び出すのも権力者っぽい

建前だとしても側近が補足し下手にでる、こういう細かなところで伝わるトモエの恐ろしいほどの気の回りよう

ここで初めてお名前を知ることができました
漆原カグヤさん……ね、実装待ってます

劇での印象とは打って変わって、非常に社交的で快活なお姉さん
チェリノのやや不躾な質問にも嫌な顔せず答えてくれています
良い人なんやろなぁ〜……とは思いつつ

己の本当の姿が分からなくなる

「己の本当の姿」というテーマを幾度となく描いてきたブルーアーカイブでこのフレーズは不穏……
ブルアカくんの曇らせに対する信頼からだいぶ重たくなってきましたが、裏ではキサキとトモエの爽やかなやり取りが交わされていて

これ意外に重要な気がします
先生目線だとお飾りのチェリノを担いでるトモエの構図がしっくりきますが、外部からはそう見えていない
つまりトモエのプロパガンダが大成功しているわけで……恐ろしすぎます

言葉の持つ力をよく知っているトモエと言葉の持つ重みをよく知っているキサキ
言葉を巧みに操れるからこそ簡潔な内容ほど伝えるのが難しい
打算ではない純粋な誠意だからこそより丁寧な言葉を尽くさなければ伝えられない
賢者2人の奥ゆかしくももどかしい会話がたまりません

ただ段々と深読みを避けるための迂遠な表現が減っていっている気もします
「この人には心を開いて大丈夫」と打ち解けているようにも、それさえ人心掌握術の1つのようにも思えます

カグヤの言葉を借りますが、彼女たちのように立場があり言葉を操れる人間もまた本当の自分を見失ったり見つけてもらえなかったりするのかもしれません
もしかすると思いのままに話して動けるミナやマリナに救われている部分もあるかもしれません
人には人の悩みがありますからね……病む病む

その点で今回の交流会は意義のあるものだったかと思います
同じ組織や学園内に悩みを共有できる人がいなくても、外に目を向ければ似ている立場で同じような苦労をしている人間はいるものです
文化だけでなく人と人との交流が進んでいて素晴らしい交流会です

これもうえっちだろ
チーパオ衣装よりも脳汁出てるかもしれない

そんなこんなで次の場所に案内する時間になったのですが

チェリノの無邪気な権力者ムーブすこです
気に入った者を連れて一緒に回りたいって、しかもそれを当たり前かのように考えてるってなんかもう……可愛すぎます

カグヤは京劇部の方で忙しく、ついでにキサキも私用で同行できないとのこと
ほんなら先生の出番かということでチェリノと手を繋いで山海経を見て回るのでした(妄想です)


交流会は順調に進み新キャラとも打ち解け順調かと思いきや……

キサキの会話に聞き耳を立てていたカグヤは、今回の交流会に思うところがあるようで
カグヤの言う通り外の人間が山海経を知るだけではなく、山海経もまた外を知り変わっていく契機になりえます

「その道を歩む」、「人を酔わせ」言葉選びや演出が不穏なままカグヤの視点はフェードアウトします

……やっぱり今回ギャグイベじゃないかも…………





交流会は順調に……?

一行は玄武商会、梅花園、白虎公園と山海経の名物を巡っていきます
以下気になったシーンのみ

ルミが「会長」と呼ばれており、キサキと混同しないのかという質問に対する答え
内容はいたって普通ですが、三点リーダや罫線が使われており含みのあるような喋り方になっています
不穏な要素に繋がらなければ良いのですが……

梅花園の役割についてシュンが説明するシーンですが、「幼い生徒の訓育」や「転校」に触れられています
キヴォトスの時間の流れや卒業といった概念は対策委員会3章でも濁されていましたが、いつか描かれるのでしょうか
時間や環境などブルアカの世界観開示について、山海経のストーリーで触れそうで触れないという焦らされ方をよくされます、ぐぬぬ……

また転校というのもネームドキャラではフィーナぐらいしかいませんが、現代日本と同じく引っ越し感覚で転校できるのでしょうか?
閉鎖的な山海経からの転校となると色々事情を深読みしたくなるところではあります

ここすき
「いや、そのつもりはない。」
これをズバッと言えるマリナが偉すぎる、不穏な空気も一瞬で和やかなギャグの空間にしてしまう
ミナも同じくポンではありますが、マリナのような切れ味はないように感じます
ギャグもシリアスもできる女優ではありますが、空気を塗り替える強引さはない
そのあたりで玄龍門やキサキに危うく感じるのかもしれません、こいつらなら何があっても大丈夫とは思えなさ

似ているようで似てない2人のどこかズレたやりとりは見ていて微笑ましいです



そんなこんなで順調に進む交流会
けれどそれをよく思う生徒ばかりではない

そういや先生も部外者かとハッとしました
ルミにしてもシュンにしても先生歓迎!チュッチュしてくれるのでもう山海経の一員の顔をしちゃってました
楽しい交流会の合間にもしっかり挟んでくるあたり嫌な予感しかしません

それを当然彼女も感じ取っていた
日程を消化し落ち着いたタイミングで先生はトモエの山海経に対する印象を尋ねます

いやー流石ですねトモエ
悪感情を受け取るだけでなく、その脆さも見抜いてしまっている
常識や倫理は環境が創るものですから、内部にいては気づけない部分も多いのでしょう
だからこそ山海経に囚われず、山海経のための視点を持てているキサキがあまりにも特異


うおおおおおおおおおおお!!!
あっつ!熱すぎ!ここに来て交流会の相手がレッドウィンターであったことに大きな意味が生まれました!!
そらよく知ってるよな“クーデターの兆し”ってやつをよ
そしてそれが今回しっかり描かれることにもう興奮してきました!
前述の通り「龍武同舟」の読後からそういった危うさを感じ取っていたので、自分の脳内妄想を公式が再現してくれているようで……アツすぎ!!!
こういうとこが気持ちいいんだよなぁ〜〜〜ブルアカはぁ〜〜〜〜〜♡

その兆しをどう回収してくるか、ここでようやくあの女が現れるわけですなアチーアチアチ





申谷カイの話術

場面はガラッと変わって山海経の秘境
カグヤを呼び出した相手はもちろん

ただカグヤはそもそも申谷カイと繋がっていた……というわけでもなく困惑と敵意とで迎えます

私達はカイの人となりも知らなければ、何をして収監されたのか退学となったのかも知りません
この表現だと規則を無視してでも退学を強行したように見えます
これを踏まえるとエデンのナギちゃんは丁寧なんだか狡猾なんだかビビりなんだか……

京劇の、ひいては山海経の伝統を重んじるカグヤはその処分に思うところがあった
小さなモヤモヤが積もり積もって、言葉に出てしまった
カイはその僅かな隙を見逃しません

カグヤの複雑な感情を『屈辱』と形容されてしまったのが、実に巧妙で実に腹立たしい
チェリノの言葉の節々から山海経の文化への軽薄さは自分ですら感じましたし、それに笑顔で応対することに負の感情を抱いていたとしてもおかしくない

でもね……それだけじゃなかったと自分は思いたいです
京劇という未知の文化に目を輝かせて興味を持つチェリノの姿は、彼女の心からの好意を百の言葉よりも雄弁に語っていたはずです
そしてそれを汲み取れないカグヤじゃないんじゃないかと
初対面の権力者相手として接していたかもしれませんが、チェリノの無垢な好意は相手の仮面を貫く魔力があると思っています

京劇や山海経の歴史を語るときのカグヤは果たして、『屈辱』なんて一言で表される気持ちだったのか
伝統を重んじる人間こそ、伝統に純粋な興味を持ってくれる人間を無下にはできないはずです

カグヤが聞き耳を立てていたキサキとトモエの会話については疑念を抱いていておかしくありませんが、チェリノとの会話すら『屈辱』であったと形容されてしまったことが悔しくて仕方ありません

もちろんカグヤも一度は否定します
けれど、自身の大切な京劇を引き合いに出されて激昂してしまった時点でカイの手のひらの上です

カイのあまりに巧みな人心掌握に膝を打ち頭を抱えました……
「過去」を重んじ「現在」に不安を抱く者に対して、あえて「過去」を否定してみせる
当然相手は激昂し「過去」を肯定する
そこで訂正しつつ自分自身を「過去」の人間として、あなたの理解者であるとすり寄ってくる
山海経から追放された申谷カイは「得体のしれない悪」から「過去を知る数少ない同志」へと変わる

ここでカグヤの攻撃性の矛先が申谷カイではなく、現在の山海経門主にすり替わる
ここからはもう止められない

元々はほんのちいさな愚痴かもしれない
けれどそれらに『屈辱』という名前がついてしまったからには肯定されてしまう
このモヤモヤは正当なもので、京劇を守るために必要なものだったのだと

ついには京劇を政治的に利用する案に乗ってしまう

ここもまた申谷カイの巧妙な手口
命令に従うのではなく、あくまで自分の意志で選択したかのように言わせています
これにより「申谷カイとは関係なく」「申谷カイの思惑通りに動く」人形の完成です

漆原カグヤの京劇に対する愛が踏み躙られ、弄ばれる様を見ているのは非常につらかった……

と同時にここまでの悪役をブルアカで描いてくれたことに感謝もしています
鬼怒川カスミに出会ったときの衝撃と近いものがあります
共感のできない胸糞悪い悪役ではなく、絆されそうになる魅力を持った悪役として申谷カイ期待しています



その後話を聞いていた錬丹術研究会のモブちゃんが出てくるのですがまぁ言葉の強いこと強いこと

シンパとそれを軽くあしらう申谷カイの構図があまりにも正解すぎてもう駄目だ……
申谷カイに飼われて利用されて、そのことに気づいてもなお彼女のことを嫌いになれないんだ…………
そんな妄想が飛び出すようなやり取りですが、こんな獅子身中の虫を抱えた薬師サヤが心配になってきます
何事も無ければよいのですがもちろんそんなお話なわけがなく……





キサキの急変

翌日カメラはまた交流会御一行に戻ります

マリナには癒されるなぁ……
今日はキサキが同行しているのですが、トモエは初日牢に案内されたことを秘密にしておきたい様子
政治的な武器にすることも考えていたはずですが、キサキの真意を知り、真実を話しても胃を痛めるだけの弱いものいじめになってしまうとの考えでしょうか
とっさに破綻のない補足ができるのもさすがトモエです

日常回が戻ってきたなぁ、なんてほっこりしたのもつかの間

キサキの様子が急変
いきなりこんな今際の際みたいなやりとりをされたんじゃかないません
先生もどうやら寝耳に水だったようで、台詞に困惑が見て取れます

キサキは早急に薬師サヤを呼ぶように伝えてから意識を失います
この段階では先ほどの錬丹術モブが毒を盛ったのかと考えましたが事態はもっと深刻でした

キサキの回想で以前より病を患っていたこと、サヤがその対策を講じてくれていたことを知ります
なんてこった……

ブルアカが完全無敵な美少女を出すわけがないって……俺は知っていたはずなのに……(最終編の顔)
本人が完璧すぎてワーカホリックなヒナちゃん、最強戦力だけど大事な物のために自分を見失うホシノ、知識最強だけどコミュ力とデザインセンスがないリオ…………

キサキがあまりにも完璧だったからこそ、「ばんざい体操」はキサキのコンプレックスからくる可愛いギャップだと思い込んでいた
それすらも……それすらも…………

ブルアカくんさぁ、シリアス描写をギャグで擦る(シロコがホシノの名言を引用するとか)のはいくらやってくれてもいいけどさぁ!!!
ギャグ描写をシリアスで回収するのはびっくりするからほどほどにしてもらっていいかい?!?!!
ナグサの「コスプレ」とか胸を締め付けられたんだけど、同じかそれ以上の気分です、いま僕は!!!

もう想像だけでつらいけど、こっからの現実もつらいです

目を覚ますキサキ
電気を点けるよう頼むが

あぁあぁぁ、もうつらい
自分が住み慣れた、自室の光すら耐えられない刺激に感じてるってことじゃないですか
それだけ身体が弱ってるってことじゃないですか……

そしてそこまで衰弱する中でも、交流会や山海経を想うキサキが健気で健気で……

このことを知っているのは薬師サヤだけ
もうね、きつい
周囲に隠したまま辛い境遇で生きるキサキ本人はもちろん、それを誰にも相談せず背負って努力してきた薬師サヤがもう……

そんな背景はおくびにも出さず、ただロマンを求めるマッドサイエンティストのように振る舞っていた彼女が、一体何を思っていたのか
彼女の様々な実験に付き合わされた微笑ましい日常のひとつひとつが、誰にも悟られぬよう本心を押し殺して焦眉の急として“不可能”を追い求めていたのだとしたら……

薬師サヤは疑いようのない天才です
凡人が推察したところで彼女の本心は分かりません
ですが「龍武同舟」での本人の言を借りると

不老不死にこだわる理由を問われて「───」の間
あくまで霊薬作りが目標であり、手段と目的が入れ替わってしまう人は多い
「竜華キサキを救う」ため「不老不死の霊薬」を求めることはサヤ自身の言う目的が手段になってしまっているケースではないか

サヤが錬丹術研究会にいる理由がキサキの件だけとは思いません
純粋に錬丹術や霊薬に興味を持つ天才であることが薬師サヤの大部分を占めているとも思います
だからこそ、今の薬師サヤは自分の「やりたいこと」ではなく「やるべきこと」に追われているような気がして、その先には誰にとっても良くない結末が待っているようで、心配せずにはいられません

この一件だけで、自分の中での薬師サヤの深みが何十倍にも増して唸っています……
申谷カイとの関係性だけでご飯が進んでいたのに心痛で喉を通らなくなっちゃった……


話をキサキに戻します
匂わせではなく、しっかりとキサキの過去を話してくれます
話が早いのは其方の美徳じゃの

異例の2年生で門主に推され初仕事がとある3年生、申谷カイを退学させることだった
ここからは推測でしかありませんが、申谷カイの騒動によって前門主は責任を問われ失脚、その後始末を誰もやりたがらず竜華キサキにお鉢が回ってきた

処罰に反対されたのも厄介な申谷カイとともにキサキを尻尾切りするためだったのやも、と邪推しています
事が済んでから「やっぱり2年生を門主にしたのは間違いだった」、なんて手のひらを返す布石
厄介事だけ任せて早々に門主から降ろす予定だった、けれどキサキのその後の治世や立ち回りが上手く立ち消えになったのかなぁ……なんて

その詳細が語られることは今後もないかもしれませんがキサキの心労を思うとやりきれません

けれど当の本人は「門主」がやるべき当たり前の事だと、平然と“犠牲”を受け容れている

こんな笑えない冗談を笑顔で
もう悲しいやら苦しいやら悔しいやらで先生おかしくなっちまうよ……
自身の損な役回りを嘆いて恨み言を愚痴ってくれるならまだ救われる
けど今この瞬間にも限界を迎えそうな少女が

自分の暮らす国と民を慈しんで幸せそうに微笑む
今抱いているこの負の感情をどこに向ければよいのか、自分が間違っているように思えてくる
そんな先生を、“普通の人間”の悪しき感情さえも汲み取って肯定してくれる



ここあまりにもノベルゲーすぎる
病床で余命を自覚したヒロインに対して無力を痛感する主人公とそれすら包みこんで絆してしまうヒロインすぎる
ブルアカは……エロゲーなのかもしれない…………

はぁつらい……こんなのがイベントで、いやブルアカでお出しされていいのかよ……
そういうギャップに脳を焼かれて、ここまで着いてきたオタクだったことを今思い出しました
それでも!と言い続ける強いオタクになるんだろ
ブルアカを信じてついていくんだろお前は!!

よくわからないヲタクの鼓舞が挟まっちゃいました
完膚なきまで打ちのめされましたが、また立ち上がって続きを読んでいきます


まぁそうなるよな……
キサキをどうこうする毒を盛ったというよりは、症状を抑制する薬がすり替えられていた
こっからのやり取りがあまりにも好きが詰まってる

今回だけでない現状の責任を取ろうとするサヤも、それを宥めつつ「門主」の役割を譲らないキサキも……
つらく、美しい……

相変わらず君主として出来すぎているキサキ

この2人の通じ合い方もう何周か回ってえっちだろ……
なんかもう気持ちいいもん、気持ちよすぎる
どの学校でも3年生の横の繋がりから、彼女たちの語られない月日を感じられて非常にえっちです……

えっちさに気を取られていましたが会話中にカグヤから連絡が入り、レッドウィンター玄龍門など皆の前で新作の京劇を披露したいという打診がありました
カイとカグヤの密会を見ている読者は嫌な予感しかしませんが、好意的に捉え慈愛の目を向けるキサキ門主
おいたわしや……





伝統と変化、諫言とクーデター

翌日白虎公園で始まる京劇
チェリノたちはいつもの調子で観劇しているが

劇の内容があんまりにも分かり易すぎる……w
もうちょいオブラートに包めませんでした??
暴君とそれに振り回される臣下たちの構図が分かり易すぎる、伝統の奥ゆかしい京劇の姿かコレが?

ただ王の悪政により国が乱れ天災が起こるのは、古典中国らしい発想のように思います
それから民の不満を汲んだ新たな王候補が地方で立ち上がる、とかね

古典日本でも同様の考えはあるのでしょうか?
日本の統治者に対して良し悪しを表すものは何だったんでしょう
無知ゆえちょびちょび調べときます

発想を転換すると古代中国においては理不尽な天災の原因を為政者に求めたとも考えられるかもしれません
日本だと天災は自然=神の行いだとして、そこに原因を求め遷都したり祀ったりで鎮めようとしているイメージ
自然災害ありきで何と結びつけるのかという話なのかもしれません

話が多いに脱線してしまいましたが、その暴君ぶりがチェリノとうまく共鳴してしまったようですアイタタタ
常に間違わない権力者がいれば一理あるかもしれないけども……

一緒に観ていた玄龍門の子たちもざわつき始めます

盲目的に信じることは盲目的に疑うことと表裏一体、裏返ったときに「目が覚めた」なんて言ってしまうのが一番怖い
モブたちの溜まっていたモヤモヤにも火がつき始めます

権力者が自分で言っちゃおしめーよの台詞
これはまさしく……

ついに成ってしまいました
ここで恐ろしいのは、山海経の生徒たちは例外なく「クーデターに慣れていないこと」
当たり前っちゃ当たり前で、クーデターに慣れてる赤冬勢がおかしいんですが
慣れないことをすると冗談が冗談じゃ済まなくなり、言葉だけでは済まなくなります

京劇部も結局武力で包囲してしまっています
そこまでやったら諫言と言えるのか

それについてはキサキも同じ
いえキサキの場合より最悪なのは、打ち倒されるのを予期した上でそれも役割だと受け容れてしまっていること
トップが折れたら下の立つ瀬が無くなります
何のために、誰のために動くべきか迷う生徒たちの中で最初に動いてみせたのは

よくぞ言った近衛ミナ!!!
これぞまさに忠義!
門主」だからじゃない、あなたが必要なんだと言ってくれる部下がキサキにも居たことがうれしうてうれしうて
ただの門主様ファンクラブじゃねぇんだぞこちとらよ!

その熱い忠義に応える者がもう一人

うおおおおおおおおおおおおおお!!!
面のいいバカの共闘だあぁぁぁああああ!!!!!

実際の戦闘でも背中合わせで闘っていてアチアチでした!
いいね〜こういうのでいいんだよこういうので!

一旦は退けるも多勢に無勢
たまらず先生も間に立ちます

この一文目があるおかげで先生のスタンスがはっきりしてありがたい
生徒間のいざこざだと先生はギリギリまで傍観しちゃうのよね、それで状況が悪化しちゃうこともしばしば
それが先生なりの大人のやり方なんでしょうが、それを崩してでも今はキサキの前に立ちます
ただやっぱり、問題を先送りにするような弱々しい提案でカグヤが聞く耳を持つはずもありません
ここらへんリオとのやり取りも想起されます

加えてキサキ自身が変わらずこの状況を受け容れてしまっている

キサキほどできた人間でも、追い詰められて楽になりたいという願望に流れそうになっているのかもしれません
そこでこのひと声よ!

き、き、キタアアアアアアアアアアア!!!
ブルアカの「そんなのどうだっていい!」ktkr!
無茶で乱暴な励ましなんだけど、動けなくなる脚を思考の沼から引きずりあげてくれるパワーのこもった言葉
アビドスで陸八魔アルが、パヴァーヌでモモイが、読者である自分の頭をぶん殴ってくれるのはいつもこの言葉です

食い下がるカグヤにチェリノトモエタッグが殴りかかります

詭弁には詭弁をぶつけんだよ!
と冗談はさておき、「変化しないための諫言」も「諫言のための変化」も矛盾とは言えず、グラデーションの中で割り切れるものでもないかと思います
極論をぶつけてどっちもどっち論に持ち込めばあとはより強固な極論が勝ちます(見た目上は)
こういう極論で一蹴できるのがまさに独裁者の鑑

先ほど述べたようにカグヤ達はやり慣れていない初めての「諫言」、一方こちらは日常と化した「クーデター」
迷いのあるカグヤに勝ち目はありません

ここからはもうレッドウィンターの独擅場です

マリナが味方になるとなんと頼もしいことか
ウキウキでばったばったと薙ぎ倒してしまいました
そしてオチをつけるのも流石のマリナ

そこからの忠誠を試す問答が馬鹿クソおもろすぎました

書記長より偉大な者が居る前提での答えの後に、書記長より偉大な者など居ないと答えさせるトンチキ具合
問題があれば穏便に揉み消そうね、それが許される土壌は懐が広いんだか狭いんだか

完全にレッドウィンターの空気に圧倒されたまま事態は収束します
各々の心のうちにわだかまりを残しながら






火種が燻る山海経

色んなことが表で裏で起こった交流会でしたが、別れの日が来たようです

満面の笑みで喜びを伝え、頭を下げるキサキに対して同じ統治者の目線で助言を送る
いやぁ、チェリノやっぱ器がデケェ女だよ
キサキに彼女の傍若無人さが1/10でもあれば、真に君主足り得るのかもしれない
優秀で人が良いことはつけいる隙にもなりかねない
この交流会でキサキに対して、王とは何たるかをチェリノが見せてくれたと思います
チェリノが良き王であるかは別として

そしてレッドウィンターのバグってる常識にまた感心してしまうキサキ
まぁ極端な思想にも触れて折衷案が取れたら一番いいかもしれないし……、知らんけど

トモエは怖いよやっぱ……レッドウィンターから出しちゃいけないこの人を
全てを吸収して世界を操り始めるかもしれない

そんなこんなで、別れを惜しみつつ友好の品を授けて交流会は終わったのでした

玄龍門を離れられないキサキの代わりに「香主」なる人物を見送りにやったようですが初出ですよね?
広報部長というのは玄龍門内にそういう部署があるのか、「広報部」という独立した部が存在するのか
今後の登場に期待です

騒動は一旦落ち着きましたがキサキの苦悶は続きます
これで終わりじゃない……キサキが真に解放される日は来るのでしょうか


事件の当事者であるカグヤは獄中でミナと話しています

キサキ門主への糾弾、そして申谷カイの処遇について激論
その剣幕がまさに強情な政治犯のそれで恐ろしい
大義名分はここまで人を変えてしまうかと
カグヤ本人が言っていたように役を演じる上で影響を受けやすい性質ではあると思うのですが、それにしても……

それとミナの「その間にどれほどの被害者が出たと思う!?」という言葉も引っかかります
退学となった時点で申谷カイは山海経の生徒(もしくは一般人)たちに危害を加えており、しかも継続していた
退学処分はその凶行を止める唯一の手立てであった、と読み取れます

まず武力的に鎮圧できるならミレニアムのコユキのように山海経で管理することも可能だったはず
反対に鎮圧できないのだとしたら、退学処分を言い渡されたところで申谷カイは無視して悪行を続けられそうなものです


退学によって何が変わるのかいくつか妄想してみました
①公権力の投入が可能になる?
申谷カイは七囚人なので一度は捕まり矯正局に送られています
山海経の力だけではどうにもできず、除籍することでヴァルキューレやSRTの介入を可能とし鎮圧してもらった可能性をまず考えました
まず退学しないと協力を仰げないのか?と言う時点から妄想なのですが、「山海経の排他的な校風もあり表立って協力してもらうのが難しかった」とか「不法侵入として山海経と関係なく公権力を動かせる」とかそんな妄想です

山海経へ立ち入れなくなる?
「龍武同舟」でも「月華無騒」でも、申谷カイは山海経であるともないともいえない狭間の場所で暗躍しています
退学処分とすることで山海経に物理的に立ち入れないようにできる、という可能性も考えました

カグヤとの会話で申谷カイ自身が「キヴォトスの外郭を彷徨う羽目になった」と言っています
これまでの申谷カイの立ち回りからして表舞台には現れず裏で暗躍する姿が似合っています
山海経で隠れられると所在が掴めない、よって退学として土地から追い出すしかなかった、とかね

これもまた妄想で退学が何を意味するのかはブルアカの作中で明言されていません
エデンの補習授業部で退学の話が出たり、ヤンキーモブには学校を中退した子達が登場します
けれど具体的にどうなるのかは分かっていません
②の妄想ならヤンキーたちが各学校の自治区に入れないこととブラックマーケットのような場所でしか生活できないこととが繋がりますがはたしてはたして

こういう妄想楽しいんですがブルアカ君はめったに答えをくれません
だからこそ妄想の楽しい部分だけチュッチュできて答え合わせで「裏切られた!」にならないのは良いのか悪いのか
まぁ肩透かしでも回収されなくてもヘーキヘーキって緩い感じで期待してます


閑話休題
カグヤのあまりの固執にミナ絶句

これもうどうすんべさ
PVの柔らか笑顔のお姉さん返してよ〜〜〜泣
カグヤもこれで終わりとはいかないでしょうから今後の扱いが気になるところです


そして騒動の黒幕、申谷カイはというと

絶対とんでもないことやってきているしこっからもやらかすんだろうけどさぁ……
ここまで魅力的な悪役されちゃうとワクワクしちゃうよね〜〜〜
「私が──帰ってきた」な〜んて溜めて言える人間稀代の悪しか居ないよぉ〜〜〜〜〜
ただ想像以上に「山海経」に対して執着があるようなので愉快犯ではなく何か目的があるように思えます
今後一体何をやらかすのか期待ですね

ってところで事件の尾を引きつつ不完全燃焼で「月華無騒」は完!なのですが





予告編

粋スギィ!!!
山海経のストーリー自体がどこか映画味のあるお話だったからこそ、この予告編がたまらなく熱すぎる!!!

山海経の祭り、嫌疑をかけられるサヤ、「猿の手」、門主を信じるミナ、そしてキサキと接触するカイ……
もう情報量の洪水で何がなにやら
これにブラフも紛れ込ませるのがいつものブルアカのやり口なんで、何が来てもいいように心の準備はしておこう……
てか早く続き読ませてくれぇぇぇ〜〜〜〜〜 !!!




感想まとめ

「月華無騒」への感想はここまでになります
いや〜〜〜期待していたもの、その百倍重く苦しく面白いものが見られて満足です!!
シナリオに京劇という他国の文化が盛り込まれていましたが、違和感なくスッと読めるのは流石のブルアカクオリティ
大筋が面白かったのに加え、会話の節々にキャラの魅力が詰め込まれていたのが大好きなシナリオでした

以下登場キャラへの感想です

今回初登場の漆原カグヤは意外なキャラ付けではありましたが、「まだこんな引き出しがあったか!」という驚きと「こんな極端なキャラ出す勇気すげぇよ」という感心とで一杯です
リオやカヤやユキノに対してそうであるように、もう既にカグヤも私の大好きな生徒の一人です
立場としては七度ユキノが近いかもしれませんね
自分の大切なものに固執するあまり度が過ぎた行いをしてしまう、利用されて本末転倒の錯誤に陥ってしまうあたりが
ただこのまま実装ではなくしっかり更生と成長と活躍が描かれる、漆原カグヤが『自己』を見つけられるようなお話をお待ちしています

また申谷カイもやってくれましたね……期待通りです
どこまでも格を落とさず、かつ理解のできない狂人ではない塩梅のキャラクターを期待しています
期待しすぎて解釈違いになっても損しかないのでポンコツになってもそれはそれで愛します

続いてレッドウィンター組
なぜ彼女たちが交流会の相手に選ばれたのか、しっかりその意義を見せつつの大活躍でしたね
特にチェリノの無垢な王とトモエの聡明な腹心とがバランスよく話を面白くしてくれました
彼女たちの良さが十全に伝わるシナリオであり、山海経メインのお話でも実装キャラが彼女たちであったことにも何にも違和感がありません
むしろ山海経側は何も解決してませんしね……
キサキと同じ目線で理解者足り得るのはキヴォトス中を探してもチェリノトモエのコンビだけかもしれない
交流会以降も関係が続いてくれると嬉しいです

続いて薬師サヤ
半分以上自分の妄想で勝手にツラくなっているだけなのですが、彼女がキサキと2人だけの秘密を抱えていることに安堵もしました
キサキを孤独な王にしないためにも、今後もサヤには頑張ってもらいたいのですが予告編が不穏すぎる……
曇らせるんじゃねぇぞブルアカ……

次に近衛ミナ
序盤は玄龍門のポン要素を一手に引き受けマリナとやいやいやってましたが、最後の最後で大捲り
ミナにそう言わせるまでの愛があるとは正直思っていなかったので、モブちゃん達が迷うなか、自分の信念を少しも揺らさなかったミナのかっこよさが輝いていました
映画の台詞の引用なんかよりお前の魂から出る言葉の方がかっこいいんじゃい!

最後に竜華キサキ
ま〜……まんまとやられましたよね、竜華キサキの、ブルアカの毒牙に
そうだよな完全無欠のヒロインを出すわけないんだこのゲームが
けれどこの欠点はあまりにもあんまりじゃないかい?
困惑する周囲に対して、本人の覚悟がキマっちゃってるのもなんとも寂しい
そらルミも複雑な顔をするよなぁ
早く幸せになってくれ、申谷カイぶっ飛ばして平和で明るい山海経竜華キサキファンクラブを取り戻そうな

そんな感じです
チーパオでパオパオしてる場合じゃない、今後の期待も膨らむいいお話でした!
ってかこの続きもうイベントでやれるような規模でも重さでもなくね?山海経メインストーリー来る???来ちゃうの????





おまけ

もう来ちゃった
ってことで9/25にもう続きのイベント来ちゃいます

いや〜油断してた〜〜
「龍武同舟」みたく1年後のイベとか、メインだとしても数カ月後だとか考えてたからまさかまさか2ヶ月連続で来るなんて

しかもしかもよ

レイジョ&キサキ実装ウオオオオオオオオオオオオオオオ !!!!!!!
「龍武同舟」復刻でレイジョが実装されなかったとき正直モヤモヤしてました
レイジョにスポットライト当たるイベが次いつ来るか分かんないから
でもこんなに早く来てくれるならOKですサイコ〜〜〜〜〜〜

さらにはキサキよ!
キャラ人気的には周年の目玉に置いておいてもいいぐらいのキャラのはずですが出し惜しまないね〜〜〜
好きだよ〜〜〜ブルアカ
こりゃ周年も期待しちゃうね
キサキが実装されるということはキサキ周りもある程度落ち着いてくれるかと思うので楽しみです

予告編でも山海経の祭りについて言及されていたので同じ模様をやるかと思うんですが……イベストの尺で収まる?
まぁ?こちらとしては?全然?対策委員会3章みたいに筆が乗っちゃって今回30話あるのごめんね〜〜〜とかでも?構いませんが???

もう期待爆上がりなので更新が楽しみですし、読破後に「こんなめちゃくちゃ面白い話は恒常で置くようにしろよ!!!!!」と言わせるような話を待っています



という「五塵来降」という次イベの告知がなされたので急いで書き上げてるのが今回の記事になります
もっとダラダラ書き進める予定だったのですがまさかもう続きが来るなんて……

今週は玄龍門のグルストが実装されるだけの虚無期間だったし、PUがバニー4人だったし、月末は全然違う展開なのかな〜って思うやんか
グルストの内容も、今回の話を受けつつトンチキバカ騒ぎしながらキャラクターの魅力が散りばめられてるいいお話でした
時系列は実装順的にも「月華無騒」→グルスト→「五塵来降」かなと思ってますがどうなんでしょうね
カグヤが出所して普通に京劇部の部長やってるので「五塵来降」後の可能性もありそうです

ただ、そういった話を踏まえずに読んでも、山海経の雰囲気や登場キャラの大まかな性格を知ることのできるよいグルストだったかと思います
グルストはイベスト同様メインの進行状況に関わらず読めるのでミナを手に入れた新規が先にグルストを読む可能性もあります
多少物言いに引っかかることはあったとしても、新規先生がそれ単体で楽しめる話になっていたのが個人的に高評価でした

てかグルストでカグヤを知ってから「月華無騒」を読むとたまげそうですね……初見の復刻時の感想がもう楽しみになってきました


ってことでお話の続きに胸を膨らませつつ、この記事を締めさせていただきます
キサキは、サヤは、カグヤは、カイは、山海経はどうなってしまうのか?!!

そしてこの謎の幼女はいったい何者なんだーー(棒)